作品のモチーフ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 06:59 UTC 版)
時代設定は昭和30年代初頭(カレンダーは1952年及び1958年の日付)とされているが、宮崎は「テレビのなかった時代」と述べており、特定の年代を念頭に置いて演出したわけではない。後に宮崎は、1953年を想定して作られたとも述べている。 宮崎は、トトロと主人公たちが住んでいる緑豊かな集落のイメージの由来について、かつて在籍した日本アニメーションのある聖蹟桜ヶ丘、子供のころに見て育った神田川、宮崎の自宅のある所沢、美術監督の男鹿和雄のふるさと秋田など様々な地名を挙げており、作品の風景はこれらが入り混じったものであって、具体的な作品の舞台を定めたのではないとしているが、2018年に発売された「トトロが生まれたところ」という本で、宮崎本人が所沢が舞台となったと記してある。その他にも、宮崎の親族が神奈川県の鶴巻温泉で経営する温泉旅館「元湯・陣屋」の名前が挙げられることもある。その後、宮崎が1990年代から狭山丘陵の「トトロの森」保全運動に携わったり、所沢の地名が形を変えて作品に取り入れられていることもあって、所沢市がその舞台として紹介されることもある。 「トトロ」の名前の由来は「所沢にいるとなりのオバケ」を縮めたものとされ、宮崎監督の知人の少女が所沢を「ととろざわ」と発音していたことに由来するとも言われている。トトロの原型となっているのは、宮沢賢治の『どんぐりと山猫』である。劇中ではトトロについて、サツキが「絵本に出てたトロルのこと?」とメイに聞き、メイが「うん」と答える場面があり、そうみなす描写があるが、エンディングで姉妹にお母さんが「三匹の山羊 (やぎ) 」と題した絵本を読み聞かせている描写があり、この本をトロルの登場する昔話『三びきのやぎのがらがらどん』とする読み解きも行われている。(ただし福音館書店から『三びきのやぎのがらがらどん』の日本語版が発行されたのは昭和40年であり、昭和30年代初頭を設定とするトトロとは時代が合わない)
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