PC-8800シリーズ用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 07:24 UTC 版)
「N88-BASIC」の記事における「PC-8800シリーズ用」の解説
N88-BASICは、1981年(昭和56年)に発表されたPC-8801に初めて搭載されたスタンドアロンBASICで、PC-8001に搭載されていたN-BASICの機能を大幅に拡張して作られた。一般的にはM-BASIC 4.5として知られているマイクロソフトのLevel-3 BASICインタプリタが基本設計(ベース)となっている。 N-BASICと完全互換ではないがある程度の上位互換性を持ち、PC-8001で作られたプログラムを実行させることも出来た。N-DISK BASICとファイルフォーマットにも互換性があるが、BASICの中間コードは異なるので、プログラムを交換する際にはアスキー形式で保存する必要があった。 N88-BASICには、PC-8800シリーズの機能拡張に合わせて、V1、V2のメジャーバージョンがある。V1は、V2の出現時に遡って付けられた呼称(レトロニム)であり、もともとは「無印」であった。V2はPC-8801mkIISRから新規に搭載されたものである。アナログRGB採用によって表示色が大幅に増えた他、FM音源などの新機能も扱えるようになった。V1に対しほぼ完全な上位互換性を保っているが、ハードウェアの初期状態の違いにより、V1用のプログラムをV2で実行するとグラフィックの色が変わるなどの不都合が生じることがあった。 「タートルグラフィックス命令」も用意され、拡張モジュールをロードすると、LOGOを簡略化したような文法でグラフィックスを描画させる命令などが追加された。しかし、対応したソフトウェアが少ないもしくは利用頻度が低かったことなどから、PC-8801MH/FH以降の機種には搭載(バンドル)されなくなった。 V1およびV2対応の日本語拡張として、NECからN88-漢字BASICとN88-日本語BASICが、システムソフトから8801漢字BASICと新8801漢字BASICが発売された。それぞれの間では2バイト文字の内部表現形式が異なっており、変換にはコンバータを必要とした。これらはいずれも命令は通常のBASICコマンドで、日本語を文字列として扱えるようにしたものである。なお、N88-日本語BASICはPC-8801mkIIFR/MR以降の機種に標準添付されたが、PC-8800シリーズのCRTコントローラはテキストVRAM上の2バイト文字に対応しておらず、従ってグラフィックVRAMにビットマップグラフィックとして文字を描画することになるため、動作が遅くプログラムを組む上ではあまり使われなかった。
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