世界遺産登録に向けて
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「やんばる国立公園」の記事における「世界遺産登録に向けて」の解説
「奄美・琉球」も参照 環境省は、早くても2018年夏にやんばる国立公園の指定域のうち、特別保護地区と第1種特別地区を、世界自然遺産「奄美・琉球」として登録を目指していた。世界遺産の登録には、国立公園化により、指定区域内における厳正な自然環境の保全が要求され、土地開発の規制や希少な動植物の保護が強化される。2016年9月9日の閣議後会見で山本公一環境大臣は、「なるべく早く世界遺産登録を目指す」と述べた。また沖縄県は、世界遺産の登録でやんばるの自然環境に触れる機会を作り出し、自然環境の保全の重要性を伝えていく必要があると述べた。やんばる自然保護官事務所の自然保護官の一人は、やんばるの国立公園化や世界遺産登録を目的で終わらすのではなく、将来にわたってどのような持続可能な利活用を行っていくか考えるべきだと述べた。 やんばる国立公園に隣接する北部訓練場の存在が、世界遺産登録の妨げになるのではないかとの指摘がある。IUCN日本委員会を務めた吉田正人は、沖縄タイムスの取材で、過去に登録された日本の世界自然遺産の中で、やんばるに生息する固有種の完全保護性と自然環境の保全が十分なのか判断するのが最も難しいとし、北部訓練場内の動植物の生息状況や米軍による訓練の影響の有無を、日本政府が管轄外という理由で説明できなければ、世界遺産登録は難しいと述べた。 2018年5月、IUCNは、同地域の登録延期を勧告。北部訓練場返還地での資産の分断等の点で要件に合致しないと評価とされた。この勧告を受けて、日本政府はいったん推薦を取り下げて再度登録を目指す方針を固め、同年6月29日に推薦区域の見直しの一環として北部訓練場返還地のうち約3,700haを当公園に編入し指定域を拡張した。
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