ランドヴェーッティルとは? わかりやすく解説

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ランドヴェーッティル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/26 06:25 UTC 版)

ランドヴェーッティル[1]アイスランド語: Landvættir[2]、「地霊」[1]、「地のVaettir[2][注釈 1]」の意、ランドヴェッティル[2]とも[注釈 2]。)は、北欧神話ゲルマン・ネオペイガニズム英語版における、大地の精霊または自然界の妖精である[2]。ランドヴェーッティルは石や木や川などに住み、彼らが暮らす固有の場所で栄えるものを守り助ける守護神である[2]。そうした場所は岩石1つ、あるいは野原1つというように小さい事もあれば、国土を構成する地域1つぶんくらい大きいこともある。彼らはしばしば動物の姿をとり、時には巨人の姿にもなる[2]




注釈

  1. ^ 複数形の「Vaetr(ヴェット)」と「Vaettir」は、英語の「wight」やドイツ語の「Wiht、Wicht」に相当するという[3]
  2. ^ カタカナ表記にはほかに、ランドヴェティル(ローズ, キャロル 『世界の妖精・妖怪事典』 松村一男監訳、原書房〈シリーズ・ファンタジー百科〉、2003年12月、ISBN 978-4-562-03712-4、p. 439。)、ランドヴェーティル(『世界神話大事典』 ボンヌフォワ, イヴ編、金光仁三郎主幹、安藤俊次ほか共訳、大修館書店、2001年3月、ISBN 978-4-469-01265-1、p. 673。)
  3. ^ 『ヘイムスクリングラ』での説明によれば、アイスランドの船が難破してデンマークに漂着するとデンマーク人の代官が指揮して積み荷を没収してしまうことから、アイスランドではデンマーク王や代官を詩で嘲笑する決まりになっていたという[18]

出典

  1. ^ a b c ストレム,菅原訳 1982, p. 206.
  2. ^ a b c d e f g フランクリン,井辻監訳 2004, p. 568.(「ランドヴェッティル」の項)
  3. ^ a b 山室 1977, p. 233.
  4. ^ Jan de Vries, Altgermanische Religionsgeschichte, vol. 1, p. 260, Berlin: De Gruyter, 1956, repr. as 3rd ed. 1970, citing Dag Strömbäck.
  5. ^ Hilda Roderick Ellis Davidson, Myths and Symbols in Pagan Europe: Early Scandinavian and Celtic Religions, Manchester University Press, 1988, ISBN 9780719022074, pp. 103-04. Goat-Björn, the waterfall, and the wood she cites from Landnámabók, the advising spirit in the rock from Kristni saga英語版 and Þáttr Þorsteins enn Viðförla.
  6. ^ a b c ストレム,菅原訳 1982, p. 207.
  7. ^ Jenny Blain, Wights and Ancestors: Heathenism in a Living Landscape, Devizes, Wiltshire: Wyrd's Well, 2000, ISBN 0-9539044-0-7, p. 7.
  8. ^ Blain, pp. 7-8.
  9. ^ Kveldúlf Hagan Gundarsson, ed., Our Troth, vol. 1: History and Lore, 2nd ed. North Charleston, NC: Booksurge, 2006, ISBN 1-4196-3598-0, p. 470.
  10. ^ KveldulfR Hagan Gundarsson, Elves, Wights, and Trolls, Studies Towards the Practice of Germanic Heathenry vol. 1, New York: iUniverse, 2007, ISBN 0-595-42165-2, p. 18.
  11. ^ "Heimslýsing ok Helgifrœði" ch. 9; ed. Eiríkur Jónsson, Finnur Jónsson, Copenhagen: Kongelige Nordiske Oldskrift-Selskab, 1896, p. 167 at Google Books (Old Norse) [1]
  12. ^ de Vries, p. 261.
  13. ^ de Vries, p. 260, referring to Ulfljót's Law, at Google Books (Old Norse) [2]
  14. ^ 岡崎 1978, p 142.
  15. ^ a b Egil's Saga, Penguin Classics, 1976, ISBN 0-14-044321-5, p. 148.
  16. ^ a b ストレム,菅原訳 1982, pp. 207-208.
  17. ^ 山室 1977, pp. 233-234.
  18. ^ スノッリ, 谷口訳 2009, p. 61.(「オーラヴ・トリュッグヴァソンのサガ」第33章 ハラルド・ゴルムスソン)
  19. ^ tr. Lee M. Hollander, Austin: University of Texas Press, 1964, repr. 1999, ISBN 0-292-73061-6, pp. 173-74; ch. 33, "Frá Haraldi Gormssyni" at Netútgafn (in Icelandic) [3]. de Vries p. 260 refers only to the initial sight of landwights crowding the landscape; in the remainder of the passage the four guardians themselves are not called landvættir, and at the end they are stated to have been four named Icelanders.
  20. ^ スノッリ,谷口訳 2009, pp. 61-63.(「オーラヴ・トリュッグヴァソンのサガ」第33章 ハラルド・ゴルムスソン)
  21. ^ 国の象徴「国の紋章」” (日本語). アイスランド大使館. 2008年10月12日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2016年2月7日閲覧。 “盾の左側に雄牛、左上に肉食鳥、右上にドラゴン、右側巨人...この4守護神は...ヘイムスクリングラ...に記述されています。
  22. ^ フランクリン,井辻監訳 2004, p. 568.(「ランドアールヴァル」の項)


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