PC-6001mkII
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「PC-6000シリーズ」の記事における「PC-6001mkII」の解説
1983年7月1日に発売された、PC-6001の上位互換の後継機。メーカー希望小売価格は8万4800円。 この時代の8ビットのミドルレンジ機は何れも十数万という高価格帯にあり、折からのパソコンブームに乗ってかなりのヒット機種となった。 PC-6001に対し、キーボードが通常タイプのものに変更され、デザインも一転して硬質になった。 グラフィック機能も大幅に強化され、RGBディスプレイの接続により鮮明な表示が可能となった。専用ディスプレイ使用時は最大15色、PC-8000シリーズ用やPC-8800シリーズ用などの一般的なものでは最大8色。RGBディスプレイの接続はより高い精度の表示が可能になった反面、色信号のずれを利用した着色を行っていたソフトウェアは白黒表示となってしまい、“色が出ない”という問い合わせがユーザーから寄せられることになった。 ページ切り替えのシステムも継承され、最大4画面、うち1画面はテキスト専用。また、通常の英数字・カタカナ・ひらがなのキャラクタセットとは別に、絵文字のキャラクタセットが追加された。さらに、32KBの漢字ROM搭載により、当時の教育漢字996文字+教育漢字に含まれない都道府県名19文字+その他9文字(札、幌、盛、仙、甲、津、那、覇、啓)の1024種の漢字をグラフィックで表示できた。当時の日本語はカタカナが常識であり「ひらがな」がBASIC内でも表示されるのはかなり珍しい。ただし漢字はグラフィック画面にしか描画できず仮名文字とでフォントサイズが異なるため混在させると文字の大きさが一律にならなくなる難もある。 一方、テキスト画面とグラフィック画面の共存ができない難点もそのまま継承された。 また、特徴的な機能としてオプションだったμPD7752による音声合成が標準装備となり、BASICからTALKコマンドで日本語を発声させることが可能となった。 PC-6001のさまざまなハードウェア構成(拡張BASICの有無、拡張RAMの有無)と互換性を持たせるため、起動時にBASICのモード(1〜5)を選択する以下のようなメニューが表示された。 N60-BASIC (RAM 16K) N60-BASIC (RAM 32K) N60拡張BASIC (RAM 16K) N60拡張BASIC (RAM 32K) N60m-BASIC (RAM 64K) ページ数の指定と、最大(切替可能画面)枚数 (How many files?) はソフトウェア側からは指定できず、リセット、起動時に毎回2度の入力を要する面倒な仕様となってしまった。 実用用途のメインストリームはすでに同社のPC-8801mkII等に移ってしまっていたため、市場には主にホビー用途として迎えられた。 160×200ドット15色という画面モードは、解像度の低さの反面、画素数の少なさから必要な処理が軽減され、動きのあるソフトウェアが作られた。 一方、グラフィック画面で特に文字表示する場合において最低限の精度である320x200ドットのモードでは4色表示となりこの中精度画面モードでの色不足は表現上大きな難点であった。4色は8種類のカラーセットから選ぶ方式で自由に設定することはできない。 グラフィックチップが汎用のMC6847(英語版)からカスタムICに変更されたため、PC-6001用のソフトの中でN60-BASICでサポートしていない画面モードを使用しているのソフトは正常に動作しなくなっている(アスキーのAXシリーズなど)。その他にSCREEN1のカラーセットが変更されていることによる発色の差異も存在する。 テレビや雑誌の広告、パンフレットなどで、タレントの武田鉄矢をイメージキャラクターとして起用した。
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