一龍の依頼食材
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 08:03 UTC 版)
IGO会長・一龍が、グルメ界に入るための環境適応の修行としてトリコ達四天王に課した7つの食材。いずれも四天王の「レベルを上げる食材」であると同時に、そのどれもが人間界指折りの過酷な環境下に存在する。 オゾン草(捕獲レベル68)【野菜】 一口食べるだけで天にも昇る爽快さが得られることから、別名「天空草」と呼ばれる野菜。また、一口食べれば地上の野菜が全て賞味期限切れに感じるほどの瑞々しさと新鮮な旨みが味わえることから、「野菜の王様」とも呼ばれる。「ベジタブルスカイ」に存在する。 オゾン草は幾重にも重なる葉っぱに包まれており、その葉はオゾン草の可食部分を太陽の紫外線など有毒な要素から守っており、非常に強い刺激臭を放つが、苦味が病みつきになるオゾン茶を淹れられる。実際に取り出して食べるためには「臭いが強烈な葉から順に2枚同時に剥いでいく」必要があるが、臭いの判別は嗅覚が鋭いトリコですら苦労するほどであり、また食べる時も2人同時にかじるか、オゾン草が気付かないほどの高速度で2ヶ所同時にかじらなければならない。なお、2ヶ所同時にかじるには相当な技術を必要とするらしく、作中では一龍とブルーニトロのペア(アニメでは次郎と節乃も行っている)がこの方法でオゾン草を食している(ペアはすぐに吐き出した)。そのルールを破るとすぐに腐ってしまい、食べられなくなる(アニメでは葉を剥くのに失敗すると種に戻る)。これらの困難があるため「特殊調理食材」「特殊賞味食材」に指定されている。トリコのグルメ細胞の「レベルを上げる食材」の一つだが、2人同時に食べないといけないという難点から、トリコのフルコースには入れられなかった。 メルクの星屑(捕獲レベル不明)【鉱石】 「ヘビーホール」の奥に存在する、あらゆる物質を研ぐことが出来るとてつもない硬度を持った金色の鉱石で、硬度の高い素材を研ぐ際に出る粉末は新種のアミノ酸で構成されている極上の調味料となる。だがその強烈な旨み故に食べるのがやめられなくなってしまうほどの中毒性を持ち、並の食材にふりかけても食材の味が殺されてしまう。そのため「宝石の肉」や「サンサングラミー」のようにメルクの星屑に負けない美味さを持つ食材にしか使用できない。初代メルクが発見したためにこの名がついた。 メロウコーラ(捕獲レベル92)【飲料水】 世界一美味いといわれるコーラ。その正体はサラマンダースフィンクスが食べ続けてきた餌の栄養源の一部をグリコーゲンにして、涙腺に溜めたものである。そこに特殊な工程を踏んだ調理法を行い、体内の二酸化炭素と混ぜ合わさることでこの食材となる。だがその手順をした時、まず最初に出るのは涙腺の表面に溜まっていて酸化した灰汁である(それでも立派なコーラであり、ニトロが飲んだところ、筋力が倍増した)。本物は灰汁が出てしばらくすると滝のような勢いで流れ出す。1年間熟成されたものはメープルシロップの数百倍の糖度があり、炭酸の量はシャンパンやソーダ水とは比較にならないほどであり、仮にコップに注いでも気泡は1年間止まらないという。 ゼブラのグルメ細胞に適合しており、彼の細胞を進化させた。元々「人生のフルコース」に興味を持っていなかったゼブラが、小松の「より優れたフルコースを作った人のコンビになる」という提案を呑み、「ゼブラのフルコースメニューのドリンク」に入れる事を決定した。 島袋曰く元々はトリコのフルコースにする予定だったが、描いている途中でネームが行き詰まったため、ゼブラのフルコースに入れたという。 サンサングラミー【魚類】 美しく透き通り黄金色に光輝く、銀身の魚。別名「クリスタルフィッシュ」。「モルス山脈」のふもとにある「デスフォール」の滝の裏の洞窟に生息している。 「デスフォール」を越える場合捕獲レベルは実に80を超えるが、本体自体の捕獲レベルは1以下である。天敵のほとんど居ない環境で生息しているため、脅威に対する耐性が全くと言っていいほどなく、少しでも力のある存在が近づくとすぐにショック死して新鮮さが失われてしまう。山の栄養分を凝縮した「モルス油」の中で育った身は弾力があって濃厚な味わいだが、過度に手を加えると味が劣化する恐れがあるため、特殊調理食材に指定されている。トリコとサニーの力を合わせて滝の壁を突破した後、洞窟の奥へは非力な小松が進入することで、サンサングラミーにショックを与えることなく生きたまま捕獲することに成功した。メルクの星屑と組み合わせた状態でサニーのグルメ細胞と適合しており、彼の細胞を進化させた。 メテオガーリック(捕獲レベル93)【球根類】 読者投稿の食材。別名「ドーピングガーリック」と呼ばれる巨大なニンニク。特殊調理食材。 隕石の落ちた土地に稀に生育する。土壌の栄養を吸い尽くして育つため、滋養強壮成分が半端ではなく、これを食べると普通の人間でも一時的に常識を超えた筋肉質の巨体になり、約一ヶ月間は不眠不休で活動ができるという。そのため、グルメ八法でも食用制限がある。ライブベアラーが現物を保管しており、小松がその調理に挑んだ。その巨大な実のほとんどは食べることが出来ず、複雑な工程を経た上で最終的に一気に高温で炙ることで、周辺の実が花火のように弾け飛び、非常に小さな可食部分が落ちてくる。ココのグルメ細胞に適合した食材。 シャボンフルーツ(捕獲レベル98)【寺宝】 「食林寺」に代々伝わる寺宝。シャボン玉で出来た果実で、扱いが非常に難しく、この世で最も繊細だと言われる食材。千代が最も得意だった料理でもある。寺の庭の池から発生しており、食義を極めていない者が近付くと消えてしまうが、それは珍が作ったレプリカ。本物は「バブルウェイ」に存在するが、食義の奥義「食没」を極めた者にしか手にすることができないうえ、顔見知りの珍を除いては一人しか受け入れず、他の食材の持ち込みも拒否している。その栄養価はすばらしく、瀕死の状態にある人間の体力を短時間で回復させる効果がある。これを実食したトリコによると「噛むたびホロホロと砕けながらシュワっとした炭酸があふれ出てくる」「まるで蜜のように甘いシャンパンのゼリー」のような食感らしい。 また、薄皮を剥いてゆでると味が深まり更に旨みが増すと言われており、後に食義を習得した小松の手によって調理がなされ、四天王全員の適合食材となった。 四獣(しじゅう) グルメ界から出現した四匹の超巨大な猛獣。数十万年前に大量の人間を一気に捕獲するため、ニトロが作った。グルメ界の生物としては異例の「偏食家」。通常、グルメ界の食材は人間界のものより遥かに美味であるため、グルメ界の生物は人間界の食材に興味を示さない。しかし、四獣は人間を好んで食すために、グルメ界においても雑魚ではない猛獣であるにも関わらず人間界へと侵攻してくる。数百年に一度、人間が増えたのを見計らったように目覚める。人類の英知の結晶である近代兵器さえも全く意に介さず、人間界の終末をも危惧させるほどの存在だが、実は人間界に送り込まれる四匹の獣は「本体」の一匹が放つ手足に過ぎない。さらに一龍や鉄平によると、本体を「再生」させ、裏で操っている「黒幕」がいるという。作中初めて捕獲レベル100以上の数値が測定された猛獣達である。マウントタートル(捕獲レベル150)【火山甲殻獣類】 読者投稿の猛獣。火山の甲羅を持つ巨大な亀。背中の火山からは絶えずマグマを噴き出し、口からも恐るべき破壊力のマグマのミサイルを発射する。国際連合軍の総攻撃を受けても全く無傷なほどの防御力と、全長100メートルの巨大戦車群を跡形もなく消し飛ばすほどの攻撃力を持つ。 南から「アイスヘル」を粉砕して人間界に進入し、ゼブラと対峙する。マグマのミサイルもゼブラにはさほどダメージを与えられず、ゼブラのビートパンチを受けて殴り倒され敗北。その後、すぐに四獣本体の元に帰還し、取り込まれた。 インバイトデス(捕獲レベル140)【軟体哺乳獣類】 読者投稿の猛獣。馬とイノシシを合わせたような体格の不気味な紫色の獣。鼻からは長い髭が生え、そこから溶解性の毒を高速で弾のように連射する。また足の先端がタコのような触手になっており、あらゆる物体をドロドロに溶かす猛毒の液体を出す。数え切れないほどの多種多様な毒の抗体を持ち、ココの毒攻撃もなかなか通用しない。 北から「デスフォール」を泳いで人間界に進入し、ココと対峙する。足の先端を地中深くに突き刺して大量の毒を注ぎ込み、大陸丸ごと毒で汚染するという大規模な攻撃を行うが、最後はココの毒弓とモウルドスピアを受けて敗れる。その後、すぐに四獣本体の元に帰還し、取り込まれた。 牙王(ガオウ)(捕獲レベル127)【哺乳獣王類】 読者投稿の猛獣。傷だらけのライオンのような姿をしている橙色の猛獣。その名の通り長大な牙を持ち、国際連合軍の誇る人工衛星兵器のレーザー砲も全く当たらないほど動きが素早い。 東から「バロン諸島」「第8ビオトープ」「洞窟の砂浜」「第1ビオトープ」を壊滅させ、リーガルマンモスをも一撃で瞬殺し、人間界へ進入してトリコと対峙する。テリーの余所見を余裕の表れとみなした為に怒り狂い、地面を大きく抉り取る猛攻をかけるが全て避けられ、トリコのレッグブーメランとキャノンフォークの直撃を受け、敗れる。その後、すぐに四獣本体の元に帰還し、取り込まれた。 キングオクトパスコング(捕獲レベル132)【軟体哺乳魚獣類】 読者投稿の猛獣。5つの目を持ち、全身からタコのような触手が無数に生えている毛の無いゴリラのような姿をした桃色のグロテスクな生物(サニーからも「キショい(気色悪い)」と言われている)。その触手は国際連合軍の巨大戦車群を軽く叩き潰す程の威力がある。 西から「ウージャングル」「グルメピラミッド」を壊滅させて人間界に進入し、サニーと対峙する。30万本スーパーフライ返しをものともしないタフネスを見せつけるが、クインの締め付けとサニーのヘアマリオネットで動きを封じられ、スーパーヘアショットで吹き飛ばされ、敗北。その後、すぐに四獣本体の元に帰還し、取り込まれた。 本体(捕獲レベル310→320→350)【特殊混合類】 上記の四体の猛獣を手足のように操っている生物。本来はグルメ界の生物だが、人間の味を覚えてしまった「偏食家」であり、数百年に一度のペースで人間を食べるためだけに人間界に侵入する。太古の昔、バトルウルフ、エンペラークロウ、マザースネークなどグルメ界屈指の猛獣と幾千に渡り戦った。 植物の地下茎のような形に巨大な口のついた緑色の奇怪な姿をしている。手足に四獣の命の種を育てており、数百年の年を経て成獣まで育った獣を人間界に送り込んで人間を食べさせ、戻ってきた所を取り込んで人間を吸収する。外部からダメージを受けると体内で流動させて体外へ排出する能力を持っており、物理的な攻撃がほとんど通用しないが、その際筋肉でアミノ酸を生成し、肉の旨み成分を増幅させるため、ダメージを与えれば与えるほど格段に旨くなる。 前回人間界に現れた際に一龍の手で四体の猛獣を退散させられ、次郎によってノッキングで封印されたが、今回は本体自身が直接人間を食らうために四体の猛獣に外から追い込み漁のように人間達を人間界の中心部「フードパーク広場」に集めさせ、集まったのを見計らってその地下から姿を現した。直後に召集した四体の猛獣を吸収し、人型になり「人間達へのドレッシング」として普通の人間が浴びると一時間以内に死ぬ猛毒の「緑の雨(グリーンレイン)」(通称「患いの雨」)を集まった人間達に降らせ駆け付けた四天王と戦うが、帰還した四獣を取り込んだことで彼らの能力を学習しており、尽く対抗策を放って四天王をまるで寄せ付けない強さを見せる。しかし、四天王が力を合わせて放った合体技・王食晩餐には敵わず、跡形も無く食い尽くされ、その肉は人類に分け与えられた。
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