IPCの計算
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/13 06:57 UTC 版)
「サイクルあたりの命令実行数」の記事における「IPCの計算」の解説
IPCの計算手順は次のとおりである。まず、一つのコードセットを実行し、それを完了するのに必要なマシンレベルの命令数を計算する。次に、高精度タイマーを用いて実際のハードウェアにおいて先述のコードセットを完了するのに必要なクロックサイクル数を計算する。最後に、命令数をCPUのクロックサイクル数で割ることによってIPCが得られる。 プロセッサの秒間命令数(IPS)や秒間浮動小数点演算数(FLOPS)は、IPCにそのプロセッサのクロックレート(英語版)(秒あたりのサイクル数。単位はヘルツ)を乗じることで求められる。IPSはプロセッサの性能の大まかな指標である。 プロセッサによってはサイクルあたりの命令実行数は一定ではなく、実行される特定のソフトウェアとプロセッサとの相互作用や、マシン全体、特に記憶階層に依存することもある。また、複数の算術論理演算装置(ALU。基本的な数値演算や論理演算ができるプロセッサのサブシステム)や短いパイプラインなどの特徴を持ち、IPCが平均より高くなるプロセッサも存在する。異なる命令セット同士を比較すると、同じチップ技術が使用されている場合、複雑な命令セットよりも単純な命令セットの方がIPCが高くなりやすい。しかしながら、複雑な命令セットの方が少ない命令数でより有益な動作をすることができる。このように、異なる命令セット同士(例えばx86とARM)でIPCを比較しても、通常は意味がない。
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