ハイムリック法とは? わかりやすく解説

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ハイムリック‐ほう〔‐ハフ〕【ハイムリック法】

読み方:はいむりっくほう

のどに異物を詰まらせた人に施す救急法の一。患者の体を背後から抱え上腹部強く圧迫するもの。乳幼児妊婦意識のない人には行ってならない。名称は米国医師ハイムリック(H.J.Heimlich)の名にちなむ。


ハイムリック法 (はいむりっくほう)

気道異物入ったとき除去する方法一つです。患者背後から腹部圧迫しますが、行ってはいけない場合行なってはいけない人もいます(たとえば腹部大きくなった妊婦さんはハイムリック法を行っていけません)。救急蘇生法講習会などに参加した際に教えてもらうとよいでしょう

ハイムリック法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/05 02:35 UTC 版)

ハイムリック法(ハイムリックほう、: Heimlich maneuver/manoeuvre、英語正式名は Abdominal thrusts[1])は、ハイムリッヒ法腹部突き上げ法(ふくぶつきあげほう)、上腹部圧迫法(じょうふくぶあっぱくほう)とも呼ばれ[2][3][4]、外因性異物によって窒息しかけた患者を救命する応急処置である。1974年にこの方法を初めて記載した医師ヘンリー・ハイムリックにその名前を因む。


注釈

  1. ^ 食べ物がのどに詰まることで起きる窒息のこと[14]
  2. ^ 英: Day, DuBois, and Crelin

出典

  1. ^ The American Red Cross 2005 Guidelines for Emergency Care and Education (PDF)”. American Red Cross. pp. 1–31 (2005年). 2007年1月16日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2017年2月11日閲覧。
  2. ^ こどもの事故を防ぐために”. 浦安市. 2017年12月30日閲覧。
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  24. ^ Australian(and New Zealand) Resuscitation Council Guideline 4 AIRWAY (PDF)”. Australian Resuscitation Council (2010). 2009年9月13日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2014年2月9日閲覧。
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  34. ^ Walters, Joanna (2016年5月27日). “Dr Henry Heimlich uses Heimlich manoeuvre to save a life at 96”. https://www.theguardian.com/us-news/2016/may/27/dr-heimlich-performs-heimlich-manoeuvre-for-first-time-aged-96 2017年2月6日閲覧。 


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ハイムリック法

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ヘンリー・ハイムリック」の記事における「ハイムリック法」の解説

詳細は「ハイムリック法」を参照 ハイムリック初めこの方法について述べたのは、医学誌 "Emergency Medicine" へ1974年6月掲載された、"Pop Goes the Cafe Coronary"(意味:弾みコーヒー冠動脈疾患に)と題されインフォーマル記事でのことだった。同じ年の6月19日には、『シアトル・ポストインテリジェンサー(英語版)』紙が、引退したレストラン・オーナーのアイザック・ピハが、ワシントン州ベルビューで、ハイムリック法を使って窒息した女性救命したと報じた1976年から1985年まで、アメリカ心臓協会アメリカ赤十字社ガイドラインでは、背部叩打法窒息救命第一選択とされており、これでのどに詰まった異物取り除けなかった場合にハイムリック法を用いるよう定められていた。1985年6月開かれたアメリカ心臓協会会合後、背部叩打法ガイドラインから削除され、翌1986年から2005年までガイドラインでは、2団体ともハイムリック法を唯一の選択肢定めていた。但し、アメリカ国立衛生研究所全米全評議会英語版)では、1歳以下の乳児にはハイムリック法を行わないよう指導している。 2005年改訂されアメリカ心臓協会によるガイドラインでは、"abdominal thrusts"(意味:腹部突き上げ法)としてハイムリック法が登場し、ハイムリック法・背部叩打法胸部圧迫法のどれでも充分に効果があることが示された。 2006年春には、アメリカ赤十字社もハイムリック法の優先順位引き下げ1986年以前ガイドラインに立ち戻って背部叩打法などを併記する形にした。「ファイブ・アンド・ファイブ」と呼ばれている新しガイドラインでは、意識のある患者対し、まず背部叩打法を5回行い、それでも異物取れない時に、ハイムリック法を5回行うよう推奨されている。また意識の無い患者に対しては、1976年にチャールズ・ギルドナーが、2000年にA・ランゲールがそれぞれ推奨したメソッド従い胸部圧迫法を行うよう推奨されている。2006年ガイドラインでは、旧来の「ハイムリック法」という単語除去され、"abdominal thrust" との単語統一された。 溺水救命手段としてこの方法を宣伝したハイムリック行動には、手技欺瞞だという主張がずっとついて回ったアメリカ心臓協会作成した2005年版溺水救命ガイドラインではハイムリック法の記載無く効果立証されていない上、逆に嘔吐による誤嚥リスクがあるとして、ハイムリック法の使用注意促している。 2003年には、ハイムリック同僚であるエドワード・パトリックが、自分開発者ひとりであるのに名前が載っていないとするプレスリリース発表した2016年5月23日には、自身でハイムリック法を行い、同じ介護老人福祉施設入所していた女性助けたことでニュースとなった当初自身にとって初めてハイムリック法で救命した症例だったと報じられたが、後に誤報であったことが分かっている。彼は2003年インタビューで、80歳の時に初めてハイムリック法で救命したことを語っていた。

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