開館から改装まで(1988-2007)
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「土浦市立博物館」の記事における「開館から改装まで(1988-2007)」の解説
1988年(昭和63年)6月23日に登録博物館として認可を得て、同年7月2日に土浦市立博物館が開館した。本格的な博物館としては県南地区では初で、茨城県の市立博物館としては水戸市立博物館、日立市郷土博物館に次ぐ3館目であった。常設展示室は旧石器時代から近現代までを通史的に展示した。開館当日は午前中に開館記念式典と市長の助川弘之らによるテープカットが行われ、午後から一般公開された。当日は土曜日で、無料公開であったこともあり約550人が来館し、開館記念特別展「近世土浦の名宝展」で展示された文箱や風呂釜、鎧などに魅了されたという。続いて9月4日から第1回企画展「旧中家村の歴史―信仰の足跡をたずねて―」を開催、土偶や仏像などを展示したほか、「粕毛弥陀堂のおみくじ」の複製品が来館者に配布された。1989年(平成元年)は藁に関する企画展を2回行い、1月から2月にかけて土浦で使われていた藁製品の展示や草履作り体験などを、9月から10月にかけて福島県立博物館のコレクションを中心に茨城県のものも加えて藁人形の展示を行った。 1990年(平成2年)6月より、土浦の農家で1945年(昭和20年)頃まで使われていた高機(たかばた)を用いた機織り体験教室を開講した。1994年(平成6年)2月から3月にかけては近世に日本で作られた地球儀25点を一堂に集めた展覧会を開催し、土浦の町人・沼尻墨僊の手製地球儀などが披露された。近世の土浦では沼尻のほかにも土浦藩士の山村才助が地理学分野で活躍し、近隣地域でも飯塚伊賀七、間宮林蔵、長島尉信など多くの地理学者が生まれたため、その後も地理学関連の展覧会が行われた。例えば1996年(平成8年)2月から3月には坤輿万国全図をテーマにした展覧会を開催し、宮城県図書館から借用した原本のほか、山村才助が所有していたものを含む写本12点(現存は22点)を展示するとともに、大学生によるメンタルマップ30点も公開した。 1998年(平成10年)、土浦城東櫓が復元され、土浦市立博物館の付属展示施設となった。2001年(平成13年)3月から5月にかけて、はたおり教室10周年を記念した特別展を開催した。2002年(平成14年)には旧土浦藩主の土屋家旧蔵の刀剣83口のうち82口を当時の所有者から2億9700万円で購入、1口を寄贈され、3月に国宝の短刀(銘筑州住行弘 観応元年八月日)を含む13口を特別公開した。行弘の短刀はこれ以降、毎年土浦全国花火競技大会の時期に合わせて特別公開されるようになった。
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