スタジオ&ロケ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 20:00 UTC 版)
「007/ダイ・アナザー・デイ」の記事における「スタジオ&ロケ」の解説
シリーズ40周年通算20作ということで、オープニングで、ボンドを狙った銃口にボンドの撃った弾丸が入る演出が加えられた。 前作で“Q”に紹介された後継者“R”を演じるジョン・クリーズが本作より後任の“Q”として出演することになった。しかし、次回作『007/カジノ・ロワイヤル』からシリーズの一新が図られたため、クリーズが演じる"Q"が登場するのは映像作品では今作が最初で最後となった。なお、今作を最後に『カジノ・ロワイヤル』『慰めの報酬』と"Q"が登場しない作品が続いたが、『007 スカイフォール』でベン・ウィショーが演じる形で復活した。 北朝鮮の軍人が悪役で、ボンドを拷問したり韓国を征服しようとする描写があり、また韓国の風景描写などが実際の韓国のものとは大きく異なったものだったことから、朝鮮半島から批判の声が上がった。北朝鮮の祖国平和統一委員会は「わが共和国を『悪の枢軸』として描写し、南北対決を扇動しているだけでなく、わが民族を途方もなく蔑視、侮辱している」とする公式の抗議声明を発表し、アメリカ合衆国を「悪の帝国で、変態と堕落、暴力と色情の末世的な退廃文化を広げる総本山」と口を極めて罵倒した。また韓国では、仏教寺院における「ベッドシーン」が問題視されたことも加わって不観運動が起った。監督のタマホリは、コメンタリーの中で作中の北朝鮮側の最高位であるムーン将軍を常識ある人物として描いたのは、彼らを貶めないために必要だったと述べている。 劇中で使用されたスイスの高級時計メーカーの腕時計は「シーマスター ダイバー 300M」で、前作・前々作と同機種。遠隔起爆装置などの機能は、過去のブロスナンのシリーズでも登場しているが、部品の形状や使用方法などが微妙に異なっている。 ハル・ベリーは今作撮影中に『チョコレート』の演技によりアカデミー主演女優賞を取り、授賞式の翌日、撮影に戻ってきた。 2006年1月15日にテレビ朝日の『日曜洋画劇場』で地上波初放送された際は、セリフ中に"北朝鮮"というセリフは一切出ず、番組終了時に『この作品はフィクションであり、実在のものとは関係ありません』というお馴染みのテロップが流れた。ただし北朝鮮の国旗がワンカットだけ出ている。 本作でマドンナは、主題歌を作詞作曲し、オープニングタイトルでこれを歌い、本編にもフェンシングのインストラクター役でカメオ出演という、一人三役をこなしている。しかし、2002年度のゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)では、『スウェプト・アウェイ』での最低主演女優賞・最低スクリーンカップル賞に加え、本作の出演で最低助演女優賞に選ばれ、3部門で受賞している。また主題歌は最低主題歌賞にノミネートされた。 映画のクライマックスシーンでは、世界最大級の航空貨物機An-124(ウクライナ製)が登場しているが、北朝鮮は一度も運用したことはない。さらにAn-124の内部になぜか「鎧甲や日本刀」が飾られている。また、劇中では機首下面はガラス張りの司令室になっており、CGモデルでも機首下面がIl-76の様にガラス張りとなっているが、実際のAn-124の機首下面はガラス張りではない。撮影に当たってはIl-76が用いられた。 本作では『007/消されたライセンス』以来13年ぶりにボンドが喫煙するシーンが登場したが、これに対して喫煙シーンの規制を進めるイギリスでは、試写会の後に抗議が殺到した。 本作撮影中にブロスナンは膝に負傷し、靭帯を手術して復帰した。ハル・ベリーも、ヘリを撃ち落すシーンで破片が目に入り、取り除く手術を受けた。その後もベリーがブロスナンとのラブシーンでフルーツを喉に詰まらせ、ブロスナンにハイムリック法で救われる一幕があった。「ハイムリック法はやったことがなかった」とブロスナンは語っているが、『ミセス・ダウト』ではされる側を演じていた。 監督は、当初は『ゴールデンアイ』のマーティン・キャンベルが担当する予定だった。マーティンは次作『007/カジノ・ロワイヤル』(2006年)で11年ぶりに007シリーズの監督を務めている。 冒頭のホバークラフトは、操縦が大変難しくコントロールが効かなかったという。またムーン大佐がホバークラフトごと突き破り落下する寺院と滝はミニチュアである。 冒頭でムーン大佐が携帯対戦車兵器で破壊するMi-8ヘリは実物が使用されている。 ソフト版の日本語吹き替えでは声優が朝鮮語を話している(ただし、テレビ朝日版の日本語吹き替えでは声優が日本語を話している)。
※この「スタジオ&ロケ」の解説は、「007/ダイ・アナザー・デイ」の解説の一部です。
「スタジオ&ロケ」を含む「007/ダイ・アナザー・デイ」の記事については、「007/ダイ・アナザー・デイ」の概要を参照ください。
- スタジオ&ロケのページへのリンク