駅・信号所・操車所名(地名など)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 13:54 UTC 版)
「電報略号 (鉄道)」の記事における「駅・信号所・操車所名(地名など)」の解説
信号場や貨物駅を含む一つ一つの駅の名称について略号が定められている。通常はカタカナ2文字(45×45=2,025通り)で構成され、例えば東京駅ならトウ、名古屋駅ならナコという具合である。基本的には同一路線での重複は避け、とくに同一の(ないし隣接する)支社(国鉄時代は鉄道管理局)の管内では重複しないようにしている。支社(管理局)が離れていれば重複も許容しており、必要な場合は支社(管理局)の略号を頭に組み合わせる。 ただし、国鉄時代は異なる鉄道管理局の管内であったが、現在は同一の支社の管内となった場合などに略号が重複している場合がある。 重複回避の例には 新前橋駅(シマ)と新町駅(マチ)の組み合わせ(いずれも旧高崎鉄道管理局→JR東日本高崎支社管内) など 同一略号の例には 岡山駅と岡崎駅と岡本駅の略号(いずれもオカ) 山形駅と神田駅と堅田駅と海田市駅の略号(いずれもカタ) 盛岡駅と守山駅と森ノ宮駅と森駅と尾張森岡駅の略号(いずれもモリ) 熊川駅と熊本駅と熊谷駅と熊取駅の略号(いずれもクマ) 新宿駅と新宮駅と新倉敷駅とさくら夙川駅の略号(いずれもシク) 名古屋駅と那古船形駅と奈古駅の略号(いずれもナコ) 小山駅と山口駅と肥前山口駅の略号(いずれもヤマ) 電報略号ヒメは姫路駅と姫川駅(新潟県、北海道両方)、黒姫駅、姫駅および紀伊姫駅と6駅もあるほか、略号トウについても東京駅、御堂駅、当麻駅、十島駅、後藤駅および東郷駅と、こちらも6駅存在する。 電報略号ミフは南福岡駅、南由布駅、上二田駅、南福島駅、南古谷駅、南船橋駅、身延駅、南福井駅および南下徳富駅と9駅も存在する。 他にも、同一路線の例では、 東海道本線の、島田駅(JR東海静岡支社)と島本駅(JR西日本近畿統括本部)の略号(いずれもシマ) 山陽本線の、塩屋駅(JR西日本近畿統括本部)と新山口駅(広島支社)の略号(いずれもシヤ) 山陽本線の、朝霧駅(JR西日本近畿統括本部)と厚狭駅(広島支社)の略号(いずれもアサ) 山陽本線の、明石駅(JR西日本近畿統括本部)と備後赤坂駅(岡山支社)の略号(いずれもアカ) 山陽本線の、西明石駅(JR西日本近畿統括本部)と西阿知駅(岡山支社)の略号(いずれもニア) 山陽本線の、三石駅(JR西日本岡山支社)と南岩国駅(広島支社)の略号(いずれもミイ) 鹿児島本線の、原田駅(JR九州本社鉄道事業本部)と田原坂駅(熊本支社)の略号(いずれもハル) 同一支社の例には 赤岩駅(旧仙台鉄道管理局管内)と赤井駅(旧水戸鉄道管理局管内)の略号(いずれもアイ、JR東日本仙台支社管内) 歌津駅(旧仙台鉄道管理局管内)と羽前高松駅(旧秋田鉄道管理局管内)の略号(いずれもウタ、JR東日本仙台支社管内) 郷戸駅(旧仙台鉄道管理局管内)と羽前千歳駅(旧秋田鉄道管理局管内)の略号(いずれもウト、JR東日本仙台支社管内) 笈川駅(旧仙台鉄道管理局管内)と大石田駅(旧秋田鉄道管理局管内)の略号(いずれもオイ、JR東日本仙台支社管内) 大滝駅(旧秋田鉄道管理局管内)と逢隈駅(旧水戸鉄道管理局管内)の略号(いずれもオオ、JR東日本仙台支社管内) 喜多方駅(旧仙台鉄道管理局管内)と北大石田駅(旧秋田鉄道管理局管内)の略号(いずれもキタ、JR東日本仙台支社管内) 大津駅と大津京駅の略号(いずれもオツ、JR西日本近畿統括本部管内) 備前三門駅(旧岡山鉄道管理局管内)と美作加茂駅(旧米子鉄道管理局管内)の略号(いずれもミカ、JR西日本岡山支社管内) 琴芝駅(旧広島鉄道管理局管内)と越ケ浜駅(旧米子鉄道管理局管内)の略号(いずれもコシ、JR西日本広島支社管内) 上下駅(旧岡山鉄道管理局管内)と重安駅(旧広島鉄道管理局管内)の略号(いずれもシケ、JR西日本広島支社管内。寺家駅(じけ)はチケ) 中畑駅(旧岡山鉄道管理局管内)と中島駅(旧広島鉄道管理局管内)の略号(いずれもナカ、JR西日本広島支社管内) 平子駅(旧岡山鉄道管理局管内)と船平山駅(旧広島鉄道管理局管内)の略号(いずれもヒラ、JR西日本広島支社管内) 下山門駅と新鳥栖駅の略号(いずれもシト、JR九州本社鉄道事業本部管内) 他にも、同一支社・同一路線の例では、 播但線の、仁豊野駅(旧大阪鉄道管理局→旧福知山鉄道管理局管内)と新野駅(旧福知山鉄道管理局管内)の略号(いずれもニノ、JR西日本福知山支社管内) 芸備線の、山ノ内駅(旧岡山鉄道管理局管内)と安芸矢口駅(旧広島鉄道管理局管内)の略号(いずれもヤチ、JR西日本広島支社管内) などが挙げられる。 電報による伝達の運用が廃止され、国鉄からJRに民営化された現在でも、新たに開業した駅には必ず電略が割り当てられている。近年では、2019年(平成31/令和元年)に開業した梅小路京都西駅にシヨ、糸島高校前駅にイウ、Jヴィレッジ駅にイツ、羽沢横浜国大駅にワヨ[要出典]、2020年(令和2年)に開業した高輪ゲートウェイ駅にタケ、御厨駅にミク、南伊予駅にミイの略号が割り当てられるなどした。 略号の命名法には、幾つか決まりごとがある。 3文字以上の名称の場合、必ずしも1文字目と2文字目を使う必要はない。例:大阪駅・大崎駅→オサ 文字の順序を変えることができる。例: 戸田駅→タト、田町駅→チタ 濁点、半濁点は原則として使用しない。戦後間もなくまでは濁点の使用例があったが、廃止された。例:十条駅(じゅうじょう)→シウ(しゅうじょう) 小文字は大文字(通常の大きさの文字)にして使用する。例: 日暮里駅(にっぽり)→ニツ(につぽり) 旧仮名遣いも使える。原則と異なる許容仮名遣いを使用する場合もある。太平洋戦争後間もなくまでは、「ヰ」「ヱ」「ヲ」も使用したが、廃止された。例:川越駅→ハエ(かはごえ)、高円寺駅→カエ(かうゑんじ。旧表記はカヱ)、浜松町駅→ハテ(はままつてふ。ただし、町の旧仮名遣いはチヤウ) 駅名に含まれる文字だけでは重複を避けられない場合、それ以外の文字を使うことがある。例:三鷹駅→ミツ(みつたか駅と読ませた)、可児駅→カコ(かこ駅と読ませた。カニは蟹江駅)、広駅→クヒ(「呉線の広」から。ヒロは広島駅) 本来の読みと異なる漢字の音または訓を使用する場合がある。例:釜戸駅(かまど)→フコ、金町駅(かなまち)→キン 信号場(シ)・操車場(ソ)・貨物駅なども混ぜて使用できる。例:武蔵野操車場→ムソ(むさしのそうしゃ)、八戸貨物駅→ハモ(はちのへかもつ) 駅名の変更や、信号場・操車場機能の変更がなされても、略号は変更されない場合がある。例:摩周駅→テカ(旧弟子屈駅)、香芝駅→シモ(旧下田駅)、福工大前駅→クウ(旧筑前新宮駅)、新鶴見信号場→ツソ(旧新鶴見操車場) 車両基地と最寄り駅で、別の略号を使用するときがある。例:多度津駅→タト・多度津工場→トツ、新山口駅→シヤ・下関総合車両所運用検修センター新山口支所→クチ 上記のどの条件でも重複が避けられない時は、例外的に3文字で表記する場合もある。例:宮原操車場→ミハソ(みやはらそうしゃ)、東加古川駅→ヒカコ(ひがしかこがわ) 仮名1文字のJR東海紀勢本線の津駅については、ツツと繰り返すことによって対応している。「ツツ」はJR東日本の稲田堤駅、JR西日本の通津駅と重複しており、現在はえちごトキめき鉄道へ経営移管された筒石駅も「ツツ」である。なお、近鉄名古屋線の津駅に関しては、「ツ」の仮名1文字が略号となっている。
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