事前投票と本投票
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 14:23 UTC 版)
「1981年の国際連合事務総長の選出」の記事における「事前投票と本投票」の解説
オララ・オトゥヌ安保理議長は、候補者を絞り込むための手順を考案した。本投票の前に無記名投票を行うこととし、常任理事国には青色、非常任理事国には白色の投票用紙が配られた。各理事国は、それぞれの候補者について、「落胆」(discourage)票か「推奨」(encourage)票を投じる。十分な数の「推奨」票を獲得できなかった、あるいは、いずれかの常任理事国から「落胆」票が投じられた候補者には、安保理議長が辞退を促すこととした。 12月11日、安保理は1回目の事前投票を開催した。サドルッディーン・アーガー・ハーンが最多の「推奨」票を獲得したが、ソ連が「落胆」票を投じた。ハビエル・ペレス・デ・クエヤルは、選出に必要な9票に1票足りなかったが、常任理事国の「落胆」票はなかった。オトゥヌ議長が結果を読み上げると、安保理は拍手喝采に包まれた。選出は7週目に入って、ようやく膠着状態が解消された。選挙活動をせずに自国に留まっていたダークホースのペレス・デ・クエヤルが、最有力の候補となった。オトゥヌ議長は直ちに本投票に移った。 本投票(第17ラウンド)でもペレス・デ・クエヤルが選出され、総会に推薦された(決議494)。12月15日、総会は満場一致で、ハビエル・ペレス・デ・クエヤルを1982年1月1日から5年の任期で次期事務総長に任命した。ペレス・デ・クエヤルは、初のラテンアメリカ出身の国連事務総長となった。 1981年12月11日の事務総長選出の投票結果候補者事前投票第17ラウンドED賛成反対棄権拒否権 サドルッディーン・アーガー・ハーン(英語版) 9 9 2 4 カルロス・フリオ・アロセメナ・モンロイ(英語版) ホルヘ・イルエカ(英語版) 辞退 カルロス・オルティス・デ・ロサス(スペイン語版) 6 ハビエル・ペレス・デ・クエヤル 8 なし 10 1 4 なし サンティアゴ・キハノ・カバイェロ シュリダス・ランファル(英語版) 4 Radha Krishna Ramphul 辞退 ラファエル・M・サラス(英語版)
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