世界遺産登録へ向けた動き
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「富岡製糸場」の記事における「世界遺産登録へ向けた動き」の解説
詳細は「富岡製糸場と絹産業遺産群」を参照 片倉工業は富岡工場(旧富岡製糸場)を閉業した後も一般向けの公開をせず、「売らない、貸さない、壊さない」の方針を堅持し、維持と管理に専念した。富岡製糸場は巨大さゆえに固定資産税だけで年間2000万円、その他の維持・管理費用も含めると最高で1年間に1億円以上かかったこともあるとされる。また、片倉は修復工事をするにしても、コストを抑えることよりも、当時の工法で復原することにこだわったという。こうした片倉の取り組みがあったればこそ、富岡製糸場が良好な保存状態で保たれてきたとして、片倉の貢献はしばしば非常に高く評価されている。 富岡製糸場の操業停止を受けて、市民レベルでもその価値を伝えていこうとする学習会「富岡製糸場を愛する会」が、当初は細々としたものではあったが、1988年に発足した。この団体は継続的に活動しており、特に活発な市民団体とされている。 富岡市の取り組みでは今井清二郎の市長在任中(1995年 - 2007年)が、ひとつの大きな画期となっている。今井は市長就任前から富岡製糸場に強い関心を抱いており、市長になると片倉工業との交渉を開始した。そんな中、2003年(平成15年)に群馬県知事小寺弘之が富岡製糸場について、「ユネスコ世界遺産登録するためのプロジェクト」を公表した。翌年12月には県知事、市長、片倉工業社長の三者での合意が成立し、富岡製糸場が富岡市に寄贈されることとなった(土地は有償で売却、建物は無償譲渡)。2005年(平成17年)9月30日付けで富岡市に寄贈され、翌日からは市(富岡製糸場課)が管理を行っている。 2005年(平成17年)7月14日付で「旧富岡製糸場」として国の史跡に指定され、2006年(平成18年)7月5日には1875年(明治8年)以前の建造物が重要文化財に、2014年12月10日にはその一部が国宝に指定された。2006年には毎日新聞社の記念事業「ヘリテージング100選」に選出され、2007年11月30日には経済産業省から、近代化産業遺産のひとつ「『上州から信州そして全国へ』近代製糸業発展の歩みを物語る富岡製糸場などの近代化産業遺産群」の構成遺産に認定された。 文化庁が2006年と2007年に、全国の地方自治体から世界文化遺産の追加提案候補を公募した際には、群馬県と富岡市、および他の7市町村が共同で「富岡製糸場と絹産業遺産群 - 日本産業革命の原点」を提案した。これは2007年1月30日に「富岡製糸場と絹産業遺産群」として、日本の世界遺産暫定リストに記載された。いわゆる近代化遺産が暫定リストに加えられたのは、これが初めてである。その後、富岡製糸場以外の構成資産の候補は何度も見直されたが、2012年8月23日に国際連合教育科学文化機関 (UNESCO) の世界遺産センターに正式推薦されることが決定し、2013年1月31日に正式な推薦書が世界遺産センターに受理された。日本の世界遺産として産業遺産が推薦されるのは、石見銀山遺跡とその文化的景観(2006年推薦、2007年登録)以来、2例目のことである。 2013年9月25日から26日にかけて、世界遺産委員会の諮問機関である国際記念物遺跡会議 (ICOMOS) から派遣された中国国立シルク博物館館長の趙豊が、現地調査を行なった。この現地調査を踏まえ、2014年4月26日未明(日本時間)に「登録」の勧告がICOMOSから出された。この勧告に基づいて、同年6月の第38回世界遺産委員会で正式に登録された。
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世界遺産登録へ向けた動き
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「金瓜石鉱山」の記事における「世界遺産登録へ向けた動き」の解説
金瓜石鉱山には、開設当時の精錬施設、地下坑道、鉱山事務所、日本人宿舎など建造物がそのままの形で残っており、重要な近代化遺産である。 現在、台湾政府では、金瓜石鉱山とそれに関連する集落を、世界遺産に登録する取り組みが進められている。2003年、行政院文化建設委員会文化資産管理処準備室において、「水金九礦業遺址」(Shuei-Jin-j-Jiou Mining Sites)として世界遺産へ推薦することを了承し、台湾の世界遺産候補のうちの1つに加えられた。
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