ツマアカスズメバチ
英語:Yellow-legged hornet、Asian black hornet、Asian hornet、Asian predatory wasp
インド・東南アジア・中国にかけての地域を原産地とする、スズメバチ科スズメバチ属のハチの一種、あるいはその一亜種。女王蜂の体長は約3センチメートル、働き蜂の体長は約2センチメートルほどで、オオスズメバチと比べると3分の2ほどの体長である。ツマアカスズメバチは主に、他の種類のハチを捕食することが知られている。
ツマアカスズメバチは従来日本には分布していなかったが、2013年に初めて、長崎県対馬で移入が確認された。移入経路は不明だが、韓国から移入した可能性が指摘されている。韓国では、2003年に釜山広域市で初めて確認されて以降、在来種を駆逐しつつ急速に分布域を広げており、釜山周辺ではツマアカスズメバチの個体数が他のどのスズメバチ類よりも多くなったともいわれている。フランスでも、2004年頃から侵略的外来種として報告されており、スペインのバスク地方方面に、1年あたり100キロメートルという速さで分布を拡大したと報告されている。
ツマアカスズメバチは主に田園地域に生息し、他のスズメバチ類と異なり、樹上の比較的高い場所に巣をつくるのが特徴である。巣が高い場所にある場合には危険性は低いともいわれるが、環境適応力が高く、都市部に営巣することもあることから、注意が必要とされている。
ツマアカスズメバチはヒトを刺すこともあり、死亡例も知られている。また、ツマアカスズメバチはミツバチを捕食することから、養蜂業に被害をもたらす可能性も指摘されている。
関連サイト:
ツマアカスズメバチ - 国立環境研究所「侵入生物データベース」
つまあか‐すずめばち【×褄赤×雀蜂】
ツマアカスズメバチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/03 04:37 UTC 版)
ツマアカスズメバチ(Vespa velutina)は、ハチ目スズメバチ科スズメバチ属に分類される昆虫。
- ^ a b c 国立環境研究所. “ツマアカスズメバチ”. 侵入生物データベース -外来種/移入種/帰化動植物情報のポータルサイト-. 2014年3月11日閲覧。
- ^ 上野高敏. “危険なスズメバチが我が国に侵入”. 九州大学大学院農学研究院生物的防除研究施設. 2014年3月11日閲覧。
- ^ a b c d e f ハンタータイプ外来スズメバチ襲来 ツマアカスズメバチ「やっかいなやつ」-ミツバチ捕食成功率77%『朝日新聞』夕刊2022年6月14日1面(2022年6月18日閲覧)
- ^ a b 上野高敏. “ツマアカスズメバチ”. 九州・沖縄地方のスズメバチ. 九州大学大学院農学研究院生物的防除研究施設. 2014年3月11日閲覧。
- ^ a b 特定外来生物等一覧 特定外来生物等一覧(指定日別) 生態系被害防止外来種リスト ツマアカスズメバチ 環境省](2017年11月29日に利用)
- ^ 環境省九州地方環境事務所 2023 ツマアカスズメバチ防除計画 (https://kyushu.env.go.jp/content/000129566.pdf)
- ^ 山本智之 (2014年7月19日). “ミツバチ大量死、原因は害虫用殺虫剤 分析で成分検出”. 朝日新聞 2014年12月25日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 本田克樹 (2014年9月23日). “全国でミツバチが消えた…何が起こったんだ?”. 読売新聞 2014年12月25日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “外来スズメバチ本土に、対馬以外で初めて巣を確認” (2015年9月12日). 2016年1月12日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “長崎・対馬に侵入のスズメバチ、特定外来種に 中国原産”. 朝日新聞. (2015年1月11日) 2015年1月25日閲覧。[リンク切れ]
- 1 ツマアカスズメバチとは
- 2 ツマアカスズメバチの概要
- 3 分布
- 4 出典
ツマアカスズメバチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 19:13 UTC 版)
詳細は「ツマアカスズメバチ」を参照 ツマアカスズメバチ(英: Asian hornet、学名:Vespa velutina)は女王は30mm、オスは24mm、働きバチは平均20mmの中型のスズメバチ。全体に黒っぽい体、腹部の先端が赤褐色となる。茂み、低木の中、地中に営巣し、コロニーが大きくなると木の上へ引っ越す。すべての昆虫を捕らえ、ハエ類、ミツバチ類、トンボ類を特に好む。攻撃性は非常に高く、巣に近づいたものは執拗に追跡する。アフガニスタンからインドネシアにかけてのアジア原産で、中国や台湾にも分布を広げており、2004年以前にフランス、2003年に韓国、2010年にスペイン、2013年に日本(対馬)への侵入が確認された。韓国では養蜂への被害のほか、在来スズメバチを減少させている。
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