チリ大地震_(2010年)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > チリ大地震_(2010年)の意味・解説 

チリ大地震 (2010年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/03/02 02:20 UTC 版)

2010年チリ大地震
震源の位置(USGSによる)
本震
発生日 2010年2月27日
発生時刻 6時34分(UTC)
震央 南緯35度50分46秒 西経72度43分08秒 / 南緯35.846度 西経72.719度 / -35.846; -72.719座標: 南緯35度50分46秒 西経72度43分08秒 / 南緯35.846度 西経72.719度 / -35.846; -72.719
震源の深さ 35km
規模    Mw 8.8
最大震度    改正メルカリ震度VIII:コンセプシオンロタコンスティトゥシオンアラウコ[1]
津波 最大2.6m:バルパライソ[2]
地震の種類 海溝型[3]、低角逆断層型(衝上断層[4][5][6]
被害
死傷者数 死者711人
被害地域  チリ
崩壊した民家
損傷を受けたサンティアゴにある建物

2010年チリ大地震(2010ねんチリおおじしん)とは現地時間(夏時間のためUTC-3)の2010年2月27日3時34分(UTC=6時34分)にチリ中部コンセプシオン近郊で起こったマグニチュード8.8の地震である。1900年以降では、世界で発生した地震で5[7]、6番目の規模[8]、チリ国内では1960年に発生したチリ地震に次ぐ規模の非常に大きな地震である。

目次

地震の詳細

震源は首都のサンティアゴから南に約320kmのコンセプシオン沖。深さは35km、マグニチュード(モーメントマグニチュード Mw)は当初アメリカ地質調査所は8.3と発表していたがその後8.8に修正された[9]。また、気象庁も当初は(気象庁マグニチュード Mj)8.5と発表されていたが、その後8.6に修正した。

東京大学地震研究所は遠地実体波から、震源断層の長さは450~500km、すべり量は最大8m、Mw8.6と算出した[6]。史上最大の1960年のチリ地震は断層長600~1000km程度とされており、今回はその約半分だった[10]

この地域ではペルー・チリ海溝において太平洋側のナスカプレートが大陸側の南アメリカプレートの下に沈み込んでおり(両プレートの接近速度は80mm/年、USGS)、これまでもM8を超えるような海溝型地震が繰り返し発生してきた。今回の地震も同様の機構で起きた海溝型地震であると考えられている[3]。また、震源メカニズムは津波の発生しやすい逆断層型である[6]

改正メルカリ震度[1]
メルカリ震度階級 地域
VIII タルカワノ
VIII アラウコ
VIII ロタ
VIII チワヤンテ
VIII カニェテ
VIII サン・アントニオ
VII ラ・ラハ
VII ジュンベル
VII メリピジャ
VII カブレロ
VII ブルネス
VII タルカ
VII サンタ・クルズ
VII エル・モンテ
VII レブ
VII チジャン
VII パラール
VII ロス・アンヘレス
VII タラガンテ
VII サン・カルロス
VII クラニラウェ
VII トメ
VII ランパ
VII コロネル
VII コンスティトゥシオン
VII コンセプシオン
VII ペンコ
VII ロンガ
VII サン・ビセンテ
VII リナレス
VII サン・クレメンテ
VII コイウェコ
VII テノ
VII モリナ
VII パイネ
VII クリコ
VII カウケネス
VII ムルチェン
VII サン・ベルナルド
VII ナシミエント
VII チンバロンゴ
VII アンゴル
VII ラ・カレラ
VII ランカワ
VII ジャイジャイー
VII レンゴ
VII サン・ハビエル
VII ラウタロ
VII グラネロス
VII ビジャ・アレマナ
VII ペニャフロル
VII キルプエ
VII トライゲン
VII マチャリ
VII リマチェ
VII コジプジ
VII ビルクン
VII ビニャ・コウシニョ
VII ビジャリカ
VII ブイン
VII ピトルフケン
VII フレイレ
VII キジョタ
VII サン・フェリペ
VII カラウェ
VII ビクトリア
VII ヌエバ・インペリアル
VII サンティアゴ
VII テムコ
VI ビニャ・デル・マール
VI ラ・リワ
VI バルパライソ
VI ロス・アンデス
VI ロンコチェ
V ラス・ガビオタス
V パンギプジ
V サラマンカ
V ラス・アニマス
V コラール
V バルディビア
V イジャペル
V ラ・ウニオン
V リオ・ブエノ
V メンドーサ(アルゼンチン)
IV オソルノ
IV サン・マルティン(アルゼンチン)
IV サン・ラファエル(アルゼンチン)
IV サン・フアン(アルゼンチン)
IV クトラル・コ(アルゼンチン)
IV サン・ルイス(アルゼンチン)
III ネウケン(アルゼンチン)
III ヘネラル・ロカ(アルゼンチン)

余震

余震の一覧(2010年3月2日時点)[11]
日時(UTC) 地域 モーメント・マグニチュード Mw
2010/03/01 08:58:34 ビオビオ州 5.3
2010/03/01 07:49:08 マウレ州 5.3
2010/03/01 07:39:17 マウレ州 4.9
2010/03/01 06:24:53 バルパライソ州 4.8
2010/03/01 06:16:12 ビオビオ州 5.1
2010/03/01 05:36:57 ビオビオ州 4.9
2010/03/01 05:30:36 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 5.2
2010/03/01 03:53:16 マガジャネス・イ・デ・ラ・アンタルティカ・チレーナ州 5.0
2010/03/01 03:07:51 ビオビオ州 5.1
2010/03/01 02:44:43 マウレ州 5.8
2010/03/01 01:10:58 マウレ州 5.4
2010/03/01 00:49:15 マウレ州 4.8
2010/03/01 00:01:27 ビオビオ州 5.0
2010/02/28 23:49:05 ビオビオ州 5.1
2010/02/28 23:45:06 マウレ州 5.0
2010/02/28 22:41:29 ビオビオ州 5.0
2010/02/28 22:03:06 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 4.9
2010/02/28 19:48:39 ビオビオ州 5.9
2010/02/28 19:10:07 ビオビオ州 4.9
2010/02/28 19:01:08 ビオビオ州 4.8
2010/02/28 18:44:31 ビオビオ州 5.1
2010/02/28 18:25:16 ビオビオ州 4.9
2010/02/28 18:19:53 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 5.0
2010/02/28 18:14:12 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 4.8
2010/02/28 16:03:40 ビオビオ州 4.8
2010/02/28 15:46:25 マウレ州 5.2
2010/02/28 15:26:55 マウレ州 5.0
2010/02/28 14:55:25 バルパライソ州 5.1
2010/02/28 14:50:33 バルパライソ州 5.2
2010/02/28 14:30:50 ビオビオ州 4.7
2010/02/28 13:47:06 マウレ州 5.0
2010/02/28 12:34:30 マウレ州 4.8
2010/02/28 12:18:59 ビオビオ州 5.2
2010/02/28 12:01:15 マウレ州 5.0
2010/02/28 11:50:36 マウレ州 5.2
2010/02/28 11:25:34 マウレ州 6.1
2010/02/28 11:14:27 マウレ州 5.0
2010/02/28 10:43:11 マガジャネス・イ・デ・ラ・アンタルティカ・チレーナ州 5.1
2010/02/28 10:11:07 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 5.0
2010/02/28 09:14:54 バルパライソ州 5.2
2010/02/28 09:01:23 マガジャネス・イ・デ・ラ・アンタルティカ・チレーナ州 4.9
2010/02/28 08:47:19 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 4.7
2010/02/28 08:07:46 マウレ州 5.0
2010/02/28 07:36:30 ビオビオ州 5.0
2010/02/28 07:14:21 マガジャネス・イ・デ・ラ・アンタルティカ・チレーナ州 5.1
2010/02/28 06:22:58 マガジャネス・イ・デ・ラ・アンタルティカ・チレーナ州 4.9
2010/02/28 05:19:35 ビオビオ州 5.3
2010/02/28 05:13:59 ビオビオ州 5.3
2010/02/28 05:04:06 マウレ州 5.0
2010/02/28 04:55:49 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 5.3
2010/02/28 04:17:52 マウレ州 5.0
2010/02/28 04:12:52 マウレ州 4.6
2010/02/28 04:04:51 バルパライソ州 4.9
2010/02/28 03:23:49 ビオビオ州 5.2
2010/02/28 03:20:15 バルパライソ州 4.8
2010/02/28 03:14:12 バルパライソ州 5.1
2010/02/28 03:13:40 マウレ州 4.9
2010/02/28 02:41:10 ビオビオ州 5.1
2010/02/28 02:38:32 ビオビオ州 5.4
2010/02/28 02:13:14 バルパライソ州 4.8
2010/02/28 02:04:29 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 5.0
2010/02/28 01:58:50 マウレ州 5.2
2010/02/28 01:45:29 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 5.2
2010/02/28 01:33:12 ビオビオ州 5.3
2010/02/28 01:24:43 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 4.8
2010/02/28 01:08:24 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 5.5
2010/02/28 01:01:12 ビオビオ州 5.3
2010/02/28 00:53:34 ビオビオ州 5.1
2010/02/28 00:00:49 ビオビオ州 5.3
2010/02/27 23:35:15 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 5.2
2010/02/27 23:12:35 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 5.8
2010/02/27 23:02:01 マガジャネス・イ・デ・ラ・アンタルティカ・チレーナ州 5.8
2010/02/27 22:22:33 首都州 5.2
2010/02/27 22:20:04 マウレ州 5.1
2010/02/27 22:16:15 ビオビオ州 5.2
2010/02/27 22:13:52 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 5.0
2010/02/27 21:59:08 ビオビオ州 5.2
2010/02/27 21:48:26 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 5.0
2010/02/27 21:43:11 マウレ州 5.2
2010/02/27 21:41:30 ビオビオ州 4.9
2010/02/27 21:00:37 バルパライソ州 5.2
2010/02/27 20:44:34 ビオビオ州 5.0
2010/02/27 20:37:41 ビオビオ州 5.0
2010/02/27 20:29:23 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 5.0
2010/02/27 20:05:28 バルパライソ州 4.9
2010/02/27 19:46:10 ビオビオ州 5.0
2010/02/27 19:06:18 ビオビオ州 5.2
2010/02/27 19:00:08 バルパライソ州 6.3
2010/02/27 18:41:51 ビオビオ州 5.1
2010/02/27 18:23:12 ビオビオ州 5.3
2010/02/27 18:15:23 ビオビオ州 5.6
2010/02/27 18:12:51 首都州 5.1
2010/02/27 17:56:53 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 5.3
2010/02/27 17:43:37 ビオビオ州 5.5
2010/02/27 17:24:34 ビオビオ州 5.6
2010/02/27 17:22:26 ビオビオ州 5.0
2010/02/27 17:11:49 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 5.5
2010/02/27 16:50:20 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 5.2
2010/02/27 16:37:34 ビオビオ州 5.5
2010/02/27 16:32:21 マウレ州 5.2
2010/02/27 16:27:58 ビオビオ州 5.5
2010/02/27 16:21:14 ビオビオ州 5.5
2010/02/27 15:23:06 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 5.1
2010/02/27 15:09:08 首都州 5.2
2010/02/27 14:40:53 コキンボ州 5.0
2010/02/27 14:29:10 マウレ州 4.9
2010/02/27 14:23:28 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 5.2
2010/02/27 14:20:00 ビオビオ州 5.0
2010/02/27 14:06:47 ビオビオ州 5.0
2010/02/27 13:54:04 バルパライソ州 5.2
2010/02/27 13:12:52 マウレ州 5.0
2010/02/27 13:07:42 マガジャネス・イ・デ・ラ・アンタルティカ・チレーナ州 5.1
2010/02/27 13:04:51 ビオビオ州 4.9
2010/02/27 12:58:33 首都州 5.1
2010/02/27 12:46:19 ビオビオ州 5.1
2010/02/27 12:44:50 ビオビオ州 5.1
2010/02/27 12:28:48 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 4.9
2010/02/27 12:23:06 ビオビオ州 5.0
2010/02/27 12:03:27 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 5.5
2010/02/27 11:45:03 ビオビオ州 5.4
2010/02/27 11:27:00 ビオビオ州 5.3
2010/02/27 10:54:24 ビオビオ州 5.4
2010/02/27 10:38:36 ビオビオ州 5.9
2010/02/27 10:30:33 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 6.0
2010/02/27 10:10:15 バルパライソ州 5.6
2010/02/27 09:59:21 ビオビオ州 5.8
2010/02/27 09:21:26 ビオビオ州 5.1
2010/02/27 09:00:18 バルパライソ州 5.6
2010/02/27 08:53:57 リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州 5.3
2010/02/27 08:53:27 マウレ州 5.0
2010/02/27 08:48:05 マガジャネス・イ・デ・ラ・アンタルティカ・チレーナ州 5.6
2010/02/27 08:31:05 マウレ州 5.7
2010/02/27 08:25:30 マウレ州 6.1
2010/02/27 08:19:24 バルパライソ州 5.5
2010/02/27 08:13:16 バルパライソ州 5.6
2010/02/27 08:01:24 ビオビオ州 6.9
2010/02/27 07:59:56 ビオビオ州 5.4
2010/02/27 07:56:37 ビオビオ州 5.2
2010/02/27 07:51:06 ビオビオ州 5.4
2010/02/27 07:46:50 ビオビオ州 5.4
2010/02/27 07:37:18 ビオビオ州 6.0
2010/02/27 07:33:31 ビオビオ州 5.6
2010/02/27 07:19:49 マウレ州 5.4
2010/02/27 07:12:29 バルパライソ州 6.0
2010/02/27 06:52:35 マウレ州 6.2
2010/02/27 06:34:15 マウレ州 8.8(本震)

赤太字はモーメント・マグニチュード Mw6.0以上

被害状況

28日時点で少なくとも700人の死亡が確認されている[12]CNNによるとサンティアゴで大規模な停電が発生。チリとペルーでは津波警報が発令され、最大2.7メートルの津波を観測した。AP通信によると、サンティアゴで複数のビルが崩壊した[13]

アルトゥーロ・メリノ・ベニテス国際空港も一部損壊して一時閉鎖していた[14][7]

各州の死者

各州の死者(2010年3月2日時点)[15]
ラ・アラウカニア州 5
ビオビオ州 64
マウレ州 541
リベルタドール・ベルナンド・オイギンス州 46
首都州 36
バルパライソ州 16
合計 708人

津波

太平洋津波警報センター(PTWC)はPacific Ocean-wide Tsunami Warning(太平洋広域津波警報)を出して、太平洋沿岸各国に津波への警戒を呼び掛けている[16]

気象庁は日本にも到達する可能性が高いとして28日午前9時33分警報、注意報を発表した(後述)。

各国の津波観測情報[17][18]
地域 観測時刻(UTC) 高さ(メートル) 脚注
2月28日
仙台港 日本 11:52 1.10
志布志港 日本 10:56 1.10
浜中町霧多布港 日本 10:52 0.80
高知県須崎港 日本 10:42 1.20 [19]
根室市花咲港 日本 09:23 1.00 [19]
和歌山県串本町 日本 09:10 0.90 [20]
千葉県館山市 日本 08:52 0.80 [20]
八戸港 日本 08:44 0.90 [20]
石巻市鮎川 日本 08:37 0.80 [20]
相馬港 日本 08:09 0.80 [20]
神栖市鹿島港 日本 07:49 0.80 [20]
サイパン島 北マリアナ諸島 03:55 0.08
南鳥島 日本 03:43 0.10 [21][22]
アラスカ州シトカ アメリカ合衆国 00:11 0.08
2月27日
タフェア州 バヌアツ 22:46 0.15
カフルイ アメリカ合衆国 21:47 0.98
ヒロ (ハワイ島) アメリカ合衆国 21:20 0.86
サンフランシスコ アメリカ合衆国 21:20 0.26
サンタモニカ アメリカ合衆国 20:24 0.64
ロッティンポイント ニュージーランド 19:34 0.15
ラロトンガ島 クック諸島 19:18 0.32
パペーテ フランス領ポリネシア 18:10 0.16
サンルーカス岬 メキシコ 17:43 0.28
ヒボオア島 フランス領ポリネシア 17:41 1.79
ガラパゴス諸島 エクアドル 14:52 0.35
イースター島 チリ 12:05 0.35
カヤオ ペルー 10:29 0.36
アリカ チリ 10:08 0.94
バルパライソ チリ 07:08 1.29
タルカワノ チリ 06:53 2.34
津波の到達予想  
津波の高さ(エネルギー)予想  
ピンクで示されているのが津波が到達すると予想される国  

日本の津波対応

日本では、28日午前8時30分に気象庁が会見を開き、当初は午前11時過ぎにも注意報あるいは津波警報(最大2m予想)を発表するとしていた[23]ものの、ハワイで2m近い津波が観測されたことや、三陸沖の地形がリアス式海岸(最奥部は津波が大きくなる傾向がある)であること、かつてのチリ地震で最大6mもの大津波を受けて甚大な被害を受けた歴史的経緯もあり、大津波警報を三陸沖に発表するといった内容を伝えた。時間は、「午前9時を過ぎればいつでも発表できるようにする」として、当初の予定を大幅に前倒しすることも示唆した。

気象庁は28日9時33分に青森県太平洋沿岸、岩手県、宮城県に大津波警報(3メートル予想)を、北海道から沖縄県の太平洋沿岸地域と岡山県と東京湾内湾、伊勢・三河湾の内海に津波警報を、北海道日本海沿岸南部、オホーツク海沿岸、陸奥湾、大阪府、兵庫県瀬戸内海沿岸、広島県、香川県、愛媛県瀬戸内海沿岸、山口県瀬戸内海沿岸、福岡県瀬戸内海沿岸、福岡県日本海沿岸、長崎県西方、熊本県天草灘沿岸に津波注意報を発表した[24]

気象庁は3m以上を超える津波が発生する可能性が低くなったとして28日19時1分に青森県太平洋沿岸、岩手県、宮城県に発表されていた大津波警報を津波警報に切り替えた[25]

21時13分に気象庁は青森県日本海沿岸に発表されていた津波警報と北海道日本海沿岸南部、オホーツク海沿岸、陸奥湾に発表されていた津波注意報を解除し、北海道太平洋沿岸西部、東京湾内湾、伊豆諸島、小笠原諸島、相模湾・三浦半島、静岡県、愛知県外海、伊勢・三河湾、三重県南部に発表されていた津波警報を津波注意報に切り替えた。

23時36分に北海道太平洋沿岸中部、茨城県、千葉県九十九里・外房、千葉県内房、和歌山県、徳島県、愛媛県宇和海沿岸、大分県瀬戸内海沿岸、大分県豊後水道沿岸、宮崎県、種子島・屋久島地方、奄美諸島・トカラ列島、鹿児島県西部、沖縄本島地方、宮古島・八重山地方に発表されていた津波警報を津波注意報に切り替えた。淡路島南部、岡山県、有明・八代海、大東島地方に発表されていた津波警報を、東京湾内湾、伊勢・三河湾、兵庫県瀬戸内海沿岸、広島県、香川県、愛媛県瀬戸内海沿岸、山口県瀬戸内海沿岸、福岡県瀬戸内海沿岸、福岡県日本海沿岸、長崎県西方、熊本県天草灘沿岸に発表されていた津波注意報をそれぞれ解除した。

3月1日1時07分に北海道太平洋沿岸東部、青森県太平洋沿岸、岩手県、宮城県、福島県、鹿児島県東部に発表されていた津波警報を津波注意報に切り替えた。

3時06分に高知県に発表されていた津波警報を津波注意報に切り替え、愛媛県宇和海沿岸、沖縄本島地方、宮古島・八重山地方に発表されていた津波注意報を解除した。これにより、今回の地震による警報は全て解除されたこととなる。

8時40分に北海道太平洋沿岸東部、北海道太平洋沿岸中部、北海道太平洋沿岸西部、千葉県九十九里・外房、千葉県内房、伊豆諸島、小笠原諸島、相模湾・三浦半島、静岡県、愛知県外海、三重県南部、大阪府、和歌山県、徳島県、大分県瀬戸内海沿岸、大分県豊後水道沿岸、宮崎県、鹿児島県東部、種子島・屋久島地方、奄美諸島・トカラ列島、鹿児島県西部に発表されていた津波注意報を解除した。

10時15分に青森県太平洋沿岸、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、高知県に発表されていた津波注意報を解除した。この解除により、28日9時33分から3月1日10時15分まで、24時間42分に渡って発表されていた警報、注意報が全て解除されたことになる。

気象庁は同日の会見で、津波の予測が過大であったとし、警報・注意報が長引いたことを謝罪した。ただし最悪のケースを想定したもので、判断ミスはなかったとしている。[26][27]

津波の予想(時間は全て28日)[28]
予報区 予想到着時刻 予想高さ
青森県太平洋沿岸 13時30分 3m
岩手県 13時30分 3m
宮城県 13時30分 3m
北海道太平洋沿岸東部 13時0分 2m
北海道太平洋沿岸中部 13時30分 2m
北海道太平洋沿岸西部 14時0分 1m
青森県日本海沿岸 14時30分 1m
福島県 14時0分 2m
茨城県 13時30分 2m
千葉県九十九里・外房 13時30分 1m
千葉県内房 14時0分 2m
東京湾内湾 14時30分 1m
伊豆諸島 13時30分 2m
小笠原諸島 13時0分 2m
相模湾三浦半島 14時0分 2m
静岡県 14時0分 2m
愛知県外海 14時30分 2m
伊勢三河湾 15時0分 1m
三重県南部 14時30分 2m
淡路島南部 15時30分 1m
和歌山県 14時30分 1m
岡山県 18時0分 1m
徳島県 14時30分 1m
愛媛県宇和海沿岸 15時0分 1m
高知県 14時30分 2m
有明八代海 17時0分 1m
大分県瀬戸内海沿岸 16時0分 1m
大分県豊後水道沿岸 15時0分 1m
宮崎県 15時0分 1m
鹿児島県東部 15時0分 1m
種子島屋久島地方 14時30分 1m
奄美諸島トカラ列島 14時30分 2m
鹿児島県西部 15時30分 1m
沖縄本島地方 15時0分 2m
大東島地方 14時30分 1m
宮古島八重山地方 15時30分 1m
北海道日本海沿岸南部 17時0分 0.5m
オホーツク海沿岸 13時30分 0.5m
陸奥湾 15時30分 0.5m
大阪府 16時0分 0.5m
兵庫県瀬戸内海沿岸 16時0分 0.5m
広島県 17時30分 0.5m
香川県 17時0分 0.5m
愛媛県瀬戸内海沿岸 16時0分 0.5m
山口県瀬戸内海沿岸 16時30分 0.5m
福岡県瀬戸内海沿岸 20時0分 0.5m
福岡県日本海沿岸 21時30分 0.5m
長崎県西方 17時0分 0.5m
熊本県天草灘沿岸 17時0分 0.5m

赤背景は大津波警報、橙背景は津波警報。

日本の報道体制

各局、定時のニュースに加えて、報道特別番組を編成するなどして津波関連のニュースを報じた。以下は関東地方についての記述であり、地方によっては第一報を除き通常編成だったり、独自の報道特番を関東地方よりも長く伝えている。TBSのみ地図に対馬がなかったため一部で物議を醸す[要出典]

NHK

  • 8時36分から気象庁の津波関連の記者会見を放送し、津波関連のニュースを報道した。そのまま9時33分の警報発表時間となり強制的に緊急警報放送に切り替わった。9時55分からは教育テレビでは通常の放送に戻し、総合テレビでは9時55以降もオリンピック情報と気象情報を交えながらも毎時キャスターを交代した上で19時まで報道特別番組として放送し、19時からは通常の『NHKニュース7』を30分間延長した上で、20時からの『龍馬伝』と21時からの『NHKスペシャル』は通常通り放送した。その後は1時間ごとに特設ニュースで伝えた。

日本テレビ

  • 警報発表時は『東京マラソン2010』が放送されており警報発表時も中継をしていたが、その後緊急警報放送を実施した上でニュースを数分間伝えた。その後も、11時50分からの『NNNストレイトニュース』で報道したほか、12時以降も断続的に『東京マラソン2010』を中断し津波関連のニュースを伝えた。

テレビ朝日

TBS

  • サンデーモーニング』放送中であったが、警報発表の9時33分に番組を中断する形で緊急警報放送を実施。津波関連のニュースを伝えた。その後も『サンデージャポン』や11時30分からの『THE NEWS』を挟んで『アッコにおまかせ!』を途中で中断してニュースを差し込む形で報道(番組の最後に放送される『That's 宝くじ』は通常通り放送された)、13時からは『噂の東京マガジン』と『ピン子&壽賀子野生の王国!アフリカ冒険ふたり旅〜アフリカ大陸南端へ!サバンナの五大野生動物に逢いたい〜』を中止して16時まで報道特別番組として放送した(一部地域を除く)。

テレビ東京

  • バンクーバーオリンピック・フィギュアスケートエキシビジョン』が放送されていたが、警報発表と同時に番組を中断する形で緊急警報放送を実施し、その後数分間ニュースで伝えた。その後は、オリンピック中継を再開した。

フジテレビ

  • 警報発表時は『ONE PIECE』が放送されていたが、警報発表後数分間に渡って音声が聞こえなくなり、その後は緊急警報放送の信号を発信した。10時からの『笑っていいとも!増刊号』内で番組の途中で中断した上で10時15分から10時23分まで『FNN緊急報道特番』として放送し、11時50分からの『産経テレニュースFNN』、『ウチくる!?』を挟んで13時から14時55分までも『FNN緊急報道特番』として放送した。

地震の影響

  • 銅の世界最大の産出国チリで発生したということで鉱山の操業停止などの影響で地震発生直後から銅価格が急騰している[29]

各国の反応

地震を受けて各国は対策本部等を設置している。

  • アメリカ合衆国 国務省は、地震被災地の行方不明者の情報捜索を目的としたインターネットをベースとしたチリ地震のための『Google Person Finder』と緊急電話回線を開設した。ホワイトハウスのロバート・ギブズ報道官は、記者発表で「私たちは密接に津波の可能性状況を監視している。そして、私たちの考えと祈りはチリの人々と共にあり、いつでも助力する体制にある」と述べた[30]。またバラク・オバマ大統領は、ハワイとグアムに在住のアメリカ人に現地の役所の注意に従うよう呼びかけた。
  • アルゼンチン フェルナンデス大統領がバチェレ大統領に「必要な全ての援助を承る」と電話で会談した[31]
  • イギリス 現地の赤十字社は、地震の被害者救済のために5万ポンドの寄付を行った[32]。同国のゴードン・ブラウン首相は報道発表で、イギリスはチリの地震復興のためにあらゆる尽力を行うと述べた。イギリスを本拠地とするオックスファムセーブ・ザ・チルドレン等の援助組織は、緊急救助チームの被災地派遣のための寄付運動を開始した[33]。またオックスファムは、コロンビアから水利技術者と物流専門家のチームと、メキシコ国内の拠点から先任の人道活動家を派遣した[34]
  • オーストラリア 合同津波警報センター(JATWC)は27日の協定世界時・19時50分に津波警報を発令。ヴィクトリア州南東沖のガボ島では、現地時間の午前8時までに津波が到達するとの州の予報が出された。[35]
  • コスタリカ 政府は、地震の犠牲者への連帯の意を表す公文を発表した[36]
  • スイス 外務省は、すでに土曜日に被災地に災害救援の専門家を派遣すると発表。専門家は日曜日に到着予定で、現地で最善の救助対策を決定する[37]
  • 中国 胡錦濤国家主席はバチェレ大統領宛に見舞いのメッセージを送信。緊急援助チームの準備を進めている[38]
  • 日本 鳩山由紀夫首相は遊説先の高知県高知市で「相当な地震だと思う。情報収集を急ぎ、支援活動の準備を行うように関係省庁に指示をした」と記者団に語り、日本としての緊急救援活動を始める準備があることを表明した[39]
    また、岡田克也外務大臣は日本の救援活動実施へ向けた事前リサーチなどを行うため、国際協力機構職員2名を現地へ派遣することを発表した[40]
  • パキスタン アースィフ・アリー・ザルダーリー大統領は、バチェレ大統領にこの地震による「人命の損失と財産の損壊に哀悼の意を表する」との弔慰メッセージを送りユーサフ・アリ・ギラニ首相にが救援プロセスの開始を指示した[41]
  • ペルー アラン・ガルシア大統領は地震の犠牲者への哀悼の意を表し、ペルーがチリの政府と国民に必要とするあらゆるサービスを提供するとの声明を発表した[42]
  • ポルトガル アニーバル・カヴァコ・シルヴァ大統領は、バチェレ大統領に「ポルトガル国民、および私自身の名において、今朝チリを襲った地震への犠牲者に最高の弔意と連帯感を表す」との主旨の手紙を送った[43]

脚注

  1. ^ a b PAGER
  2. ^ Tsunami Information Statement #4 issued 02/27/2010 at 1:58AM PST NOAA/NWS/West Coast and Alaska Tsunami Warning Center
  3. ^ a b Summary : Magnitude 8.8 - OFFSHORE MAULE, CHILE USGS、2010年2月27日閲覧。
  4. ^ USGS Centroid Moment Tensor Solution USGS
  5. ^ 2010年2月27日15時34分頃にチリ中部沿岸で発生した地震について(pdfファイル) 気象庁2010年2月27日
  6. ^ a b c 2010年2月27日 チリ中部の地震東京大学地震研究所
  7. ^ a b チリでマグニチュード8.8の地震 122人の死亡確認 asahi.com 2010年2月28日 1時8分
  8. ^ 1957年のアリューシャン地震をMw9.1とした場合。
  9. ^ USGS
  10. ^ 断層長さ500キロ、8メートルずれる=チリ地震、M8.6と算出-東大地震研時事ドットコム 2010年3月1日
  11. ^ [http://earthquake.usgs.gov/earthquakes/recenteqsww/Quakes/quakes_all.php USGC Latest Earthquakes in the World - Past 7 days
  12. ^ 時事通信 (2010-02-28). "死者214人に=家屋150万戸損壊も-チリ大地震" (日本語). 時事ドットコム. 2010-02-28 閲覧。
  13. ^ チリでM8.3の大地震 首都で停電、ビルも倒壊
  14. ^ 「世界の終わりのよう」=未明直撃におびえる市民-チリ大地震
  15. ^ Confirman 711 victimas fatales y FFAA resguarda seguridad en zonas afectadas
  16. ^ TSUNAMI BULLETIN NUMBER 008 PTWC 2010年2月27日 13:46(UTC)
  17. ^ TSUNAMI BULLETIN NUMBER 015 issued by the Pacific Tsunami Warning Center.
  18. ^ "West Coast and Alaska Tsunami Warning Center". NOAA. 2010-02-27 閲覧。
  19. ^ a b "津波:国内で最大1.2メートル観測 3万8000人避難". 毎日新聞. 2010-02-28 閲覧。
  20. ^ a b c d e f 津波情報:津波観測に関する情報 2010年2月28日発表
  21. ^ 津波情報:津波観測に関する情報2010年2月28日発表
  22. ^ この地震の日本国内で初めて観測された津波。
  23. ^ 原則として遠地地震による津波の場合、もっとも早く到達する時刻の2時間前をめどに警報・注意報を発表することにしている。
  24. ^ 気象庁:大津波の津波警報の発表 2010年2月28日
  25. ^ 津波:青森などの「大津波警報」を津波警報に切り替え 毎日jp 2010年2月28日掲載
  26. ^ 【チリ大地震】すべての津波注意報解除「予測過大だった」気象庁謝罪 産経ニュース 2010年3月1日掲載
  27. ^ 津波注意報を解除 「予測過大」と気象庁おわび 中日新聞 2010年3月1日掲載
  28. ^ Yahoo津波情報
  29. ^ チリ地震で銅価格急騰、ソブリンリスクの下落要因と綱引き ロイター2010年03月01日掲載
  30. ^ "Chile quake: The U.S. government response". The Washington Post (February 27, 2010). 2010年2月27日 閲覧。
  31. ^ Cristina llamó a Bachelet y le ofreció ayuda
  32. ^ "Quick response made to Chile earthquake". British Red Cross (27 February 2010). 2010年2月27日 閲覧。
  33. ^ “UK relief charity teams fly to Chile earthquake zone”. BBC News. (27 February 2010). http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/8540621.stm 2010年2月27日 閲覧。 
  34. ^ “Oxfam send staff to respond to Chilean Earthquake”. http://www.oxfam.org/en/pressroom/pressrelease/2010-02-27/oxfam-send-staff-respond-chilean-earthquake 
  35. ^ "Joint Australian Tsunami Warning Centre". Bureau of Meterorology (February 27, 2010). 2010年2月27日 閲覧。
  36. ^ "Arias intenta comunicarse con presidenta de Chile para expresar solidaridad". 2010年2月27日 閲覧。
  37. ^ “Government sends team to Chile after quake”. swissinfo.ch. http://www.swissinfo.ch/eng/index/Swiss_send_aid_workers_to_Chile_after_quake.html?cid=8383604 2010年2月27日 閲覧。 
  38. ^ Int'l community offers sympathy, aid to quake-stricken Chile
  39. ^ 鳩山首相、チリ地震で支援準備指示 時事通信 2010年2月27日閲覧
  40. ^ 外相、JICA職員を派遣 Nikkei NET 2010年2月28日閲覧
  41. ^ President saddened by Chile earthquake”. Associated Press of Pakistan. (February 27, 2010). http://www.app.com.pk/en_/index.php?option=com_content&task=view&id=97466&Itemid=2 2010年2月27日 閲覧。 
  42. ^ “Peru is at service to Chile”. RPP. (February 27, 2010). http://www.rpp.com.pe/2010-02-27-presidente-garcia-peru-esta-al-servicio-de-chile-tras-terremoto-noticia_245740.html 2010年2月27日 閲覧。 
  43. ^ 大統領メッセージ ポルトガル大統領府公式サイト 2010年2月27日閲覧。

関連項目

ウィキニュースに関連記事があります。



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「チリ大地震_(2010年)」の関連用語

チリ大地震_(2010年)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



チリ大地震_(2010年)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのチリ大地震 (2010年) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS