《声色》の正しい読み方
「声色」の正しい読み方
「声色」は簡単な漢字から構成されているからこそ、色々な読み方ができ正しい読み方がわかりにくい熟語である。「こえいろ」、「こわいろ」、「こわね」などの読み方ができるが、正しい読み方は「こわいろ」と「せいしょく」である。また、仏教用語においては、「しょうしき」と読まれている。「こわいろ」、「せいしょく」、「しょうしき」の3つの読み方の中では、「こわいろ」と読むのが最も一般的である。「声色」の意味解説
「声色」は読み方によって意味が異なる。「声色(こわいろ)」は声の調子や音色、声の調子を真似るという意味がある。「声色(せいしょく)」は言葉を発する際の声や顔色、音楽と女性を楽しむという意味があり、「声色(しょうしき)」は仏教用語で五感や六境を意味する。なぜ「声色」と読むのか・理由
「声色」は「声」の音読みが「せい・しょう」、訓読みが「こえ・こわ」であり、「色」の音読みが「しょく・しき」、訓読みが「いろ」であるため、漢字の読み方に従い「こわいろ」や「せいしょく」、「しょうしき」と読まれている。「声色」の類語・用例・例文
「声色」の用例・例文・彼女は気になる男性の前では声色(こわいろ)を変える。
・彼は母親にいさめられ声色(せいしょく)を和らげた。
「声色」の類語
・声柄(こえがら)
・声音(こわね)
・声風(こわぶり)
・声遣(こわづかい)
「声柄」の用例・例文:声の質や声つきのこと
・彼女があの母親の娘であることは声柄でわかる。
・声柄に聞き覚えがあり視線を上げると、高校の同級生であった。
「声音」の用例・例文:声から受ける印象のこと
・普段は優しい父親だが、叱る時は厳しい声音になる。
・彼女は柔らかな声音なので子どもたちが懐いている。
「声風」の用例・例文:声の調子のこと
・彼は成長して声風が変わってしまった。
・先週から風邪をひいていて声風が悪い。
「声遣」の用例・例文:声の使い方のこと
・彼女の甘ったれた声遣が鼻につく。
・子供が母親の声遣を真似てままごとをしている。
これらは「声色」の類語であり似たような意味合いではあるが、全く同じ意味で用いることはできない。
「声色」の英語用例・例文
「声色」は英語で「voice(声色・声)」や「tone(声色・トーン)」と表現される。「voice(声色・声)」の用例・例文
・ The senator angrily voiced his objection to the bill.(上院議員は怒った声色でその法案に異議を唱えた)
「tone(声色・トーン)」の用例・例文
・He replied in a friendly tone.(彼はフレンドリーな声色で返事した)
・The professor's condescending tone irritated some students.(教授の見下すような声色は何人かの学生を苛立たせた)
・They spoke in hushed tones.(彼らは静かな声色で話した)
《声色》の正しい読み方
「声色」の正しい読み方
「声色」は主に「こわいろ」と読む語。「こえいろ」ではない(誤読である)。文語では「声色」を「せいしょく」、仏語では同じく「しょうしき」と読む場合もある。とはいえ、一般的な文脈ではもっぱら「こわいろ」と読むと捉えてよい。
「声」は単独では「こえ」と読むが、「声音(こわね)」「声色(こわいろ)」「声高(こわだか)」「声風(こわぶり)」といった言葉(和語の複合語)においては音変化して「こわ」と読まれる場合が少なくない。このような語では「声」は「こわ」と読むべきであって「こえ」とは読まない。
「声色」の意味解説
「声色(こわいろ)」は、人が発する声・音声の調子や雰囲気、を意味する語。「声音(こわね)」もおおむね同じ意味である。「声色(せいしょく)」は、語調・表情・態度などから察せられる雰囲気のこと。
「声色(しょうしき)」は、視聴覚に代表される感覚的知覚、および、その知覚の対象となるもののことである。声色は煩悩のもとになると位置づけられる。
なぜ「声色」を「こわいろ」と読むのか・理由
なぜ「声色」を「こわいろ」と読むのか、なぜ「こえいろ」とは読まないのか。その理由は日本語の「転音(母音交代)」に求められる。「声色」はもともと、「声(こえ)」と「色(いろ)」の2語からなる複合語である。そして和語が複合語を構成する場合、前の語の最後の母音が a や o の音に変化することがある。これを転音という。
- 声(こえ)→ 声音(こわ -ね)、声色(こわ -いろ)
- 雨(あめ)→ 雨音(あま -おと)、雨傘(あま -がさ)
- 風(かぜ)→ 風上(かざ -かみ)、風向き(かざ ‐むき)
- 酒(さけ)→ 酒屋(さか -や)、酒盛り(さか -もり)
- 木(き)→ 木霊(こ -だま)、木陰(こ-かげ)
- 白(しろ)→ 白玉(しら -たま)、白木(しら -き)
「声色」の類語・用例・例文
声色(こわいろ)の類語としては「声音(こわね)」「声付き(こえつき)」「声柄(こえがら)」「声調(せいちょう)」「口調(くちょう)」などが挙げられる。「声音」は「声色」と同様「声から受ける印象や質感」を指す意味合いの表現で、同義語に近い。
「声付き」や「声柄」は、その人の固有の声の様子・特徴を指す意味で用いられる言葉。先天的な声質や個性を指すニュアンスが色濃い。
「声調」は「発話・発声の際の声の調子」のことであり、つまり話したり歌ったりする際の喉のコンディションのことである。
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