スポーツの国際大会における利用と、それに対する公式団体の対応
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「旭日旗」の記事における「スポーツの国際大会における利用と、それに対する公式団体の対応」の解説
前述の様に勝利の祈願の旗として、サッカー日本代表戦でサポーターが応援旗として振ることがある。日本代表のサポーターの中には、赤色をチームカラーの青色に変更した旭日旗を応援旗にする者もいる。また浦和レッズ等の他のチームのサポーターも赤色をチームカラーに変更したり、ガンバ大阪や川崎フロンターレの様に横断幕の一種として掲げるチームもあった。 しかし、2008年、在中国の日本大使館は、2008年北京オリンピックにおいて中国を訪れる日本人に対し、「旭日旗を振るとトラブルを起こす可能性がある」「政治・民族・宗教的な旗の掲揚禁止」として、旭日旗を掲げないように呼び掛け、また、川崎フロンターレは、2010年4月28日に中国・北京で開催されたアウェイ試合、AFCチャンピオンズリーグ2010・北京国安 vs 川崎フロンターレ(北京工人体育場)に際し、公式サイト内の観戦ガイドにおいて、「持ち込み禁止物」の中に、公安からの指示として「政治的に敏感な内容、ホームサポーター及び中国人を刺激すると判断される内容を記したものは禁止」「旭日旗、日の丸も禁止」と明記している。 アジアサッカー連盟 (AFC) は、2017年4月25日に開催されたAFCチャンピオンズリーグ2017・水原三星ブルーウィングス vs 川崎フロンターレ(水原ワールドカップ競技場)において、川崎サポーターが旭日旗を掲げた行為を「他国を差別・挑発する行為」に該当すると判断してクラブ(川崎フロンターレ)を処分したのに対し、川崎は、このAFCによる「政治的、差別的」との判断に対し、当初のみならず判断が確定した後も公式サイトなどで不満・反論を示しつつも、処分が覆る可能性が低いとの見通しを明らかにした上でスポーツ仲裁裁判所(CAS)への提訴を断念し、それに伴い、以降のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)における試合に際しては、ホームかアウェイかを問わず、また相手チームがオーストラリアのクラブ(メルボルン)であるケースや日本国内のクラブ(浦和)であるケースも含め、「対戦相手や会場に関わらず、同様の混乱が予想される可能性のあるバナー類(旭日旗等)の掲出については自粛を」と公式サイトで観戦者に呼び掛けている。 日本サッカー協会 (JFA) も「試合運営管理規定」第4条に「(禁止行為)施設に入場しようとし、または入場した者は、運営・安全責任者が特に必要と認めた場合を除き、いかなる施設においても次の各号に掲げる行為をしてはならない」として同様の規定を有し、その中で「政治・思想・宗教・軍事・差別的な主義、主張、観念を表示、若しくは連想させるような掲示板、立て看板、横断幕、懸垂幕、のぼり、旗、プラカード、ゼッケン、文書、図面、印刷物等を持ち込み、又は設置、掲揚、着用、散布、貼付すること。」を禁止しており、この内、「軍事(的な主義、主張、観念を表示、若しくは連想させるような)」という部分は、2010年2月から改訂・追記された規定である。 これらは国際サッカー連盟 (FIFA) が、そのスタジアム安全警備規定第60条第2項で「試合主催者は、地元の警察当局と連携しながら、スタジアムやその近辺で、サポーターが挑発や攻撃的行為を行わないようにしなければならない。例えば、選手や審判、相手チームのサポーターが許容できないレベルの挑発や攻撃的なヤジや差別行為、さらには攻撃的、挑発的な内容を含んだ横断幕や旗などもこれに含まれる」と定めていることを根拠としている。 2020年東京オリンピックの際には、韓国側が開催前からオリンピック期間中に旭日旗が使用されることを禁止するように国際オリンピック委員会(IOC)に求めていた。これに対してIOCは「スポーツスタジアムはいかなる政治的デモもあってはならない。試合中に懸念が生じた場合、ケースバイケースで検討する。」として一律禁止とは明言していなかった。東京オリンピックの最終日である2021年8月8日、韓国の国内オリンピック委員会を務める大韓体育会は、IOCが書簡の中で旭日旗がオリンピック憲章に違反しており、旭日旗は今後のオリンピックで禁止されることを明らかにしたと発表した。これを受けて翌8月9日、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、大韓体育会の発表は事実ではなく、IOCに改めて確認したところ、IOCは従来通り旭日旗に対してはケースバイケースで対応を続けて全面禁止にはしないことを確認したとし、8月9日午前にIOCが韓国に書簡を送り、旭日旗の使用については従来通りケースバイケースで判断すると改めて伝えたことを発表した。なお韓国側の、IOCが旭日旗をオリンピック憲章違反と書面で確定したので今後は禁止されるとの主張は、韓国側がオリンピック選手村の韓国代表団の居室のバルコニーに文禄・慶長の役の時の李舜臣の言葉を彷彿とさせる挑発的な横断幕を掲げ、IOCからオリンピック憲章違反との警告を受けてそれを取り外した際から継続して行っていた。
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