断熱材 断熱材の概要

断熱材

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/21 01:28 UTC 版)

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風雨にさらされてボロボロになった配管断熱
小型惑星探査機『ホイヘンス・プローブ』の断熱材

概要

断熱(thermal insulation)とは、伝導対流放射による熱移動を防ぐことであり、それを実現しようとするものが断熱材である。JIS[1]では、「システムからの熱移動を減少させるプロセス若しくはその機能を果たす製品,構成又はシステム」と規定されている。物理などの科学分野での断熱とは主に熱移動が無いことを示すが、建築など工学的分野の文脈で断熱を用いる場合は単に熱移動を少なくすることを言う。

建物の冷暖房の効率化や冷蔵庫など熱を扱う様々な用途に使われている。断熱材は冷房暖房のエネルギー効率を高めるために建物で使用されるだけではなく、熱伝達を抑制することが重要なストーブ・冷蔵庫冷凍庫湯沸かし器等の器具の筐体部分、および多くの工業的な応用にも使用される。これらでは対象範囲内と外部との温度差を維持するために利用されている。

巷間[要出典]、熱伝導を防ぐことをのみを断熱ということがあるが誤りである。建築材としての断熱材は熱伝導を抑えることにより断熱効果を高めたものが多いが、材料中の気泡の対流による熱伝達を抑制し効果を高めた断熱材や材質表面の反射率を高め熱放射を妨げた断熱材料(建築業界では特に遮熱塗料と呼び分けることもあるがこれも断熱材の一種)もある。

断熱材とは熱移動を抑える抵抗の働きをするものといえ、熱抵抗が高い(熱伝導率の低い)素材が用いられることが多い。気体は分子密度が低いため熱伝導率が低いが、対流による熱伝達が起きる。逆に固体は対流しないが分子密度が高く熱伝導率が高い(特に金属などの結晶質)。液体は熱伝導と対流を起すため建築用の断熱材に用いられることはほぼ無い(液体の熱伝達特性の良さを活かしたヒートパイプなども一種の保温・断熱システムであるが通常、断熱材とは呼ばれない)。現在利用されている断熱材には、密度の低いウール状繊維で熱伝導率の低い空気を簡易に保持した繊維系断熱材料や、固体の中に気体の小泡を多量に持つ発泡系断熱材料の利用が多い。また真空中では熱放射のみが起こり熱伝導や対流が発生しない事から、魔法瓶は内層と外層との空間を真空近くに陰圧した二重構造になっており、これにより伝導と対流による熱伝達を防ぐ一方、真空側の面を鏡面にして放射を反射することにより断熱効果を高めている。

断熱材の種類

繊維系断熱材

  • グラスウール(最安価、耐熱性、吸音性)
  • ロックウール(安価、耐熱性、吸音性)
  • セルローズファイバー(高価、耐熱性、調湿性、吸音性)
  • 炭化コルク(高価、耐熱性、調湿性、吸音性)
  • 羊毛断熱材(高価、調湿性、吸音性)
  • ウッドファイバー(高価、蓄熱性、調湿性、吸音性、難燃性)☆温度湿度の移動を緩和する。

発泡系断熱材

☆印は樹脂系を表す。

  • ウレタンフォーム(防水性、現場発泡施工)☆
  • フェノールフォーム(耐熱性)☆
  • ポリスチレンフォーム(樹脂系では安価、軽量、耐水性)☆ 建材では主に難燃剤を混ぜた素材が用いられる。
  • EPS(ビーズ法ポリスチレン) 安価。気泡の内部は空気。見た目は市販の発泡スチロールだがEPS建材は難燃剤を含んでいる。
  • 発泡ゴム(FEF) : 防水性と難燃性が卓越している。発塵しない。アウトガスがない。
  • XPS(押し出し法ポリスチレン) 圧縮に比較的強い。断熱ガスが充填されたものもある。

その他

  • エアロゲル(繊維系断熱材との複合材が商品化されている。若干高価だが断熱性や施工性のバランスが優れている。 0.02~0.05W/mK[2]。)
  • ヒュームドシリカ(非常に高価。断熱・耐熱性に優れているが脆い為に使用条件が制約される。データロガー、ホイスレコーダーの高熱からの保護や狭小スペースの断熱など限定された条件で使用されている。)
  • 真空断熱材 (高価。非常に断熱性は高いが、破れると断熱性が維持できないため維持・施工に難点。0.0050W/mK(24℃)を達成した製品もある[3]。)

  1. ^ JIS A 0202 断熱用語 - 5.5 材料、製品およびシステム用語
  2. ^ Insulation Products – Aspen Aerogels Insulation
  3. ^ 高性能、高機能真空断熱材(Panasonic)


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