雑誌の編集長にとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 雑誌の編集長にの意味・解説 

雑誌の編集長に

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 03:48 UTC 版)

小林信彦」の記事における「雑誌の編集長に」の解説

1958年秋、失業保険が切れる直前に、投稿していた「雑誌改善案」で実力見込まれ宝石社の顧問として採用された。月俸当時としても格安5000円1959年1月6月創刊予定だったミステリ雑誌ヒッチコックマガジン』の編集長に、江戸川乱歩後押し抜擢された。これは、宝石社の顧問だった田中潤司宇野利泰長谷川修二たちが就任拒んだために小林のもとに回ってきた仕事で、「3号まで赤字ならクビ」という条件始まったが、実際に13冊目でやっと黒字転じたのである。このときの月俸は、当時一般会社員初任給満たない1万円(金額は「地獄読書録」巻末田中潤司との対談内での発言による)。当時宝石社には戦前の『新青年』のバックナンバーが全冊揃っていたため、この雑誌耽読して大きな影響受けた同年2月号に『宝石』に商業雑誌デビュー作となる短編消えた動機」を発表し、これは日本テレビの「夜のプリズム」というサスペンスドラマ化された。 同誌の編集長としては、最初期星新一筒井康隆活動サポートした功績大きい。また海外ショート・ショート積極的に紹介、また純文学畑の作家である山川方夫らに、ショート・ショート依頼するなどし、そのスタイル日本に根づかせた。一方でヒッチコックマガジン』は、大藪春彦協力仰いだ増刊号ガン特集』が好評を得るなど小林趣味とは違う方向進み、「若者のライフスタイル・マガジン」の様相帯びた。その「洗練されたライフスタイル・マガジン」としての面は、後に木滑良久らが、平凡出版(のちのマガジンハウス)で『平凡パンチ』、『an・an』、『POPEYE』等の雑誌創刊するにあたって大きな影響与えた。なお、1962年太平洋ヨット単独横断した堀江謙一は、ヨットの上航空雑誌と『ヒッチコックマガジン』を読んでいたという。 薄給を補う目的雑誌宣伝兼ねてテレビラジオにたびたび出演したところ人気得てマルチタレント走りとして当時マスコミの寵児となった1962年3月には、青島幸男永六輔前田武彦の3人とともに多角経営派」の名のもと、『サンデー毎日』から記事にされたことがある(「俺たちゃ"職業不定族"」)。 1963年1月萩原津年武大坪直行折り合い悪かった者たちの策謀宝石社を解雇された(表向き自主退職。なお、当時早川書房編集者だった常盤新平小林解雇同情する様子をみせながら、裏で『ヒッチコックマガジン』の次代編集長への打診受けていたとされ、小林恨みを買うことになる)。この時の苦い体験は〈信じていた者に裏切られるテーマとして、以後たびたび小林作品のモチーフとなった。「疎開経験」「実家土地騙し取られ体験」に加えてこの際体験が「容易に他人信用しない性格にさらに拍車をかけたと思われる。ただし、大坪直行後年「僕も悪者にされちゃっているけど、本人相談もしない辞めさせるのは僕は反対だった中原さんは才人でしたよ。教わることも多かった」と回想している。 『ヒッチコックマガジン時代体験は、小説虚栄の市』『夢の砦』に描かれている。ただし、『夢の砦』では時代1959年から1962年にかえ、主人公から「作家要素」を取り除いている。また、『夢の砦』は夏目漱石の『坊っちゃん』の1960年代版だとも語っている。

※この「雑誌の編集長に」の解説は、「小林信彦」の解説の一部です。
「雑誌の編集長に」を含む「小林信彦」の記事については、「小林信彦」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「雑誌の編集長に」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「雑誌の編集長に」の関連用語

雑誌の編集長にのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



雑誌の編集長にのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの小林信彦 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS