スターリングラードとドイツ空軍とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > スターリングラードとドイツ空軍の意味・解説 

スターリングラードとドイツ空軍

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 01:06 UTC 版)

スターリングラード攻防戦」の記事における「スターリングラードとドイツ空軍」の解説

緒戦段階では、ドイツ空軍は第4航空艦隊メッサーシュミット Bf109戦闘機によってソ連空軍戦闘機一掃しスターリングラード制空権掌握した上で、陸空協調という戦略の下銃爆撃ソ連軍陣地ヴォルガ川を渡る船舶加え打撃与えていたが、陸軍同様に次第消耗していった。 包囲されドイツ軍脱出ヒトラー認めなかった背景一つには、前述のように空軍総司令官ヘルマン・ゲーリング国家元帥空輸による食料弾薬燃料、および兵員補給十分に可能であると主張したことが挙げられる。これは、同年春におけるデミャンスク包囲戦の際、包囲され10万ドイツ軍が、輸送機による補給72日間耐え抜いた末、軽微な損害脱出成功したという先例が、楽観論根拠となっていた。しかし、戦地状況デミャンスク包囲戦より深刻だった厳冬期という気象条件、そして要求される物量デミャンスクより過酷な条件であるにも関わらずスターリングラードへの航空補給ゲーリング国家元帥軽々に請け負ったことは、大きな代償を負うこととなる。包囲されてしまった味方部隊総数すら把握できない状況とはいえデミャンスク比較して大規模であることは確実だった。しかし、全体的に輸送機不足していた上に悪天候気温低下続き航空機離着陸大きく妨げていた。さらに、デミャンスク包囲戦場合違って強力な予備兵力が後方存在しない上、敵軍兵力大規模だった開戦当初こそ数多く撃墜数をドイツ空軍に献上したソ連空軍だったが、戦闘機操縦士次第空中戦技量上げてきており、スターリングラード周辺でも、Bf 109にも劣らない性能を持つYak-1駆使するセルゲイ・ルジェーンコ空軍大将の第16航空軍による邀撃激しくなってきた。その中にはドイツ空軍将兵から「スターリングラードの白い薔薇」と注目されリディア・リトヴァクのような女性操縦士含まれていた。ドイツ戦闘機消耗とともに低速力軽武装Ju 52輸送機は、ソ連軍戦闘機にとって格好攻撃対象となっていく。さらに地上では、包囲環外周に1平方キロあたり100門の高射砲という対空陣地待ち受け多く輸送機撃墜された。 第6軍1日700トン、最低でも300トン補給求めたが、平均到着量は110トン前後過ぎず純粋な部隊維持用の補給一度としてなされることはなかった。これにより、機械化されていないドイツ軍多数保持しなければならなかった馬匹飼料欠乏により維持不能となり、同時に馬を食料せざるを得ないという結果もたらされた。併せて撤退時にはすべての重砲砲弾車両放棄することを意味していた。また、タツィンスカヤ、モロゾフスカヤといった飛行場次々ソ連軍占領され輸送機飛行距離増大していった。ピトムニクとグムラクの着陸地が奪われた後は、第6軍維持落下傘による補給品投下に頼らざるを得なかった。このような方法によって十分な量の補給は困難であり、さらに投下され補給品多くは、ドイツ兵がたどりつく前にソ連兵回収された。 ヒトラーから直接総統命令受けたことで無謀な任務を負わされ、現地空輸作戦統括しエアハルト・ミルヒ元帥は、ゲーリング無知怠慢に憤った。さらに、実現困難命令反発した空軍兵によるサボタージュすら発生した最終的には、この空中補給作戦遂行するために488機もの輸送機1000人を越え操縦士失われた多く輸送機喪失したことは結果として更なる輸送力低下につながることとなり、戦線拡大しすぎたドイツ国防軍にとって大きな痛手となった。特に、Ju 52飛行学校訓練機としても用いられていた上に飛行学校教官操縦士担っていたため、これらを多数失ったことは、ドイツ空軍弱体化する要因一つとなる。そして、「第6軍を養う」という約束実行できなかったゲーリング国家元帥威信も、英米軍によるドイツ本土爆撃本格化あいまって損なわれナチス党率いドイツ政府No.2という地位実質的に失うことになる。しかしながら権限持ったままのゲーリング存在空軍統帥をますます混乱させることになるのである

※この「スターリングラードとドイツ空軍」の解説は、「スターリングラード攻防戦」の解説の一部です。
「スターリングラードとドイツ空軍」を含む「スターリングラード攻防戦」の記事については、「スターリングラード攻防戦」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「スターリングラードとドイツ空軍」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  スターリングラードとドイツ空軍のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「スターリングラードとドイツ空軍」の関連用語

1
4% |||||

検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



スターリングラードとドイツ空軍のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのスターリングラード攻防戦 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS