それ以外の登場人物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/19 16:15 UTC 版)
静(しず) 菊の継母。原宿村の百姓の娘。菊の親になってからは13年、番町の近く飯田町の九兵衛長屋には10年ばかり前より住まい、仕立て屋の下請け針子で生計を立てる。菊に米搗きの三平とは浅からぬ縁が、知らないでいい繋がりがあるという。『嗤う伊右衛門』に登場した雑司ヶ谷の足力按摩 宅悦とは面識があった。 又市(またいち) 麹町の念仏長屋に住まう魔除けの札撒き、マカショ。縁切り縁付きの仲人屋を生業としていたが、それが高じて揉め事を収める渡世をしているという。「小股潜り」なる二つ名を持つ小悪党。十太夫の依頼を受け、奉公先の主人から菊を救う。巷説百物語シリーズにも登場。 遠山 主膳(とおやま しゅぜん) 遠山家の非嫡子の部屋住で、白鞘組の一員。細面の精悍な顔つきだが、時に蛇のような眼をすることがある。青山播磨が自分のようにならず、なすがままに全てを受け入れて生きていることに不満を抱く。播磨と同じ赤松道場で剣を学び播磨に匹敵する剣術の腕の持ち主。生きていることがくだらぬ、だが死のうとも思わぬ、ずっとずっと静かに狂うておると言い放つ。 三平(さんぺい) 米搗き男。まだ17、8らしいが自分の歳を数えていない。起きて米を搗いて飯を喰って寝る日々。菊親子の住まう長屋の路地木戸を出て筋向かいの角の古小屋で、身寄りがなく一人で暮らしている。世間知らずで不器用な男。幼馴染の菊に対して複雑な感情を抱く。 徳次郎(とくじろう) 辻放下師。鳥も通わぬほど遠く、そして生きてるか死んでるか判らない亡者みたいな連中がぼおっと生きてる酷い島の生まれだという。故郷を捨てて江戸で吹き溜まった。総髪を後ろで束ね、飴売りのような派手な格好をしている。鑑札はあるが帳面には載っていない無宿人。籠抜けに刀玉、目戯の大道芸を生業とするが、三平を気に入り、自らの一座に勧誘するとともに菊との縁談を勧める。巷説百物語シリーズにも登場。 大久保 吉羅(おおくぼ きら) 次期若年寄と目される大番頭・大久保唯輔の息女。どうしても欲しいものは欲しいという性質で自らを強慾だが弁えていると評し、手に入るものならば必ず手に入れるため幼いころはお転婆と誤解されていた。自分や父に一切へりくだらなかった播磨を生き物の中で初めて「欲しい」と思い、父の出世に必要な姫谷焼の皿を手に入れるという目的もあって輿入れを決意する。2人の侍女を伴い自ら青山屋敷に乗り込むが、空っぽなのに何も欲せず満ち足りているような菊に対して嫉妬を募らせていく。 服部 真弓(はっとり まゆみ) 青山家先代当主・青山鉄山の姉で、播磨の伯母。既に五十路も了る頃で小石川に住まう。大久保家との縁談を推し進める。 槙島 権太夫(まきしま ごんだゆう) 青山家に先々代より仕え、十太夫の父・軍太夫が死んでからの5年間青山家の側用人を務めた老人。妻子縁者は居らず、今は隠居し下女小物と湯島に住まう。77歳。 嘉助(かすけ) 浅草に住む鳶職。大昔の盗賊である向坂陣内を名乗り、手下3名ばかりと徒党を組み江戸市内に於て足掛け3年に渡り盗みを働いた。大捕物の結果捕らえられ獄門にかけられるが、その際に無関係な者の命を奪ってしまう。
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