IPCCによる評価結果
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「地球温暖化の影響」の記事における「IPCCによる評価結果」の解説
(詳細はIPCC第4次評価報告書#第二作業部会報告書:影響・適応・脆弱性を参照) 2007年4月に第二作業部会(WG II)による報告書 "Impacts, Adaptation and Vulnerability"(影響・適応・脆弱性)が発行された。この報告書は気候変化による自然および人類の環境への影響、およびそれらの適応性と脆弱性に関する現時点での科学的知見がまとめられている。報告書には下記のような内容が含まれる。 現在起こっている影響: 既に自然環境は気候変化による影響、特に気温の上昇による影響を受けている。氷河や永久凍土の減少、湖沼や川の水温上昇、生態系の変化、海水の酸性化など。 人為的な温暖化の影響が既に物理的・生物学的に表れている可能性が高い。 将来予測される影響: 水資源の大幅な増減、雪解け水の減少 陸域の生態系による炭素の吸収量は今世紀半ばに飽和し、その後は減少する可能性が高い。現状以上の水準の排出が続いた場合、排出に転じる可能性すらある。これは気候変化を加速する。 1.5 - 2.5℃の平均気温上昇により、約20 - 30%の種の動植物が絶滅の危機に瀕する。 1.5 - 2.5℃を超える上昇幅では、生態系の構造や機能に大きな変化が予測される。これにより、水や食料の供給などにも悪影響が予測される。 海洋の酸性化の進行により、珊瑚や貝類、さらにそれらに依存する種に悪影響が予測される。 食料、繊維、森林資源、海岸地域や低地、工業、居住、社会、健康への悪影響 1 - 4℃の平均気温上昇により、数世紀または数千年の間に4 - 6mまたはそれ以上の海面上昇がおこる(中程度の信頼性)。グリーンランドや西南極氷床が完全に融解した場合、それぞれ7mおよび5mの海面上昇を起こす。なお今世紀中の海面上昇幅については限られた条件下での値(18-59cm)のみが記されているが、AR4以後の研究で1~2m以上になる可能性が指摘されている。海面上昇を参照のこと。 炭素1トン当たりの社会的コスト(social cost of carbon:SCC)は10 - 350ドル(平均12ドル/トン)と推定されている。 気候変化による被害は重大なものになり、時間と共に増大する可能性が高い。 2 - 3℃を超える平均気温の上昇により、全ての地域で利益が減少またはコストが増大する可能性がかなり高い。 現状よりも大規模な対処が必要である。広範な対応手段が存在する。
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IPCCによる評価結果
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「地球温暖化」の記事における「IPCCによる評価結果」の解説
「IPCC第4次評価報告書」を参照 IPCC第一作業部会(WG I)による報告書 "The Physical Science Basis"(自然科学的根拠、AR4 WG I)が発行された。 この報告書は気候システムおよび気候変化について評価を行っている。多くの観測事実とシミュレーション結果に基づき、人間による化石燃料の使用が地球温暖化の主因と考えられ、自然要因だけでは説明がつかないことを指摘している。 二酸化炭素の増加は、主に人間による化石燃料の使用が原因である。 二酸化炭素は、人為起源の温室効果ガスの中で、最も影響が大きい。この他、メタン、一酸化二窒素、ハロカーボン類なども影響したと考えられる。 1750年以降の人間による活動が、地球温暖化の効果(正の放射強制力)をもたらしている。 20世紀半ばから見られている平均気温の上昇は、人為的な温室効果ガスの増加によるものである可能性がかなり高い。 それぞれの原因が気候に与える影響に関しては、科学的な理解水準が異なる。温室効果ガスに対する科学的理解度は比較的高いが、雲や太陽放射変化などの気候因子は理解水準がまだ比較的低い。専門家の間で意見が分かれる事柄もあり、報告書にも「意見の一致度」として評価結果が記載されている。
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IPCCによる評価結果
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「地球温暖化の原因」の記事における「IPCCによる評価結果」の解説
(これはIPCC第4次評価報告書からの抜粋である。) IPCC 第一作業部会(WG I)による報告書"The Physical Science Basis"(自然科学的根拠, AR4 WG I)が発行された。この報告書は気候システムおよび気候変化について評価を行っている。多くの観測事実とシミュレーション結果に基づき、人間による化石燃料の使用が地球温暖化の主因と考えられ、自然要因だけでは説明がつかないことを指摘している。
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