《塵埃》の正しい読み方
「塵埃」の正しい読み方
「塵埃」の読み方は、「じんあい」もしくは「ちりほこり」である。「じんあい」は、声に出して読む(発話する)際には、連声が生じて「じんない」と読まれることもある。塵埃の「塵」の字は音読みで「じん」、同じく「埃」は音読みで「あい」と読む。どちらの字も常用外漢字であり(特に「埃」は「ほこり」「ホコリ」と仮名表記されることが多く)馴染みが薄い。
「塵」は訓読みでは「ちり」、同じく「埃」は訓読みでは「ほこり」と読む。そして「塵埃」を「ちりほこり」と読んでも間違いではない。とはいえ一般的な文脈で「塵埃」の語が用いられる場合は「じんあい」と読ませることの方が多い。「ちりほこり」と読ませたい場合には「チリ・ホコリ」のような表記が用いられるだろう。
「塵埃」の意味解説
「塵埃」は、飛び散ったり撒き散らされたりしている微細なゴミの類の総称である。「塵」も「埃」も類義の字であり、粉末状・粒子状になって飛び散るもの、微小な砂の粒子、繊維から出る糸屑や毛髪、微生物の死骸やカビの胞子などが大気中に浮遊している状態のもの、もしくはそれらが床や壁などに集まった状態のもの、を指す言葉である。単に「細かいゴミなど」を指す意味で用いられることも多い。塵埃は「つまらないもの・取るに足らないもの」や、「世の中における諸々の汚れたもの」を指す意味で用いられることもある。
なぜ「塵埃」と読むのか・理由
「塵埃」を「じんあい」と読むのは、それそれの字を素直に音読みした結果といえる。同様に「ちりほこり」も、それぞれの字を素直に訓読みした結果である。「塵埃」の類語・用例・例文
「塵埃」の類語として、砂の細かい粒子によって発生する煙を意味する「砂塵」が挙げられる。風によって砂が巻き上げられて発生した、「砂ぼこり」を表す言葉だ。同じく風によって砂や塵が舞い上がった状態を指す「風塵」や「土埃」も、「塵埃」の類語である。「塵」や「ゴミ」の部分を含む類語として挙げられるのは、「塵芥」だ。「塵芥」には「塵・ゴミ」など物質的な意味合いの他に、「取るに足らないもの」といった精神的な意味合いも含まれる。「塵埃」は、調査の報告および科学・化学など学術的な記述を行う際に用いることが可能だ。たとえば、「このエリアは、空気1立方メートルあたりの塵埃量は1.0mgを超えている」といったように用いる。また「長い年月にわたって放置されていた彼の愛車は、塵埃にまみれていた」というように、情景・状態の描写にも使える。加えて「悟りを開くべく、塵埃を避けて山居を志す」といったように、「俗世間的」などの意味合いを含ませて文中に用いることもできる。
「塵埃」の英語用例・例文
「塵埃」を英語で表現すると、「dust」となる。「dust」は「ちり・ほこり」や「ごみ」といった意味合いの他に、「空中に浮遊する細かいちり・結晶」という意味も持つ名詞だ。「dust」を用いた例文としては、「This machine shuts out the dust at your feet.(この機械は、足もとの塵埃を除去します)」が挙げられる。また「不純物・混入物」という意味を持つ「impurities」と、「ありふれた・平凡な」という意味を持つ「mundane」を用いて「impurities of the mundane world(俗世間のよごれ)」と表現することも可能だ。- 《塵埃》の正しい読み方のページへのリンク