「蝶々さん」は誰か?とは? わかりやすく解説

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「蝶々さん」は誰か?

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 07:25 UTC 版)

蝶々夫人」の記事における「「蝶々さん」は誰か?」の解説

蝶々夫人」の舞台となった日本では長らく『蝶々夫人』モデル誰か?」ということ議論されてきた。ロング実姉サラ・ジェニー・コレルは、1890年代初頭から鎮西学院五代目校長宣教師でもあった夫とともに長崎東山手住んでいた。ロングは、姉のコレル夫人から聞いた話から着想得て小説執筆したとされている。 長年有力視されていたのは、幕末活躍したイギリス商人トーマス・ブレーク・グラバーの妻、ツルである。これは彼女が長崎武士の出身であると、誤って伝えられたことや、「蝶」紋付このんで着用し蝶々さん」と呼ばれたことに由来する長崎旧グラバー邸長崎湾を見下ろす南山手の丘の上にあることも、物語の設定一致する。しかし、ロング小説具体的に記述されている蝶々夫人経歴に、ツル生涯似ている部分があるが、重要部分で異なる点も多いため、モデル考えるのは不自然と意見もある。一方グラバーツルの間に生まれた長男倉場富三郎ペンシルベニア大学留学していたこと、ロング本人が、「姉は倉場富三郎会ったことがある」と語ったと言われることなどは、「蝶々夫人グラバー・ツル」説を裏付ける要素とされている。ただし、ロング小説実話に基づくとは明言しておらず、また、自身アメリカ士官貶めているともとれる小説人物設定について多く批判受けていたこともあり、真相曖昧にされたまま現在に至る。 ツル最初結婚もうけた娘・センの子孫の調査によると、ロング小説マダム・バタフライ』に登場する家がグラバー邸内と酷似していることと、ロングがのちに書いた戯曲マダム・バタフライ その20年後』の原稿に「Dam. Too-ri」とメモがあり、ツル読めることから、ロングツル下敷きにしていたと思われるが、内容自体ツル経歴とは異なり創作である。 当時長崎では、洋妾ラシャメン)として、日本駐在する外国人軍人商人婚姻し、現地となった女性多く存在していた。また19世紀初めに出島駐在したドイツ人医師フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトにも、日本人妻がいた。下級軍人揚屋などの売春宿などに通って欲望発散する一方金銭的に余裕がある高級将校などは居宅女性暮らしていた。この際婚姻届は、鎖国から開国にいたる混乱期日本で、長崎居留外国人日本人女性との同居による問題発生管理した長崎奉行公認しており、飽くまでも一時的なものだった。相手女性農家から長崎外国人居留地出稼ぎ来ていた娘であり、生活のために洋妾になったのである互いに割り切った関係であり、この物語のように外国人男性との関係が真実の恋愛であった例は稀である。現に、シーボルト日本人妻だった楠本滝は、シーボルト帰国後に婚姻離婚繰り返している。まして、夫に裏切られ自殺をした女性記録皆無であり、蝶々夫人特別なモデルはいない創作上人物であると考える説も有力である。 「蝶々夫人」の先行作品であるメサジェ歌劇お菊さん」の原作者ピエール・ロティ長崎現地妻で、お菊さんモデルであったカネ蝶々夫人モデルであるという説もある。おカネ(兼)は、1869年明治2年豊後国岡藩(現在の大分県竹田市)の武士の家に生まれた幼い頃から三味線などの芸事を嗜んでいたが、西南の役実家没落竹田に縁のあるグラバー夫人頼り長崎芸者になり、1885年明治18年)にロティ結ばれるロティとの結婚生活1ヶ月終わり、その数年後、おカネ長崎郊外川原提灯屋(ムシュ・パンソン)と再婚する1900年明治33年ロティ長崎再訪して10ヶ月滞在したが、おカネには会おうとしなかった。そのことショックで、おカネは家を捨て一人竹田戻り烏嶽洞窟暮らした竹田人々は「狂人オカネ」と呼んだが、一部の人の庇護の元、その後20年生きて1921年大正10年)に死去する享年52上記作曲の経緯」で記されている通り「蝶々夫人」と「お菊さん」の関係明確になったことから、蝶々夫人モデルは、竹田生まれのおカネさんという説である。

※この「「蝶々さん」は誰か?」の解説は、「蝶々夫人」の解説の一部です。
「「蝶々さん」は誰か?」を含む「蝶々夫人」の記事については、「蝶々夫人」の概要を参照ください。

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