男鹿和雄とは? わかりやすく解説

男鹿和雄

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/06 15:21 UTC 版)

おが かずお
男鹿 和雄
生年月日 (1952-02-29) 1952年2月29日(73歳)
国籍 日本
職業 美術監督
主な作品
ユニコ
あしたのジョー2
はだしのゲン
時空の旅人
妖獣都市
となりのトトロ
『夏服の少女たち』
おもひでぽろぽろ
平成狸合戦ぽんぽこ
もののけ姫
『種山ヶ原の夜』
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男鹿 和雄(おが かずお、1952年2月29日 - )は、アニメーション美術監督、挿絵画家。株式会社でほぎゃらりーアドバイザー。宮崎駿高畑勲川尻善昭らの作品を支えてきた日本を代表する美術監督である。

経歴

1952年秋田県仙北郡太田町(現:大仙市)三本扇に生まれる。秋田県立角館高等学校卒業後、デザイン系専門学校を一年で中退。学校に通う途中、アニメーションの広告を見かけて背景を描くようになる。1972年小林プロダクションに入社、代表の小林七郎に師事する。1975年に看板製作の仕事に転職するも、1977年に『家なき子』制作の為に同プロダクションに復帰。その後はマッドハウスに移籍し、椋尾篁の下で『幻魔大戦』『カムイの剣』などのアニメに参加。美術監督としては『はだしのゲン』『時空の旅人』『妖獣都市』などを手がけた。『妖獣都市』では川尻善昭監督の大胆な色彩と渋い演出など新たな美術の面白さに影響を受ける[1]

1987年、新作の美術監督を探していた宮崎駿監督にスカウトされ『となりのトトロ』の美術を担当する[1][2][3]。真夏の田舎の情景を表現したDパートの背景画はもはやアートの域に達しており、「緑(色)の使い方に天賦の才がある」と宮崎に評され、宮崎・高畑両監督の高い評価を得る。

おもひでぽろぽろでは当時住んでいた日野市豊田駅前商店街が描かれている。

現在は八王子にある自宅のアトリエを拠点に活動し、数々のスタジオジブリ作品の背景美術の要として、両監督を支え続けている。また、挿画や絵本、エッセーなどアニメーション以外の仕事も手がけている。

2003年から始まったコープえひめ主催のえひめ児童版画コンクール「天才ちるどれん」の審査委員長を務めている[4]

2006年宮沢賢治原作のDVD絵本『種山ヶ原の夜』を監督。

展覧会

2007年7月、東京を皮切りに全国9都市で個展「ジブリの絵職人・男鹿和雄展」が開催された。東京展では30万人に迫る入場者数を記録した。

開催都市 展覧会場 開催期間
東京都江東区 東京都現代美術館 2007年7月21日9月30日
愛知県名古屋市 松坂屋美術館 2008年5月1日20日
北海道札幌市 札幌芸術の森美術館 2008年7月12日9月15日
秋田県仙北市 角館町平福記念美術館 2008年9月20日11月4日
愛媛県松山市 愛媛県美術館 2008年11月22日2009年1月18日
長崎県長崎市 長崎県美術館 2009年4月4日6月14日
長野県長野市 長野県信濃美術館 2009年6月27日8月27日
新潟県新潟市 新潟県立万代島美術館 2009年9月19日11月29日
兵庫県神戸市 兵庫県立美術館 2009年12月8日2010年2月7日

主な作品

アニメーション

テレビ

OVA

映画

挿絵・イラストなど

  • 1993年 C・W・ニコル著 LETTERS-赤鬼からの便り 挿絵
  • 1997年 映画興行師 挿絵
  • 1998年 吉永小百合/編 詩画集・小さな祈り 挿絵
  • 2000年
    • 吉永小百合/編 第二楽章・ヒロシマの風 挿絵
    • 吉永小百合/編 第二楽章・長崎から 挿絵
  • 2002年 山下景秋著 日本経済のことが面白いほど分かる本 表紙カバー絵
  • 2003年 山本素石原作 ねずてん
  • 2004年 藤丸麻紀著 経済のニュースがスラスラわかる本 表紙カバー絵
  • 2008年 野坂昭如 戦争童話集 沖縄篇 ウミガメと少年 絵
  • 2009年 秋田、遊びの風景 文と絵
  • 2014年 吉永小百合/編 ヒロシマの風 伝えたい、原爆のこと 挿絵
  • 2015年 吉永小百合/編 ナガサキの命 伝えたい、原爆のこと 挿絵

画集・図録

関連DVD

出典・参考文献

脚注

  1. ^ a b アド・ネット・さきがけ 郷 インタビューVol52 男鹿和雄
  2. ^ 男鹿和雄画集 ジブリTHE ARTシリーズ 徳間書店、1996年、ISBN 978-4198605261
  3. ^ トトロの森に説得力 アニメ美術職人 男鹿和雄さん ジブリをいっぱい YOMIURI ONLINE
  4. ^ ジプリの絵職人 男鹿和雄展

関連項目

外部リンク


男鹿和雄

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 04:39 UTC 版)

高畑勲」の記事における「男鹿和雄」の解説

平成狸合戦ぽんぽこ』は男鹿和雄に美術をやってもらうことを前提設計した男鹿の絵は見る者に自然の実感喚起する力をもち映画美術としての機能的側面忘れさせることができた。自然に対す愛情適応力観察眼そしてセンス良さ持ち合わせた。

※この「男鹿和雄」の解説は、「高畑勲」の解説の一部です。
「男鹿和雄」を含む「高畑勲」の記事については、「高畑勲」の概要を参照ください。

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