ランドヴェーッティルの性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/26 06:25 UTC 版)
「ランドヴェーッティル」の記事における「ランドヴェーッティルの性質」の解説
幾人かの学者達は、ランドヴェーッティルが自然の地下世界 (chthonic) にいる死者の魂であることを示唆した。しかし他の学者達は、彼らが一度も居住していなかった土地でも時々暮らしていたことから、ランドヴェーッティルを自然界の精霊だと解釈した。H. R. エリス・デイヴィッドソン(英語版)は、雄山羊のビョルン (Goat-Björn) のような話が、移民達がアイスランドに到着したときにランドヴェーッティルがすでにそこに居たことを暗示していると主張した。雄山羊のビョルンは、「岩に住む者 (bergbúi)」から協力を提供され、その後成功を収めた。千里眼をもつ人々は、すべての地霊が、ディング(民会)に向かうビョルンの後をついて行き、ビョルンの兄弟達が狩りや釣りをする時もその後をついて行くのを見た。滝や木々、岩石の中で暮らしている精霊からの助言を崇拝し受け入れている人々について、彼らは話した。 アサトル協会 (Ásatrúarfélagið) の元祭司長 (Allsherjargoði) であったJörmundur Ingi Hansen(アイスランド語版) は、ランドヴェーッティルとは「精霊で、彼らは、土地の安全と土地の豊穣、その他の事柄を、何らかの方法で制御している」と語った。彼によると、ランドヴェーッティルは「風景のある場所に、大きな岩石に、山に、または特に美しい場所に結びつき」、そしてその場所は「ほんの2、3ヤード離れた所」より美しいことによって気付くことができるという。 その土地ごとのランドヴェーッティルの信仰は、アイスランドではなおも息づいており、多くの農場にある岩石はきっちり山積みにすることはなく、子供たちがそれで遊ぶことも許されない。ケプラヴィークの軍用航空基地の建設が始まろうとしていた時、アイスランドの現場監督が夢を見た。夢の中で、女性が彼の前に現れ、自分達家族が退去する時間がほしいので巨石を移動するのを遅らせるように頼んだ。現場監督は、その後の夢で女性が彼を再訪し、ランドヴェーッティルの皆が退去した事を話すまで、アメリカ側から異議があったにもかかわらず2週間の間巨石の移動を見合わせた。 「bergbúi」、「ármaðr」、そして「spámaðr」といった他の単語が、精霊に対する聖句で時々使われる。しかし、特に「ランドヴェーッティル (landvættir)」へ捧げ物を持ってきている、キリスト教化以前のアイスランド人への1件の言及がある。『ハウクスボーク』のある章では、富裕な家庭に恵まれる生き物を願ってランドヴェーッティルに捧げるために岩やうろ穴に食物を供える「愚かな女性」を、キリスト教の司教が罵っている。
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