ジンチョウゲの花言葉
ジンチョウゲの花言葉の由来
(1)常緑植物であることが由来の「永遠」「不死」「不滅」ジンチョウゲは常緑の植物であり、1年を通して葉の緑を維持し続ける。秋になって葉が赤く色付いたり、冬になって枯れたりすることがない。その、姿が変わらない様子から、「永遠」や「不死」「不滅」といった花言葉が付いたとされる。
(2)月桂樹の花言葉が当てはめられた「栄光」「勝利」
ジンチョウゲの花言葉「栄光」と「勝利」は、月桂樹の葉とジンチョウゲの葉の見た目が似ているという理由で、月桂樹の花言葉がそのまま適用されている形だ。月桂樹の花言葉が「栄光」と「勝利」になったのは、古代ギリシャで様々な競争を行ったピューティア祭が由来である。ピューティア祭の競技の勝者には、月桂樹の葉でできた冠が贈られた。そのことから、勝者に関係する「栄光」と「勝利」が、月桂樹の花言葉として定着している。そして、ジンチョウゲの花言葉としての「栄光」と「勝利」は、月桂樹の花言葉が元となっているため、由来は同じピューティア祭である。
(3)特徴的な匂いが由来となっている「歓迎」
ジンチョウゲの花言葉の「歓迎」は、花の香りが由来となっている説が有力である。ジンチョウゲは、クチナシとキンモクセイと並んで、日本の三大香木として知られるほど、強い香りを放つ。その特徴的な花の香りが遠くまで届くため、客人が遠くにいる段階から、まずは良い香りで迎え入れるという意味合いで、花言葉が「歓迎」になったという説である。また、ジンチョウゲの香りが漂い始めるのは、春が近付いて花が開くようになってからである。そのため、春を迎え入れるということで、「歓迎」が花言葉になったとする説もある。
(4)「甘美な思い出」「青春の喜び」は匂いが記憶を引き出すことから
一般的に嗅覚というものは、過去の記憶を引き出すきっかけになる。そして、ジンチョウゲは特徴的な香りを放ち、似ている香りを放つ植物はない。そのため、ジンチョウゲの香りを嗅いだら、過去にジンチョウゲの香りを嗅いだ時の記憶が引き起こされる可能性がある。そのため、過去の記憶を引き出すという意味で、「甘美な思い出」や「青春の喜び」といった表現が花言葉となった。ジンチョウゲは魅力的な甘い香りを放つため、花言葉には、悪い記憶を引き起こすという意味合いは含まれない。甘酸っぱい思い出や、自身が輝いていたころの青春など、良い記憶が対象である。
(6)人を惑わせる甘い香りが由来となっている花言葉「歓楽」
「歓楽」という花言葉もまた、ジンチョウゲの香りが由来となっている。過去の歓楽街は、客を引き寄せたり、惑わせて良い気分にしたりするために、甘い香りを放つ植物を用いることが多かった。そのことから、甘い香りを放つジンチョウゲの花言葉が「歓楽」になった形である。
(5)ギリシャ神話が元になっている「実らぬ恋」
ジンチョウゲの花言葉「実らぬ恋」は、ギリシャ神話の物語が由来となっている。ジンチョウゲの学名は「ダフネ」であり、それはギリシャ神話で月桂樹を司る女神「ダフネ」から来ている。月桂樹の葉がジンチョウゲの葉に似ているため、ジンチョウゲの学名がダフネになったという経緯がある。
ギリシャ神話では、女神ダフネは太陽の神であるアポロンに強く言い寄られるが、それはアポロンが、恋愛を司る女神であるエロスの悪戯を受けてしまったからであった。日本ではキューピットという別名で知られていることが多いエロスは、弓矢を使って恋愛をコントロールすることができる。エロスがその弓矢を遊びに使っている様子を目にしたアポロンは、そのことを注意するが、それに反感を抱いたエロスは、アポロンに矢を放ってしまう。
エロスが持つ矢は、恋の矢である黄金の矢と、拒絶の矢である鉄の矢の2通りがあった。そして、アポロンには黄金の矢を放ち、偶然近くにいたダフネには、気まぐれで鉄の矢を放ってしまった。その結果、アポロンはダフネに恋をするが、ダフネはそれを拒絶するという構図ができ上がった。
ダフネに恋をしたアポロンはひたすらにダフネに言い寄るが、ダフネがそれを受け入れることはない。それでも追いかけ続けてくるアポロンに観念したダフネは、父であり全知全能の神であるゼウスに、自らの姿を月桂樹に変えてもらう。そうして、エロスによって無理矢理芽生えさせられたアポロンの恋心は、最終的に実らぬ結果となってしまった。この物語から、女神と同じダフネという別名を持つジンチョウゲの花言葉が、「実らぬ恋」となった。
また、ジンチョウゲは雌雄異株の植物であり、雄株が持っている花粉が、雌株に届くことで実を結んで種を残せる。しかし、日本にあるジンチョウゲはほとんどが雄株であり、人工的な挿し木によって数を増やしている。そのため、雄株が花粉を出したとしても、雌株に届くことはまずない。そのような背景から、花粉を届かぬ想いに例える形で、花言葉が「実らぬ恋」になったとする説もある。
⑦見た目の美しさが由来となっている「自然美」
ジンチョウゲは春になると、鮮やかな緑の葉に白やピンクなどの花が囲まれているという見た目になる。そして、ジンチョウゲは樹木であるため、花が1輪だけ咲くことはない。無数の花が、所狭しと咲き誇る形である。その見た目の美しさから、「自然美」という花言葉が付いた。また、ジンチョウゲの学名と同じ名前を持つギリシャの女神ダフネが、自然を司る上に見目麗しいということで、そのダフネになぞらえて、花言葉が「自然美」となったという説もある。
ジンチョウゲの英語の花言葉
ジンチョウゲの花言葉を英語で表現すると、「eternity(永遠)」「eternal life(不死)」「immortal(不滅)」「glory(栄光)」「victory(勝利)」「welcome(歓迎)」「sweet memory(甘美な思い出)」「joy of youth(青春の喜び)」「pleasure(歓楽)」「impossible love(実らぬ恋)」「natural beauty(自然美)」となる。ジンチョウゲの色別の花言葉の解説
ジンチョウゲの花の色は、純白やピンクなど複数種類あるが、その色によって花言葉の意味が変わることはない。ジンチョウゲの本数別の花言葉の解説
ジンチョウゲの花言葉は、本数や花の数によって意味が変わることはない。ジンチョウゲの怖い花言葉
ジンチョウゲには、「戦争の神」という怖い意味になりかねない花言葉もある。これは、「栄光」や「勝利」と同じように、葉の形が似ている月桂樹の花言葉が元となっている。古代ローマでは、戦争の勝者が月桂樹の葉を神にささげるという風習があった。そのことから、「戦争の神」という月桂樹の花言葉が生まれ、月桂樹と似ているジンチョウゲの花言葉としても定着した。古代ローマの戦争は、男同士で力をぶつけ合って、正々堂々戦うというイメージが大きい。しかし、命の奪い合いであることには変わりない。また、古代ローマが由来となっていることを知らず、ジンチョウゲが戦争に関する花言葉を持っている、あまり良くない植物だと考えている人もいる。したがって、ジンチョウゲの花や葉を贈る場合は、注意をした方が良い。戦争によって命を落とした人を悼む際に供えたり、戦争による心の傷を負っている人に贈ったりすることは、避けた方が無難である。
また、「実らぬ恋」も、状況次第で怖い意味になり得る。自身に対して恋心を抱いている相手に贈った場合は、その恋を諦めるよう促す形になりかねない。誰かに恋をしている友人に贈った場合も同様に、恋を諦めるよう諭していると捉えられる恐れがある。その結果、人間関係のトラブルが起こり、大切な人を失ってしまうという怖いことになる可能性がある。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
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