CEO
「CEO」とは・「CEO」の意味
CEOとは、「Chief チーフ(長)Executive エグゼクティブ(管理)Officer オフィサー(役員)」の略称で、日本語では「最高経営責任者」という意味を持つ。CEOは、企業内の経営方針や事業計画を管理し、責任を持つ役職である。日本語ではCEOを「代表取締役」と訳す場合もあるが、厳密には違いがある。しかし日本の企業では、わかりやすくCEOの立ち位置を説明するために、代表取締役を取り上げるケースもある。CEOとしてやるべき事柄は、企業の業績をいかにして向上させ、発展に努めるかを考え実行することだ。そのためには、経営戦略と事業活動を明らかにして社員へ共有させつつ、管理職や人材育成・経営育成を指導するリーダーを選出させることにある。日本と海外では、CEOという役割に認識の違いがある。日本では、CEOのことを「社長」という認識が強い傾向にある。次世代の社長は、大株主から選ばれる場合が多く、その際は上層部と株主の間に関わりが存在している。そのため、世代交代が行われても新しい社長は自分のイメージした行動をすることができない事態が発生する場合もある。しかし、アメリカの場合はそのような関わりの場面が作られることはほとんど存在しない。新しく着任したCEOは、企業の業績が悪化すれば社員のリストラや企業の改革を実行できるというように、企業の業績アップに努められる。
そして、企業の立て直しに成功すれば、自分を高評価してくれる企業へと移ることもある。アメリカのCEOは、完全個体の役割としてCEOを活用しているというところが日本と大きく異なるポイントである。1970年まで日本にはCEOといった執行役の制度は存在していなかったが、日本の大手企業が初めてアメリカの執行役員制度(CEO制度)を導入した。これを契機に、日本の企業でもCEO制度を導入する動きが多くみられ増えていった。その後のバブル崩壊では、これまでの日本企業の経営に関する進め方では業績回復がきびしいと判断され、アメリカの組織体制であるCEO制度が取り入れられるようになった。
ミーティングにおけるCEOの役割といえば、事務局や各部署が用意した提案に対してCEOがアドバイスをしながら最終的な決定をするため、本来の意味で開催される場面が少ない傾向にあった。そのため、CEOがいる企業では、ミーティングが実質的な情報交換の場となる場合もある。CEOを導入している企業の目的は業績アップとなっているため、CEOには人材育成から社員の声など、企業全体のことを把握しつつ行動することが求められる。
「社長」とどっちが偉いかというと、その概念はあてはまらない。なぜなら、CEOと社長では業務内容の役割が違うからである。そもそも「社長」とは、会社法の法律では定められてはいないが、企業内の「最高経営責任者」であるとともに「唯一の代表者」になる。一方、CEOも「最高経営責任者」ではあるが、その企業の「唯一の代表者」ではない場合もある。そのため、どっちが偉いかという概念にはあてはまらないのである。
また、「代表取締役」に至っても同じことがいえる。まず「代表取締役」とは、会社法の法律で定められている役職であり、企業の経営における決定と執行の両方を取り仕切る立場であるため、「総合的」な意味での企業経営に対する責任をまかなう代表である。よって、CEOと代表取締役でもそれぞれの立場が異なっているため、どっちが偉いかということにあてはまらない。
補足として、「社長」と「代表取締役」の違いは、法律で定められているのか、担うことのできる人数などの点で違いがあるといえる。
社長:法律で定められていない経営陣の代表。
代表取締役:法律で定められた経営陣の代表。
代表取締役社長:法律で定められた経営陣の代表かつ、企業の最高経営責任者。
「代表取締役社長」は、法律で定められた「代表取締役」と通称である「社長」を組み合わせた呼び方である。代表取締役社長という呼び名を使用するメリットは、通称の社長を付けることによって社内や社外での序列や役割をわかりやすくできるところにある。代表取締役に複数の人がいる場合は、社外の人に対してそれぞれの役割を示すときにも役立つ。CEOは代表取締役と同じイメージに思えるが、実際にはとらえ方が異なる。CEOは、取締役会という経営判断を行う部門から任命された立場で、経営における最高権威者という位置づけである。
その中には、執行に関する業務は基本的に含まれていないため、あくまでも経営方針を決定する立場ということである。経営業務を任された立場であるというところに代表取締役と異なる点がある。日本に広く浸透している「代表取締役」という概念は、CEO以上の業務をこなしているという意味合いとなる。これが日本に多くいる「社長」となると、CEOという枠組みにあてはまらない業務をしているものと考えてよい。日本でのCEOの具体的な使われ方については、役職として行うべき職務は基本的に「会社の社長・会長=CEO」のような実質的に経営にたずさわっている者がCEOであるという認識となっている。
そもそも、日本の会社法の法律でCEOという肩書が厳密に認められていない以上、理論上はCEOを誰でも名乗れることになる。そのため、会社の実質的な経営責任者は誰なのかわからないという状況が社内や社外で起きてしまったときは、そのように名乗ることはないと考えられる。また、日本国内でも「代表取締役会長兼CEO」という肩書を実際に見かける機会が増えつつある。この場合、日本における法律上は代表取締役でも、実際に行っている業務はCEOの内容だという意味で用いられる。立場としては日本語で理解し、役割としては英語で理解することで、その人の立ち位置が解釈できるようになっているといえる。
「COO」とどっちが偉いかというと、役職ランクでいえばCEOはCOOより偉いということになる。なぜなら、CEOが「企業全体の経営」について業務の執行を統括するのに対し、COOは「営業活動」について業務の執行を統括するからである。CEOやCOOはもともとアメリカの企業で考案された役職で、目的は経営責任の所在を明らかにするためである。そもそもCOOとは、「Chief チーフ(長)Operating オペレーティング(経営に関する)Officer オフィサー(役員)」の略称で、日本語では「最高執行責任者」という意味を持つ。COOは会社内部の役職名で、日本の会社法上の役員ではなく、企業の判断で導入または運用されている。
COOの役割は、最高執行責任者としてCEOが決定した方針を実現するために、マーケティングや開発、製造などの営業活動を統括することにある。各部門の役割や企業の経営状態を把握しつつ、それらを最適にすることが要求される。COOは取締役を兼務していることも多いが、そのときは経営陣として企業の意思決定の段階から関わることになる。COOやさまざまな業務執行ラインがある中で、そのトップがCEOであるとイメージすればわかりやすい。また、COOは日本の昔ながらの役職にあてはめると「営業部長」に近い存在であるといえる。
CEOとCOOについて日本と海外の解釈の違いでは、海外ではCEOを会長が兼務し、COOを社長が兼務するパターンが多くみられる。これは、それぞれの役割をはっきりとさせるためで、取締役と執行役員を兼務させないように取締役以外がCOOに着任するケースもある。その一方、日本では社長がCEOとCOOを兼務するパターンが多い傾向にある。CEOには、起業家の資質・変化への迅速な対応力・メンタルの強さ・積極的な行動力などが求められる。
シー‐イー‐オー【CEO】
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