調整系統路線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 00:31 UTC 版)
均一区間の外側を走る路線である。中心部から郊外へ向かう路線など、均一区間の内側と外側にまたがって走る路線が多いが、洛西地区の路線など均一区間の外側だけを走る路線もある。車体前方に「整理券車」という表示がされている。調整系統の系統番号は、方向幕の白地に黒字で書かれている(ただし、一部系統で例外はある)。その多くが他のバス会社との競合路線であり、他社の運賃体系に市バス側が合わせていることが多い。 乗車時に整理券を取る(乗車口にて「整理券をお取り下さい」とのアナウンスが流れる)か対応カードをカードリーダーに通し、降車時にバス前方に表示されている「整理券番号」に対応した運賃を支払って(対応カードの場合は運賃支払機のカードリーダーに通して運賃を精算)降車する。整理券を受け取らなかった場合(もしくは対応カードを乗車口のカードリーダーに通さなかった場合)、規則としては「運賃表の表示の最高額を支払う」ことになっている。なお、調整系統路線であっても、均一区間内のみの利用の場合は運賃は230円(大人)である。 車内運賃表の表示が変わる(運賃が上がる)ときには、次停留所名案内の放送の最後に必ず「これから先運賃が変わります」という案内が流れる。これは京都バスなどの路線でも行なわれている。運賃表が巻き取り式の幕であった頃にはこの案内が流れる際に運賃表の幕が回っていた。また、均一区間から外れる境界となる停留所接近時には「これから先、均一運賃区間外となります」とのアナウンスが流れる。均一区間外では市バス・京都バス一日乗車券カードのみならず全線定期券も利用できないため、それとは別途に支払う差額が運賃表示器に表示される。さらに調整系統用の車両にはバンパーに縦書きで「整理券車」と書かれた円形の標識を付けていた。濃紺地に緑文字という暗い色を使用していたが、結構大きめの標識であったため、目立つものであった。その後、横書きのシールに変更された(シールは黄色地に黒文字)。 現在では市バスエリア内の主要観光地のうち、桂離宮付近は均一区間外である。2014年3月21日までは嵐山・嵯峨野地区も均一区間外だった が、市バス一日乗車券カードの区間外となるので、観光客の誘致に不利であったり、日本語が不自由な外国人観光客が一日乗車券カードが使えないことを知らずに下車しようとするのに対し、運転手が追加料金が必要であることを説明するのに苦労するなど弊害も多かった。利用者や観光業界の強い要望も以前からあったが、競合する京都バスとの協定が必要なため長く実現することはなかった。ようやく2014年に均一区間に組み入れられたところ、バスの利用者が15%増加し増加分のほとんどが観光客であった。そのため、京都市交通局は他の調整系統路線もすべて均一区間に組み入れることを目標とし、2016年3月には嵐山・嵯峨野地区と同様に京都バスのみと競合する修学院・岩倉(一部区間のみ)地区を均一料金区間に組み入れ、詩仙堂・曼殊院・修学院離宮方面も市バス・京都バス一日乗車券カードが使用できるようになった。以後は市内中心部を走る路線の殆どが均一系統となった。2021年3月20日からは並走するJR西日本バスとの調整が成立したことにより8号系統が高雄から栂尾まで延長するとともに全線均一区間となり、京都駅前から栂ノ尾は530円から230円へと半額以下の値下げとなった。 ただ、均一料金区間に組み入れられることはその地域だけを利用する利用者にとっては運賃の値上げとなることが多い。2016年3月から全線が均一料金区間に組み入れられた5号系統を例とするなら、京都駅前から岩倉操車場前までの全線を乗車した場合、従来の運賃360円から均一料金230円となり130円の値下げとなったのに対し、上終町京都造形芸大前から岩倉操車場前まで(それまでの均一料金区間外)の利用は、従来の運賃160円から230円へと70円の値上げとなった。2014年3月に均一料金区間となった嵐山・嵯峨野地区も、区域内のみの利用が190円から220円へと30円の値上げだった。 これら均一区間化された系統に使用されるバス車両からは、乗車時に使用する整理券発行機およびカードリーダーが撤去されているか、あるいはこれらの装置をビニールのカバーで覆っている。
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