PSR B1919+21
(CP 1919 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/16 01:52 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動PSR B1919+21 | ||
---|---|---|
仮符号・別名 | CP 1919、LGM-1 | |
星座 | こぎつね座 | |
天文学上の意義 | ||
意義 | 初めて発見されたパルサー | |
位置 元期:J2000.0 |
||
赤経 (RA, α) | 19h 21m 44.815s[1] | |
赤緯 (Dec, δ) | +21° 53′ 02.25″[1] | |
距離 | 2283.12 光年 (700 パーセク) |
|
物理的性質 | ||
半径 | ~9.744 km (~1.4×10-5 R☉) |
|
質量 | ~1.4 M☉ | |
平均密度 | 7億1860万 t/cm3 | |
表面重力 | 1.993×1011 G | |
脱出速度 | 195310.945 km/s (0.6515 c) |
|
自転速度 | 45.78 km/s | |
自転周期 | 1.337301192269(6) 秒 | |
スペクトル分類 | 中性子星 | |
光度 | 0.006 L☉ | |
年齢 | 1600 万年 | |
発見 | ||
発見年 | 1967年7月 | |
発見者 | アントニー・ヒューイッシュ ジョスリン・ベル・バーネル |
|
発見方法 | 電波望遠鏡の観測データから | |
他のカタログでの名称 | ||
PSR J1921+2153、 PSR 1921+2153、 PSR 1919+21、 CP 1919、 CP1919、 CP 1919+21、 PULS CP 1919+21、 PULS CP 1919、 WSTB 12W15、 LGM-1 |
||
■Template (■ノート ■解説) ■Project |
PSR B1919+21(CP 1919)は、地球から約2300光年離れたこぎつね座の方向にある中性子星。初めて発見されたパルサーである。
概要
PSR B1919+21は、約1.337秒で自転する中性子星で、0.04秒のパルス幅を持つ。名前の元期はB1950.0に基づいているので、現在の命名に使われる元期J2000.0での名前は「PSR J1921+2153」となる。質量は太陽の1.4倍であるが、直径は10万分の1程度しかないと考えられているため、密度は1cm3あたり7億トンを超える。年齢は1600万年と考えられている。表面重力は地球の2000億倍もあり、脱出速度は光速の2/3に達する。
自転周期は正確には1.337301192269±6×10−12秒であり、100億分の1秒まで正確な自転周期で回転している。この正確さから、後述する通り発見当初は地球外文明からの信号ではないかと考えられた。
歴史
PSR B1919+21は、1967年にアントニー・ヒューイッシュとジョスリン・ベル・バーネルによって発見された。彼らは、ケンブリッジ大学の敷地内にある口径がテニスコート57面分の巨大な電波望遠鏡(出力81.5 MHz)から、クエーサーの電波信号を探していた。そのとき、数秒おきに1回の割合で電波を発する非常に規則的な信号をこぎつね座の方向に発見した。観測の結果、この信号の強度の変動周期は太陽日(24時間0分)ではなく恒星日(23時間56分)だったので、信号の発信源は地球上ではないことが明らかになった。長さが121.8mのグラフ用紙の、たった約2.5cmしか占めていないこの信号は[2]、きっかり1.3373011922秒ごとに発せられていて、100億分の1秒まで一致するあまりにも規則的すぎた周期であることから、地球外文明からの信号ではないかと考えられ、LGM-1(LGM=リトル・グリーン・メン=緑の小人。当時の宇宙人のステレオタイプ的描写)と名づけられた。しかしその後、これは中性子星の中で、磁場の磁極と自転軸が一致しない物が、極めて正確な周期で地球を向くことにより、極めて正確なパルスを刻むという事が予測され、LGM-1は「赤経19h19m(元期B1950.0)付近のケンブリッジ・パルサー」という意味のCP 1919、このような天体をパルサーと名づけた。アントニー・ヒューイッシュは、後にこの発見がきっかけで1974年のノーベル物理学賞を受賞した。
その他
イギリスのロックバンド、ジョイ・ディヴィジョンは、デビューアルバム「アンノウン・プレジャーズ」の表紙にPSR B1919+21のパルスの画像を使用した。
関連項目
出典
参考文献
- Hewish, Antony; Bell, S. J.; Pilkington, J. D. H.; Scott, P. F.; Collins, R. A. (24 February 1968). “Observation of a Rapidly Pulsating Radio Source” (PDF). Nature 217 (5130): 709–713. Bibcode: 1968Natur.217..709H. doi:10.1038/217709a0 2012年4月20日閲覧。.
- The Optical Gravitational Lensing Experiment. Additional Planetary and Low-Luminosity Object Transits from the OGLE 2001 and 2002 Observational Campaigns, A. Udalski, G. Pietrzynski, M. Szymanski, M. Kubiak, K. Zebrun, I. Soszynski, O. Szewczyk, and L. Wyrzykowski, Acta Astronomica 53 (June 2003), pp. 133–149.
- Arzoumanian, Z.; Nice, D. J.; Taylor, J. H.; Thorsett, S. E. (1994). “Timing behavior of 96 radio pulsars”. Astrophysical Journal 422 (2): 671. Bibcode: 1994ApJ...422..671A. doi:10.1086/173760.
- “The ATNF Pulsar Catalogue”. 2012年4月20日閲覧。
- K3PGP.Experimenter's.Corner
- VLA 8.4 GHz Survey Results
外部リンク
|
「CP 1919」の例文・使い方・用例・文例
- 日本の消費者物価指数(CPI)は毎月統計局より発表される。
- CPAが検討や意思決定のためにクライアントに調査結果や結論や推薦を開発するコンサルティングサービス
- CPAが他の誰かの責任である文書での声明文に対する信頼性について結論を表すコンサルティングサービス
- CPUとメモリがコンピュータの中心部を形成し、これに周辺装置が付いている
- データの通信や交換を容易にするためにTCP/IPネットワークプロトコルを用いた、世界的に広がったネットワークから成るコンピュータネットワーク
- メモリとCPUは、周辺機器が付けられるコンピュータの中心部を形成する
- ケーブルでコンピュータのCPUに接続している電子機器
- CPUチップにハードコードされた多数の命令を持つコンピュータ・アーキテクチャーの一種
- CPUの主要なレジスタの内容のダンプ
- 1台のネットワーク装置から別の装置にデータを送信するために1970年代にインターネット用に開発された(TCPを含む)プロトコル
- 会計と会計検査に加え、CPAも個人と会社のために所得申告を準備する
- 専門家の会計士またはCPAによる会計手順と記録の検査
- コンピュータのCPUの実行速度を測るための単位(しかし全体のシステムでない)
- 統治評議会は,暫(ざん)定(てい)行政当局(CPA)によって選ばれた25人のメンバーで構成されている。
- 評議会は人事や予算に関して一定の権限を持つが,CPAがいまだに最終決定権を持つ。
- 6月28日,イラクの主権が連合国暫(ざん)定(てい)当局(CPA)からイラク暫定政府へ移譲された。
- バグダッドで行われた式典で,CPAのL・ポール・ブレマー元文民行政官が,イラクのイヤド・アラウィ首相に主権を移譲した。
- 第 3 インターナショナル (1919‐43).
- 1919年に三冠を勝ち取ったサラブレッド
- ホーエンツォレルン家の君主がドイツを統治(1871年から1919年まで)していた時のドイツ帝国
- CP 1919のページへのリンク