カーダール時代とは? わかりやすく解説

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カーダール時代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 04:25 UTC 版)

カーダール・ヤーノシュ」の記事における「カーダール時代」の解説

ソ連影響強く受けはしたが、カーダールは(例え集団農場農民に対して当に大規模な私有地許可するなど)ソ連反す政策実行し政治犯釈放ローマ教皇庁との和解進め秘密警察ハンガリー国家保衛庁廃止するなど、東側社会主義国の中では比較穏健な統治行った1966年にはニエルシュ・レジエ書記らによって「新経済メカニズム」が導入され市場経済一部導入などを進めた同年11月には国民議会選挙候補者複数候補制にするなどの政治改革進められた。これらの改革によってハンガリー経済発展し国民所得増加した1968年ワルシャワ条約機構軍によるプラハの春弾圧のためのチェコスロバキア侵入の際には最後まで反対し、チェコスロバキア共産党アレクサンドル・ドプチェク第一書記会談を行うなど、軍事介入回避努めた結局最後ソ連レオニード・ブレジネフ書記長に「ヤーノシュ、ほんの小部隊を送るだけですべてを達成できるのだよ」と説得され、これに応じざるを得なかった。 1973年ソ連ブレジネフ政権圧力によって、ハンガリー改革後退余儀なくされた。経済対す党中央統制強められ1974年には改革主導していたニエルシュらも解任左遷された。しかし、その処遇は「プラハの春」後に改革派党員除名したチェコスロバキア共産党グスタフ・フサーク第一書記の「正常化英語版)」に比べれば穏やかなものであった。 また「新経済メカニズム」も完全には廃止されず、1970年代後半第二次石油危機以降は再び改革進められるようになり、「社会主義市場経済」が目指されるようになった経済改革比較的高い生活水準生み出しハンガリー冷戦中東ヨーロッパでもっとも住みよい地のひとつだった(ハンガリー様式社会主義議論については、グヤーシュ共産主義参照。)。1990年代資本主義経済への転換過程引き起こされ生活水準劇的な低下のために、多くハンガリー人がカーダール時代に郷愁覚えている。この郷愁が元ハンガリー社会主義労働者党改革派政治家ホルン・ジュラ外相ハンガリー社会党)の首相選出1994年と言う形で現れた。 カーダール時代には観光旅行劇的に増加しカナダアメリカ西ヨーロッパから多く観光客訪れ多額資金ハンガリーもたらしたハンガリー欧米先進諸国と強い関係を築き、そして多く外国人研究家訪れた1978年には「ハンガリー国王聖冠」(第二次世界大戦期までのホルティ・ミクローシュ政権政治的象徴性を伴うことを防ぐため、メディアにおいては「ハンガリー王冠」と呼ばれた。)及び宝器アメリカから首都ブダペスト返還された。 ハンガリーから西側への旅行も他の東側諸国比べる比較的自由であり、1980年には380万人西側旅行している。検閲比較的緩やかであり、閣僚の指名形式的ながら、党中央委員会政治局決定だけでなく大衆組織愛国人民戦線」と協議をして決定するなどの改革が行われた。 1982年には国際通貨基金(IMF)に加盟し経済への市場原理導入徹底個人企業設立自由化国営企業の党からの自立など経済自由化進んだ政治的に1983年には再び議会選挙複数候補制となり、1985年には社会主義労働者党党員以外からも国会議員に当選する者が出るようになった。。 カーダール国際レーニン平和賞受賞した1975年-76年)。カーダールまた、1964年4月3日ソ連邦英雄称号授与された。 カーダール政治・経済改革進め一方でソ連との友好維持にも努めソ連に付け入る隙を与えなかった。

※この「カーダール時代」の解説は、「カーダール・ヤーノシュ」の解説の一部です。
「カーダール時代」を含む「カーダール・ヤーノシュ」の記事については、「カーダール・ヤーノシュ」の概要を参照ください。

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