非行事例・粗暴な行為
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北村友一 2013年11月2日の京都競馬第2競走終了後、検量裁決室内で机を投げ倒す粗暴な行為を行ったため、これに対して7日間(開催日2日間)の騎乗停止が科された。北村はこの直前、当該競走における進路妨害によって騎乗停止の制裁を受けており、その期間(9日間、ただし開催日4日間)に加重する形となっている。 なお、暴力行為による騎乗停止は、1999年に吉田豊を木刀などで殴打した後藤浩輝に対して科されたものをはじめ、過去に複数の事例があるが、人的被害が与えられなかった物損行為に対して騎乗停止が科されるのは初めてのことである。 山崎亮誠 同騎手は2014年2月27日付で、「日本中央競馬会競馬施行規定第147条・第20号 競馬の公正確保についての業務上の注意義務を負う者としてふさわしくない非行のあった者」の違反行為に抵触した(詳細は公表されておらず不明)として、裁定委員会の議定があるまでの間、騎乗停止とする処分を行った。 なお後日、山崎から騎手免許の取り消し申請が行われ、2014年3月19日付で騎手免許が取り消された。 御神本訓史(特別区競馬組合) 本来は情報の外部漏洩を防ぐため、入室許可を得ていない部外者を騎手調整室に無断入室させることを禁じているが、同騎手は2013年2月から2014年11月にかけての合計14回にわたり、部外者を「施術師である」と虚偽申請して入室(事実上無断入室)させたとして、3月2日から4月10日の40日間(開催期間30日)の騎乗停止の処分とした。 同騎手は2015年5月31日をもって失効する南関東地区の騎手免許更新のための試験を受験し、不合格となった。これは筆記・面談の審査に加え、これまでの業績などを考慮したうえで地方競馬全国協会の関係者と第三者機関による免許試験委員会の審査により交付を決定するものであり、御神本は2017年4月発効の騎手免許(新規)試験に合格し、同年4月1日付で騎手免許が交付されるまでの約2年間を厩務員として過ごした。 木幡育也 同騎手は2017年12月14日付で、「日本中央競馬会競馬施行規定第147条・第20号 競馬の公正確保についての業務上の注意義務を負う者としてふさわしくない非行のあった者」の違反行為に抵触した(詳細は公表されておらず不明)として、裁定委員会の議定があるまでの間、騎乗停止処分となり、翌2018年1月4日の裁定委員会の議定で、2017年12月14日から2018年3月13日まで3か月の騎乗停止処分となった。 瀧川寿希也(神奈川県川崎競馬組合) 同騎手は自身のSNSアカウントにおいて、他の職業を差別する発言、事実や法令を無視した発言等を繰り返し「競馬の信用を失墜させた」として、2019年5月13日から16日まで4日間の騎乗停止処分を科された。また、以前にもSNSにおいて不適切な投稿を繰り返したとして、同年4月1、2日においても騎乗停止処分が科されていたが「レース外の事例のため、4月の処分については公表すべき案件ではない」と組合は処分を公表していなかった。なお、瀧川は同年3月28日の浦和競馬を最後に騎乗しておらず、同年8月16日付で騎手免許を返上し、引退した。 見越彬央、福原杏(埼玉県浦和競馬組合) 両騎手は競馬予想ファンが交流するSNS上の「オンラインサロン」のオフ会にゲストとして参加し、会員負担で飲食などの提供を受けたことが、競馬の公正を害する恐れのある者との交際、礼儀の範囲を超えた接待を禁じた埼玉県浦和競馬組合の地方競馬実施条例に基づく管理者指示事項に違反したため、2021年3月8日より19日まで実効10日間の騎乗停止処分を科された。 佐原秀泰、山崎雅由(高知県競馬組合) 両騎手は2021年3月17日に攻め馬の際に厩舎において他の騎手に対し暴力行為を行い、被害騎手が負傷し騎乗変更となったことで競馬の公正を害したことで、佐原は同年3月23日から4月24日まで実効10日間の、山崎は3月28日から30日まで実効2日間の騎乗停止処分を科された。 岩田康誠 同騎手は2021年4月24日の阪神競馬第6競走の馬場入場後、返し馬の際に他馬騎乗の藤懸貴志に対して馬でラチ沿いまで幅寄せしうえ、暴言を吐くなど粗暴な行為を行ったため、日本中央競馬会競馬施行規程第147条第20項(競馬の公正確保について業務上の注意義務を負う者としてふさわしくない非行のあった者)により、開催翌日の同月25日から5月8日まで開催日4日間の騎乗停止処分を科された。同騎手は第2競走で採決室での藤懸の対応に不満を抱いており、そのことが原因で当該行為に及んだという。 水野翔(岐阜県地方競馬組合) 同騎手は2021年3月に、かつて他競馬場所属で現在は予想行為を行っている元騎手がSNSにおいて実施した懸賞に応募し、当選したことで現金10万円を収受していたことが同年5月に判明。岐阜県地方競馬組合の地方競馬実施条例に基づく管理者指示事項に違反したため、2021年5月25日から15日間の騎乗停止処分を科された。なお、水野は2021年8月の騎手免許更新を行わず、引退となった。 赤津和希(埼玉県浦和競馬組合) 新型コロナウイルス感染拡大の最中、主催者から忘年会開催の自粛が要請されていた2021年12月11日、さいたま市内のスナックで開催された忘年会に参加し、同席した厩務員1名が、上半身裸になり身体に手指消毒用アルコールジェルを塗った別の同席者1名に、ふざけてライターの火を近づけたところ引火し、同席者は火傷を負って救急搬送され、厩務員は逮捕された(後に不起訴)。このことに関し同組合は2022年2月21日、一連の不祥事が競馬の信用を失墜する行為に当たるものとして、参加関係者に対し職分や関与の度合いに応じた処分が行われ、同騎手は開催日4日間の騎乗停止処分を受けた。また、同様に参加していた騎手の見越彬央には戒告処分が下されている。
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