上州白久保のお茶講とは? わかりやすく解説

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上州白久保のお茶講

名称: 上州白久保のお茶講
ふりがな じょうしゅうしろくぼのおちゃこう
種別1: 風俗習慣
保護団体名: 白久お茶講保存会
指定年月日 1990.03.29(平成2.03.29)
都道府県(列記):
市区町村(列記): 吾妻郡中之条町大字五反田白久
代表都道府県 群馬県
備考 2月24日
解説文: 群馬県吾妻郡中之条町大字五反田白久保では「お茶講」と呼ばれる飲み分け競う行事が行われている。昭和10年代までは、節分はさんでその前後1月24日(秋の分)と2月24日(春の分)の年2回行われていたが、昭和20年代以降は、2月24日に、天神待ち行事習合する形で行われるようになっている行事の場所は、かつては民家回り持ち行われていたが、昭和62年からは、特設の「お茶講の家」と呼ばれる専用施設行われるようになっている
 お茶講準備は、行事当日日中に行う。各戸から男子大人1人ずつが出役し、お茶講用い4種類12包み作るほか、連名帳、ササラ紙、分配するアメ玉などを用意する煎茶渋茶という)、甘茶チンピ乾したみかんの皮)を別々に茶臼挽いて粉にした後、それらを一定の比率混ぜあわせて調合したのである4種類(一の、二の、三の、客のという)のを、各種類3包みずつ、計12包み分ける。連名帳は半紙用いて表紙付けた冊子体裁整えて作りササラ紙は半紙4分の1大きさ切って作る部屋床の間には天神様掛軸掛けるまた、白久保天満宮境内掃除、同宮に納める灯籠つくりなども併せて行う。
 お茶講は、夕食後に行われムラ内の男子全員男児を含む)と、数え年12歳までの女子参加する。講の係には、クミチョウ地区長・総括)、茶坊主点茶役一~二人)、勝【かつ】(書記一人)、叶(計算一人)及びお茶配り(一~二人)があり行事進行携わる
 お茶講は、氏神白久保天満宮から天神様お迎えして周囲塩払いした後開始される。まずはじめに「客の」をたて、天神様捧げて参加者一同拝礼する引き続いて四種類のを、各1包みずつ一の、二の、三の、客のの順にたてて参加者配りトヨミ称して見本に飲む。ホンチャ本番)はそれからで、残り4種類7包み順次1包みずつたてて参加者配って飲み分け行い、勝の読み上げ答える。その結果を勝が、そのつど横書き縦書き交互に連名帳」に記入していく。開いた包みは、茶坊主により、ウグイス呼ばれる竹の棒に挿す各回(7回行う)とも、正解者にはアメ玉が配られる本番が終わるとその結果集計し、全正解者をハナカツギ(花担ぎ)、正解四つの者をシデツポウ(四鉄砲)、正解一つの者をイチッポウ(一棒)などと称し連名帳の該当者氏名の上にその図柄描いて行事締めくくる
風俗習慣のほかの用語一覧
生産・生業:  神津島のかつお釣り行事  近江中山の芋競べ祭り  阿蘇の農耕祭事
社会生活(民俗知識):  上州白久保のお茶講  粟生のおも講と堂徒式
祭礼(信仰):  三上のずいき祭  上野天神祭のダンジリ行事

お茶講

(上州白久保のお茶講 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/01 12:51 UTC 版)

白久保のお茶講の家(群馬県吾妻郡中之条町)

お茶講(おちゃこう)とは、近隣の者が集まって情報交換・親睦を深める集まりのこと。北海道、佐賀県佐賀市などに見られる[1][2]。あるいは、群馬県吾妻郡中之条町で行われている闘茶の一種を指す。

群馬県白久保のお茶講

群馬県吾妻郡中之条町白久保地区にある白久保天満宮の祭事として、毎年2月下旬に行われる[3]。闘茶の形式であるが、全体における正解者、不正解者の多寡で豊作か不作かを占う神事でもある[4]。参加者は地域関係者に限られる。参加者は、陳皮(ミカンの皮)・甘茶・渋茶の配合を変えた4種のを試飲し、味と香りを覚える[4]。その後に出される7杯の茶が、さきほどの4種の茶のうちのどれかを当てる[4]。一度選んだものは変更できない。合計の正解数を競い、全問正解者または全問不正解者が多いほど、その年は縁起が良いとされる[4][5]

14世紀に流行した闘茶に関係があるとされるが[3]、当地のお茶講がいつから始まったのかは不明である。ただし、寛政11年(1799年)の『御茶香覚帳』が現存しており、当時からすでに現在と同様のお茶講が行われていた記録がある[6]

この行事は「上州白久保のお茶講」の名称で、1990年3月29日に国の重要無形民俗文化財に指定された[5]

出典

  1. ^ お茶講/ほっかいどう ムラの宝物さがし”. www.hokkaidoisan.org. 北海道. 2023年8月16日閲覧。
  2. ^ お茶講”. さがの歴史・文化お宝帳. 佐賀市. 2023年8月16日閲覧。
  3. ^ a b 白久保のお茶講”. 中之条町観光協会. 2023年8月16日閲覧。
  4. ^ a b c d 白久保のお茶講|地域”. NHKアーカイブス. NHK. 2023年8月16日閲覧。
  5. ^ a b 上州白久保のお茶講 文化遺産オンライン”. bunka.nii.ac.jp. 文化庁. 2023年8月16日閲覧。
  6. ^ 「遊ぶお茶」は現代の「講」│16号 お茶の間力(まりょく):機関誌『水の文化』”. www.mizu.gr.jp. ミツカン水の文化センター. 2023年8月16日閲覧。

関連項目

外部リンク



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