ヒトへの影響
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農薬の毒性評価は、対象動物の死亡率で行われ、分解代謝物が内分泌や神経作用に与える、影響の評価が不充分と指摘されている。 ただヒトに対する急性毒性は低く、慢性毒性、発がん性、繁殖性、催奇形性及び変異原性の試験でも問題は認められなかったと、内閣府食品安全委員会の審査で報告されている。ラットを用いた代謝試験では投与後、24時間以内に96%以上がそのまま排出され、蓄積はしなかった。ただし胎児や幼児への影響は研究途上であり不明である。短時間に大量摂取した場合には、急性中毒を起こす。 農薬散布者を除外して考えると、ヒトが体内に取り込む主要な経路は、飲料水や食品の経口摂取、ハウスダスト、飛散物の吸引(肺)。 水溶性であるため、農作物の表面に付着すると農薬原体及び代謝物(分解副生成物)は内部に浸透する。そして常圧では、147 ℃から270 ℃以下では熱分解しないため、食品の調理過程でネオニコチノイド系の残留農薬が分解する事は無い。哺乳類では腸管から良く吸収され血液脳関門を容易に通過する。 残留基準は、先進国と比較し食品残留基準値が高く設定、すなわち、多く残留していても良いように、緩い基準が設定されている。特に、日本では2015年5月19日に厚生労働省がネオニコチノイド系農薬の食品残留基準を緩和した上に、使用が許可されているネオニコチノイド系農薬の種類が多いため、その摂取量(曝露量)も多いと指摘されている。 農産物の可食部に残量したネオニコチノイド系農薬で、経口摂取による健康障害が生じたとされる事例が報告されている。報告されている症状は、亜急性のニコチン中毒症状に類似し亜急性の頭痛、めまい、吐気、嘔吐、胸痛、動悸、筋肉痛、筋脱力、振戦、記憶障害、発語障害、意識障害、心電図異常などで、WPW(ウォルフ・パーキンソン・ホワイト)症候群と診断された患者がいた。その有症者からは、ネオニコチノイドの代謝物である6-クロロニコチン酸が、尿中からLC/MS法によって検出された。 一方、松食い虫対策としてアセタミプリドが空中散布された地域では、気中濃度は検出下限(0.15μg/m3)以下であったのにもかかわらず、周辺住民の一部は亜急性のニコチン中毒症状を訴え、医療機関を受診した事例があった。 2014年4月からの1年間、神奈川県で行われた調査によれば、河川の水からは水田での薬剤使用量が増加する6月から7月の検出濃度が上がり、上水道からは河川水とほぼ変わらない濃度で検出されたと報告されている。
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ヒトへの影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 03:04 UTC 版)
H5N1が最初にヒトに感染したのは、香港のトリの間で大流行したのと同じ時期である。この時は香港市内のトリを全て処分することで流行を食い止めた。感染経路は、感染した鳥やその排泄物、死体、臓器などに濃厚に接触することによってまれに感染することがある。日本では発症した人は確認されていない。
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