ダンコウバイとは? わかりやすく解説

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だんこう‐ばい〔ダンカウ‐〕【×檀香梅】

読み方:だんこうばい

クスノキ科落葉低木山地自生卵形雌雄異株早春より先に黄色小花並んで咲く。実は丸く熟すと赤い。中国原産で、観賞用鬱金花(うこんばな)。

トウロウバイの別名。


ダンコウバイ

ダンコウバイ
科名 クスノキ科
別名: ウコンバナ
生薬名: -
漢字表記 -
原産 日本 中国
用途 雌雄異株落葉低木で、の出る前に黄色の花が咲きます芳香がありクロモジ同様、楊枝作ります種子から油を採って灯火髪油用いられていた。
学名: Lindera obtusiloba Bl.
   

壇香梅

読み方:ダンコウバイ(dankoubai)

クスノキ科落葉低木園芸植物

学名 Benzoin obtusilobum


檀香梅

読み方:ダンコウバイ(dankoubai)

クスノキ科落葉低木園芸植物

学名 Benzoin obtusilobum


檀香梅

読み方:ダンコウバイ(dankoubai)

トウロウバイ別称
ロウバイ科落葉低木

学名 Meratia praecox var.grandiflora


ダンコウバイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/22 14:30 UTC 版)

ダンコウバイ

1. ダンコウバイの花(上)と葉(下)
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : モクレン類 magnoliids
: クスノキ目 Laurales
: クスノキ科 Lauraceae
: クロモジ属 Lindera
: ダンコウバイ L. obtusiloba
学名
Lindera obtusiloba Blume (1851)[2][3]
シノニム
和名
ダンコウバイ(檀香梅[6])、ウコンバナ(鬱金花)[6][7][8]、シロジサ/シロヂシャ(白萵苣)[6][9]、シロジシャグラ[10]、トキシラズ(時不知)[11]
英名
blunt-lobe spicebush[12]
下位分類

ダンコウバイ(檀香梅、学名: Lindera obtusiloba)は、クスノキ科クロモジ属に分類される落葉低木から小高木の1種である。別名でウコンバナ、シロヂシャなどともよばれる。は広卵形でふつう先端が浅く三裂し(図1下)、秋に黄葉する。雌雄異株(雄花と雌花が別の個体につく)であり、花期は早春、葉の展開前に、芳香がある黄色い小さなからなる花序がつく(図1上)。日本を含む東アジアに広く分布する。ときに観賞用に植栽され、また木材精油などが利用されることがある。

特徴

落葉広葉樹低木から小高木であり、幹は叢生し、高さ2–7メートル (m)、幹の胸高直径15–20センチメートル (cm) になる[15][7][6][16][17][18](図2a)。樹皮は暗灰色から茶褐色、平滑であるが、皮目が多く少しざらつく感じになる[15][16](図2b)。新枝は最初は軟毛を密生するがのちに無毛、黄緑色から黄褐色、日当たりのよい面は赤味を帯びる[16][17][19][10]。2年枝は灰褐色で皮目が多い[17][19]。枝を折ると芳香がある[6][16]

2a. 樹形
2b. 樹皮

頂芽はない[19][10]冬芽は互生し、葉芽は長楕円形で鈍頭、花芽はほぼ球形で直径4–6ミリメートル (mm)[16][17]。芽鱗は赤茶色で花芽には2–3枚、葉芽には4–5枚ある[16]。落葉のころには来春の花芽が葉腋にでき、目立つ[6][19]。葉痕は半円形、維管束痕が1または3個つく[16][17]

互生し、等間隔につき、葉柄は長さ 5–30 mm[17][19]葉身は広卵形から扁卵形、長さは5–15 cm、幅は4–13 cm、全縁、基部は切形から浅心形、先端はふつう浅く3裂し裂片は鈍頭であるが、枝の基部などにはときに切れ込みがない葉もある[15][7][20][17][19][18](図1, 3a)。葉脈は基部で3主脈に分かれる[18]。葉質はやや厚く、表面はつやのない緑色、はじめは黄褐色の軟毛があるが、のちに無毛、裏面は白色を帯び、はじめは淡褐色の長毛が密生するが、のちに脈上にのみ残る[17][19]。葉も揉むとわずかに芳香がある。秋になると葉は黄葉して鮮やかな黄色に染まり、やがて落葉する[7](図3b)。ダンコウバイの葉のように浅く3つに切れ込む葉は他にみられず、葉の形で簡単に見分けられる[21]。同属のシロモジの葉はやや似るが、先端はやや深く裂け、裂片は鋭尖頭であること、主脈の分岐点が葉身基部よりやや上である点で異なる[19][22]カクレミノウコギ科)の葉もやや似ているが、常緑樹であり、葉の表面に光沢があり、表裏面とも無毛である[21][23]

3a. 葉
3b. 黄葉

花期は3–4月、葉の展開前に咲く[15][17][19](図1, 4a)。花には芳香があり、小型で黄色、前年枝に腋生する散形花序を形成し、花序はほぼ無柄、花柄は長さ 12–15 mm で淡褐色の毛が密生する[15][6][24][20][17][19](図1, 4a)。総苞片は薄くて幅が広い[19]雌雄異株であり、雄株のほうが花序が大きく花数が多く、花も大きい[6][17][19]。雄花と雌花ともに花被片は6個、楕円形、雄花では長さ約 3.5 mm、雌花では約 2.5 mm、花の後に脱落する[6][20][17]。雄花は雄蕊(雄しべ)を9個もち、3個ずつ3輪、は内向で2室、最内輪の雄しべの花糸に1対の腺体(蜜腺)があり、中心に狭卵形で長さ 1 mm ほどの退化した雌蕊(雌しべ)がある[24][17][10]。雌花は仮雄蕊(仮雄しべ)を3個3輪もち、最内輪の花糸には1対の腺体があり、中央に雌しべが1個、長さ 3 mm、柱頭は盤状[17]

4a. 雄花序
4b. 未熟果

果期は9–10月[15][17]。果実は液果クスノキの実を少し大きくしたような光沢のある球形で、直径は 7–8 mm ほどあり、赤熟し、さらに黒紫色に変わる[15][16][7][6][17][19](図4b)。果柄は長さ 1.5–2 cm、先端がやや太くなる[17][19]種子は1個、球形で基部がやや突出し、淡褐色から褐色[17]染色体数は 2n = 24[10]

分布

ヒマラヤ、アッサムミャンマー中国朝鮮半島日本に分布する[3][15]。日本では本州新潟県関東地方以西)、四国九州に自生する[15][20]山地落葉樹林内や林縁の明るい場所に生育する[21][25][7][17]

保全状況評価

日本では以下の都道府県において、レッドリストの指定を受けている[26]

人間との関わり

や黄葉が美しいため、茶庭などに植栽されるが、多くはない[21][6][20][17]。いけばなの材料などにも用いられる[17]

には芳香があり、楊枝や細工物に使われる[15][17][27]

種子には香りのよい油があり、朝鮮半島では高級な髪油とされ(冬柏油とよばれる[28])、中国では薬用や工業用に用いられることがある[29][27]

名称

「檀香梅(ダンコウバイ)」の名は、もともとロウバイロウバイ科)の1品種(または栽培品種)であるトウロウバイの名であったが、明治時代に博物学者である田中芳男がこのの名前に転用した[17]に「檀香(ビャクダン)」のように芳香があり、が「」に似ていることに由来する[7][10][30]小野蘭山牧野富太郎は「ウコンバナ(鬱金花)」の名を用いたが、この名は同属別種のシロモジに使われることのあり、混乱があった[10]

脚注

出典

  1. ^ Botanic Gardens Conservation International (BGCI) & IUCN SSC Global Tree Specialist Group (2019年). “Lindera obtusiloba”. The IUCN Red List of Threatened Species 2024. IUCN. 2024年2月15日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Lindera obtusiloba Blume”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年3月27日閲覧。
  3. ^ a b c d Lindera obtusiloba”. Plants of the World Online. Kew Botanical Garden. 2025年2月15日閲覧。
  4. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Lindera obtusiloba Blume f. villosa (Blume) T.B.Lee”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年3月27日閲覧。
  5. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Lindera obtusiloba Blume f. quinqueloba (Uyeki) T.B.Lee”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年3月27日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j k 西田尚道監修 志村隆・平野勝男編 2009, p. 51.
  7. ^ a b c d e f g 亀田龍吉 2014, p. 106.
  8. ^ 鬱金花」『デジタル大辞泉』https://kotobank.jp/word/%E9%AC%B1%E9%87%91%E8%8A%B1コトバンクより2025年2月22日閲覧 
  9. ^ 白萵苣」『動植物名よみかた辞典 普及版』https://kotobank.jp/word/%E7%99%BD%E8%90%B5%E8%8B%A3コトバンクより2025年2月22日閲覧 
  10. ^ a b c d e f g 北村四郎・村田源 (1979). “ダンコウバイ”. 原色日本植物図鑑 木本編 2. 保育社. pp. 189–190. ISBN 978-4-586-30050-1 
  11. ^ 時不知」『動植物名よみかた辞典 普及版』https://kotobank.jp/word/%E6%99%82%E4%B8%8D%E7%9F%A5コトバンクより2025年2月22日閲覧 
  12. ^ GBIF Secretariat (2023年). “Lindera obtusiloba Blume”. GBIF Backbone Taxonomy. 2025年2月20日閲覧。
  13. ^ Lindera obtusiloba var. heterophylla”. Plants of the World Online. Kew Botanical Garden. 2025年2月15日閲覧。
  14. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Lindera obtusiloba Blume f. ovata (Nakai) T.B.Lee”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年3月27日閲覧。
  15. ^ a b c d e f g h i j 平野隆久監修 永岡書店編 1997, p. 23.
  16. ^ a b c d e f g h 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 233.
  17. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 太田和夫 (2000). “ダンコウバイ”. 樹に咲く花 離弁花1. 山と渓谷社. pp. 414–417. ISBN 4-635-07003-4 
  18. ^ a b c 馬場多久男 (1999). “ダンコウバイ”. 葉でわかる樹木 625種の検索. 信濃毎日新聞社. p. 177. ISBN 978-4784098507 
  19. ^ a b c d e f g h i j k l m n 米倉浩司 (2015). “クロモジ属”. In 大橋広好, 門田裕一, 邑田仁, 米倉浩司, 木原浩 (編). 改訂新版 日本の野生植物 1. 平凡社. pp. 82–84. ISBN 978-4582535310 
  20. ^ a b c d e 菱山忠三郎 (監修), ed (2011). 樹皮・葉でわかる樹木図鑑. 成美堂出版. p. 101. ISBN 978-4415310183 
  21. ^ a b c d 林将之 2008, p. 25.
  22. ^ 馬場多久男 (1999). “シロモジ”. 葉でわかる樹木 625種の検索. 信濃毎日新聞社. p. 179. ISBN 978-4784098507 
  23. ^ 馬場多久男 (1999). “カクレミノ”. 葉でわかる樹木 625種の検索. 信濃毎日新聞社. p. 324. ISBN 978-4784098507 
  24. ^ a b 長谷川哲雄 2014, p. 11.
  25. ^ 長谷川哲雄 2014, p. 10.
  26. ^ ダンコウバイ”. 日本のレッドデータ検索システム. NPO法人 野生生物調査協会・NPO法人 Envision環境保全事務所. 2025年2月20日閲覧。
  27. ^ a b Flora of China Editorial Committee. “Lindera obtusiloba”. Flora of China. Missouri Botanical Garden and Harvard University Herbaria. 2025年2月20日閲覧。
  28. ^ ダンコウバイ」『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』https://kotobank.jp/word/%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%82%A6%E3%83%90%E3%82%A4コトバンクより2025年2月22日閲覧 
  29. ^ 辻井達一『続・日本の樹木』中央公論新社〈中公新書〉、2006年2月25日、60頁。 ISBN 4-12-101834-6 
  30. ^ ダンコウバイ」『日本大百科全書(ニッポニカ)』https://kotobank.jp/word/%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%82%A6%E3%83%90%E3%82%A4コトバンクより2025年2月22日閲覧 

参考文献

関連項目

外部リンク


ダンコウバイ

出典:『Wiktionary』 (2021/08/22 11:44 UTC 版)

名詞

ダンコウバイ檀香

  1. クスノキ科クロモジ属落葉小木一種学名: Lindera obtusiloba

発音

語源

中国語 檀香梅ロウバイ (wp)変種トウロウバイ Chimonanthus praecox var. grandiflorus〉より[2]

類義語

翻訳

脚注




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