2020年総統選挙
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総統選前の民調(世論調査)では初期こそ蔡英文を上回っていたが、7月の香港情勢を機に逆転し、最後まで差が拡大し続けた。 候補者届出の11月になると市政での実績や自身の過去に様々な報道が相次いだ。 「高雄発大財(高雄大繁盛)」をスローガンに市長当選を果たし、農水産物の海外売り込みに熱心だったが、年初に海外(中国、香港、マカオ、マレーシア、シンガポール)と締結した覚書の執行率(売上高)は10月時点でも5.9%に過ぎなかった。また前職の台北農会時代も中国と交わした農産物828トンの売買覚書の執行率は11%の87トンにすぎず、むしろ中国産食品の輸入が284トンと輸入超過となっており、「中国発大財」と指摘される有様だった。 南港区に7,200万台湾ドルの豪宅(高級マンション)を所有していると11月6日発売の壹週刊が報じると、2014年に購入した豪宅が韓本人の失業期間中(北農役員に就任前)に購入されたことや、デベロッパーによる20%の値引きがなされていたことが問題視された。この物件は行政院農業委員会系の公企業台湾肥料公司(中国語版)(台肥)のもので、割引を認めた台肥にはいずれも国民党の元立法委員鍾栄吉(中国語版)と李復興(中国語版)が重役として在籍していたため、便宜を図ったのではないかとの疑惑が喧伝されるようになった。他にも南港区や内湖区で複数の豪宅売買で多額の転売益を得ていることが暴露され、標榜していた「庶民総統」と異なる実態が明らかとなった。記録によると、家族名義も含めて台北に4件、雲林に2件、カナダに1件の不動産を所有していることが判明している。 夫人と義父は1998年時点で地元雲林県の濁水渓河川敷で採石業を営んでいたが、土地の使用や採石についての許可取得絡んで管轄する水利局への圧力があった疑惑を時代力量の黄国昌が暴露した。その後の黄国昌による更なる暴露によって、当時立法委員だった夫である韓の関与が取り沙汰され、韓は1998年は夫人と知り合う前で自分は無関係だと釈明したが、長女の出生は1996年であることから答弁が矛盾しているのではないかと疑念を呼ぶことになった。 また市長選時の外国人からの献金が報告書に記載されていないことで追及を受けた。 日本アニメ「僕のヒーローアカデミア」の現地表記「我的英雄學院」の字面「我英」が「我愛蔡英文」を想起させるとして、同作品の視聴自粛も呼び掛けるなど韓の支持者がの動揺もみられたが、むしろ逆転勝利するという党内民調をもとに韓は強気の姿勢を崩していなかった。 投票本番では前回の朱立倫の得票数から200万票を上積みしたものの、同様に前回得票の689万票からさらに120万票を上積みした蔡には及ばず265万票差をつけられて敗れた。 前回市長選を15万票差で勝利した地元高雄市では前日まで決起集会を開くなどしたが、山間部原住民地区の3行政区を除いては市長選の票田だった鳳山区をはじめ得票率を落とし、六都で最大となる約50万票の得票差(蔡109万、韓61万)が生じた。定数8の立法委員選挙(小選挙区制)でも民進党が全区を獲得した。全国規模で投票率が上がったが行政区分別での投票率上位10傑はすべて南部で、うち7ヶ所を高雄市の行政区が占め橋頭区では80.55%を記録した。北部でも台北で50万人いるとされる柯文哲支持者は蔡英文に投票したとみられ、韓の地元で国民党の侯友宜が市長となった新北市でも蔡英文が前回より20万票上積みした、両市での得票差も約50万票となった。
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