貨物用ディーゼル機関車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 23:48 UTC 版)
「アッチソン・トピカ・アンド・サンタフェ鉄道」の記事における「貨物用ディーゼル機関車」の解説
1935年から1960年までの間、入換機関車は黒に塗られ、薄い白か銀の水平なストライプがアクセントに加えられていた。標準の青と白のSanta Feのロゴとともに、側面中央に小さな字で"A.T.&S.F."と描かれていた。第二次世界大戦後、斜めの白または銀のストライプが端部と運転台側面に踏切での視認性を良くするために書き加えられ、ゼブラ・ストライプ塗装と呼ばれた。A.T.&S.F.の文字は側面のアクセントストライプのすぐ上に描かれ、青と白のSanta Feボックスロゴがそばに描かれていた。 アメリカの砂漠地帯には豊富な水資源を欠いていたため、サンタフェ鉄道はEMD FT型など流線形のディーゼル機関車を貨物運用に大量に使用した最初の鉄道会社となった。1940年12月から1943年3月までの間に納入された100号から119号までのFT型最初のグループでは、濃い青に薄い黄のストライプを前部と運転台の周り、側面のエンジン用開口部のメッシュと骨組みに塗り、薄い赤いストライプが青と黄のエリアを隔てる塗装になっていた。 電気式ディーゼル機関車でもすべての運転台に機関士を乗せるべきだと主張する機関士友愛組合との労働争議のため、FT型の101号から105号までは他のFT型のA-B-B-Aの構成ではなく、A-B-B-Bの構成で納入された。 SANTA FEのロゴマークは黄で5インチの高さで引き伸ばされた書体で描かれており、またSanta Feのボックスロゴも前部中央に描かれていた。当初はボックスロゴは青い十字と円と四角が青銅の板に描かれていたが、しかし後に鋼鉄の板に変更された。3本の細い薄い黄の帯(猫のひげと称される)が前部のロゴから運転台の側面に引き回されている。1951年1月に、3本の黄色のストライプが前部に回され、旅客用機関車に適用されたのと似た大きさと形の、青と黄のシガー・バンドが描かれたものに変更された。青の背景に引き伸ばされた黄のSANTA FEのレタリングは維持された。 1960年から1972年までは、非流線形の貨物用機関車はビルボード(広告看板)塗装と呼ばれるものになり、車体のほとんどが濃い青で塗られ、端部とピンストライプの飾りが黄色で塗られていた。Santa Feの文字は黄の大きなクーパー・ブラックフォントで機関車の側面にアクセントのストライプの下に描かれた。 ケネコット・カッパーの103号(アルコRS-2形ディーゼル機関車)が2098号の名目でゼブラ・ストライプ塗装で修復され博物館で保存されている サンタフェ鉄道103号機関車(EMD FT)、「猫のひげ」塗装、第二次世界大戦中の整備作業の様子 1972年から1996年まで、さらにBNSF鉄道の時代になってからも、イエローボンネット塗装として知られる新しい塗装パターンを採用した。かつてのウォーボンネット塗装に似た黄色い機関車で、やはり踏切における高い視認性を確保するものであった。かつては黒く塗られていた走り装置は、銀で塗られるようになった。 1989年6月、サンタフェ鉄道はウォーボンネット塗装を復活し、EMD FP45型2両(5992号・5998号)に改良された形で適用した。Santa Feロゴは大きなビルボードスタイルで側面に赤い文字で描かれた。この2両は101号と102号に改番され、1989年7月4日に新しい「スーパーフリート」として再就役した。サンタフェ鉄道で貨物用機関車がこれほど飾られたのは初めてであった。FP45型の残りの6両はそれ以降同様に塗りなおされ改番された。これ以降、新しい機関車は赤と銀に塗られ、バーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道となった合併以降も多くがこれを維持した。中にはBNSFと側面に表示したものもある。 「スーパー・フリート」用車両の初期の納入では、EMD GP60、GE Dash 8-40BWなどを受領し、アメリカの一級鉄道の中では唯一新しい4軸貨物機関車でノース・アメリカン・セーフティ・キャブを搭載したものを運行している。これらの機関車は高速インターモーダル輸送用に使用することを計画しているが、アッチソン・トピカ・アンド・サンタフェ鉄道の最後の時期には一般運用や支線運用に用いられていることもあった。 681号機関車、テキサス州シーリー、2001年6月 ディーゼル機関車になってからの間に、いくつかの実験的・記念用の塗装パターンがあった。1つは、1984年にアッチソン・トピカ・アンド・サンタフェ鉄道とサザン・パシフィック鉄道の親会社同士が合併することを予定して開発され、一部で適用されたものであった。赤・黄・黒の塗装で大きな赤い文字で側面にSFと描かれた、提案されていたサザン・パシフィック・サンタフェ鉄道 (SPSF) の塗装は、コダックから発売されていたフィルム「コダクローム」の箱に似ていたことから、コダクローム塗装と鉄道ファンに呼ばれた。鉄道ファンの間でよく言われたジョークとしては、SPSFは「そんなに早く塗り替えるべきではなかった」(Shouldn't Paint So Fast) の略であるというものがある。州際通商委員会によってその後合併は認可されなかったものの、この塗装を施された機関車はまだ時折リースなどで見ることができる。
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