糖化とは? わかりやすく解説

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とう‐か〔タウクワ〕【糖化】

読み方:とうか

[名](スル)でんぷんセルロースなどの多糖類加水分解されて、ぶどう糖果糖などの低分子量の糖になること。


糖化(とうか)


糖化(とうか)

デンプン質原料を麹(こうじ)や麦芽などの糖化酵素によって糖分変化させること。穀類イモ類などのデンプン質原料から酒類をつくるにはまず原料中のデンプンを麹や麦芽糖化酵素作用糖分にかえ、ついでその糖分酵母発酵酵素作用アルコールにかえる。すなわち、糖化と発酵二つ工程が必要であり、前者工程を醪や麦芽担い後者のそれを酵母担っている。現在、酒類醸造使われている糖化剤としては麹や麦芽のほかに種々の微生物生産する糖化酵素分離精製してつくられる酵素製剤種々の酸類が利用されている。酒類醸造と糖化剤の種類との関係はそれぞれの国の気候風土醸造原料食習慣などの伝統背景確立されたものであり、大別して東洋では主に麹が、西洋では麦芽使われ酒類醸造における洋の東西それぞれ文化圏麦芽文化圏とに分けている。

糖化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/28 02:45 UTC 版)

糖化(とうか、: saccharification)とは、デンプン等の多糖類を、少糖類・単糖類に分解する化学反応のこと。動物植物の生体内で起こるほか、菌類細菌(糖化菌など)などが分泌する酵素、あるいは酸などによってもこの反応は進行する。

酒造発酵製糖の過程でも観察される。化学的には多糖類のグリコシド結合加水分解することである。なお、製糖を目的とする場合、ブドウ糖と異性化液糖に関しては規格がJASにより定められているが、麦芽糖などその他の糖に関しては特に規定はない。

酵素による方法

多糖類はアミラーゼ(広義)によって分解される。アミラーゼの供給源としては、麦芽などが用いられる。

麹による方法

Aspergillus oryzaeコウジカビ)等の麹菌を、蒸した白米等の培地に植えて繁殖させたものが麹である。麹菌として国によってはクモノスカビケカビ等も用いられる。アミラーゼ(α-アミラーゼやグルコアミラーゼ)を分泌するので、それを利用する。麹を原料(蒸米など)に混ぜることで糖化が行われる。

日本酒焼酎甘酒等の製造に使われる。

麦芽による方法

麦の種子は発芽時に、貯蔵したデンプンを利用するためにアミラーゼ等の加水分解酵素を合成する。ある程度発芽した段階で、乾燥・焙焦により生育を止め、粉砕して、麦芽中の酵素を利用する。粉砕した麦芽を原料(麦など)と混ぜ加熱することで糖化が行われる。

同じ原理で発芽玄米が使われたこともあった。

ビールウイスキーなどのスピリッツ類、水飴の一部に使われる。

その他の方法

大根や唾液などにもアミラーゼが含まれるので、実験として水飴などが作られることがある。前者は臭い、後者は衛生面の問題があるので、流通には適さない。口噛み酒は、唾液中のアミラーゼでデンプンを糖化して製造する。奄美大島の「みき」は、すりおろした生のサツマイモ中のアミラーゼでデンプンを糖化して製造する。

酸による方法

デンプンを酸で加水分解することで糖を得る方法。醸造に用いられることはほとんどなく、主に製糖で用いる。

酸糖化法

酸によりデンプンを加水分解して糖を含んだ溶液を作り、アルカリで中和、できた溶液を精製、濃縮し、糖を得る。原料や製造対象(異性化液糖、麦芽糖、ブドウ糖など)、製造設備により製造プロセスは異なり、厳密に分類すると種類は多岐にわたる。精製方法も、活性炭投入や濾過、イオン交換膜など、いくつかのプロセスを組み合わせて利用する。(これはアミラーゼを利用した製法でも同様である。)


糖化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 01:01 UTC 版)

ビール」の記事における「糖化」の解説

グリスト温水混合されると、麦芽含まれるデンプンなどの多糖類可溶性タンパク質溶け出す多糖類麦芽のもつ酵素により可溶化し、分解され分子麦芽糖生み出される。この多糖類分解のことを糖化(マッシング; mashing)という。糖化には1〜2時間ほどの時間が掛かる麦芽酵素の力のみで糖化する方法をインフージョン法といい、マッシュ一部取り出して煮沸し、元の容器戻してメインマッシュ温度引き上げ方法をデコクション法という。マッシュ煮沸によって酵素失活するが、でんぷん質溶解して糖化が進みやすくなる。 糖化が終了したマッシュからは穀物粒などの固形物取り除かれ発酵性麦汁回収される麦汁濾過伝統的な方法であるロータリング (lautering)では、濾過の底に溜まった穀物の粒そのものフィルターとして働き固形物麦汁分離する。現在行われている醸造ではより細かいグリストまで分離できるフィルターフレームが使用されることが多い。最初に絞られる麦汁を1番絞り麦汁という。穀物粒はスパージング (sparging) という操作で湯洗浄し、さらに多く麦汁回収する麦汁とスパージングで加えられた湯の混合物から、穀物粒を濾過によって分離する。スパージングによって得られる麦汁2番絞り麦汁という。

※この「糖化」の解説は、「ビール」の解説の一部です。
「糖化」を含む「ビール」の記事については、「ビール」の概要を参照ください。

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