イオングループとの提携
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イオンは、2006年(平成18年)10月からのダイエー再生を支援する業務提携検討委員会で、ダイエーの持つマルエツ株20%程度の譲渡を求めるなど、イオンとマルエツとの関係強化を求めていた。しかしマルエツ側は「自主経営が前提」とし、独自路線を堅持しつつメリットのある点に限定した形での提携を主張した。そのためマルエツは独自の商品調達を堅持することを主張し、翌2007年(平成19年)7月10日に発表されたイオングループや丸紅との業務提携では、共同での商品調達などについて数値目標を入れなかった。 2007年(平成19年)9月13日付で、ダイエーがマルエツ株をイオンへ譲渡することを合意し、これを受けて同日付で高橋義昭がダイエー常務取締役を辞任、同月20日にはイオンがマルエツ株1,500万株を取得して議決権比率33.2%を持つ筆頭株主となった。 翌2008年(平成20年)3月6日開店の「マルエツ勝どき6丁目店」では、ダイエーのPB「セービング」に代えてイオングループのPB「トップバリュ」の導入を試験的に行ったり、物流センター運営委託先にイオンの事業会社「イオングローバルSCM」を選定するなど、イオンとの提携の具体化に取り組み始めた。 しかしその一方で、商品の選択については自社主体で独自に決定する路線を堅持し、「トップバリュ」の取扱いは約150品目に絞り込む一方で、自社PB「フーデックス」「ホーメックス」を付加価値型商品として位置付けたのみならず、自社開発の低価格PB「おいしいシリーズ」商品を約80品目から160品目に倍増する方針とした。こうした商品戦略を採用したことから、2013年(平成25年)2月期においても「トップバリュ」の売上高比率は約0.3%に留まることになった。 2008年(平成20年)10月2日には、イオンレイクタウンの「KAZE」内に越谷レイクタウン店を開店。イオンと提携後、初めてイオン系ショッピングモール内に出店した。なおマルエツは、イオンが運営していた百貨店「ボンベルタ百貨店」への出店歴はあり、1992年(平成4年)3月19日の「ボンベルタ成田」開業時に、1階食料品ゾーンに「マルエツ成田ニュータウン店」が出店している。マルエツ「越谷レイクタウン店」ではイオンの電子マネーWAONが最初に利用可能になり、その後にボンベルタ成田内の「成田ニュータウン店」でも導入され、マルエツでは2019年まで、WAONはこの2店舗でのみ利用可能だった。 2010年(平成22年)12月18日には、千葉県野田市に「スーパーマーケット魚悦」1号店を開店してディスカウント店業態に進出。いわゆるリーマンショック後の不況に伴う消費者の低価格志向への対応を図った。 さらに、2010年から2011年(平成23年)2月期末までに、広告宣伝などの合理化を目的として屋号の集約化を図り、売場面積650m2以上の通常店舗を「マルエツ」、売場面積165m2から500m2以上の小型店舗を「マルエツ プチ 」に統合することになった。このため「サンデーマート」を「マルエツ」に、小型店の「ポロロッカ」と「フーデックスプレス」を「マルエツ プチ」に、それぞれ統合することとした。ただし高級店業態の「リンコス」は価格帯が大きく異なることなどを考慮して存続することとした。 2011年(平成23年)3月11日に東日本大震災が発生した際には新店舗の開業を延期する企業も多かったが、マルエツは「地域の生活インフラを担っている」として計画通り同月16日に板橋駅前店を開店した。ただし、震災に伴う計画停電や商品供給に制限のある段階での開業となり、また消費者が買いだめを行ったことから、開業初日に入場制限を行うと共に品切れが多数出ることになった。 イオンは2011年(平成23年)11月25日、マルナカの株式を議決権割合で94.96%を取得し、山陽マルナカを完全子会社化した。このマルナカは、純投資目的でマルエツの2.24%の株式を保有しており、イオンのマルナカ株取得に伴ってみなし共同保有者に加わったことにより、イオンの議決権は34.21%と3分の1を超えることになった。ただし、イオンはその後もマルエツの独自路線の維持を認めており、2013年(平成25年)4月1日付でマルエツ生え抜きの上田真が社長に就任した。 2012年(平成24年)9月には、中国の家電量販店大手企業である蘇寧電器との合弁会社「丸悦(香港)」を設立し、2013年(平成25年)9月30日に中国の江蘇省無錫市に中国1号店「リンコス無錫蘇寧プラザ店」を開店して海外に初出店した。
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