纒向型前方後円墳の規模と分布
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「纒向型前方後円墳」の記事における「纒向型前方後円墳の規模と分布」の解説
以下に、「纒向型前方後円墳」の規模と分布等について、寺沢著『王権誕生』(2000)の挿図をもとに作成した表を掲げる。寺沢は、各地の纒向型前方後円墳が纒向諸古墳の2分の1、3分の2、3分の1などの規格で築造された例が少なくないことを指摘しており、下表でも「纒向諸古墳に対する規模」として掲げた。ただし、「墳丘長」「主な出土遺物」は寺沢原図には記載がなく、諸資料より調べたものである。調べがつかなかったものについては空欄としている。なお、「主な出土遺物」では主な副葬品あるいは祭祀のために用いられたとみられる道具のみを掲げ、表面採集の埴輪や土器などは割愛した。当該墳墓の発掘調査がなされていない場合も、副葬品の詳細は不明なので空欄としたが、空欄であることは決して副葬品をともなわないことを意味するものではない。 時期墳墓名所在地旧国墳丘長(m)纒向諸古墳に対する規模墳墓群主な出土遺物(参考)※双方中円墳 楯築弥生墳丘墓 岡山県倉敷市 備中 72 - 水銀朱、ヒスイの勾玉、鉄剣、ガラス製小玉、管玉 庄内式(3C中葉以前) 纒向石塚古墳 奈良県桜井市 大和 96 - 纒向古墳群 弧文円板、朱塗鶏形木製品 庄内式 纒向矢塚古墳 奈良県桜井市 大和 96 - 纒向古墳群 庄内式 纒向勝山古墳 奈良県桜井市 大和 110 - 纒向古墳群 木製の刀剣把手、団扇 庄内式 東田大塚古墳 奈良県桜井市 大和 (96→110) - 纒向古墳群 庄内式 ホケノ山古墳 奈良県桜井市 大和 80 - 纒向古墳群 銅鏃60、鉄鏃60、素環頭大刀、刀剣類、画文帯神獣鏡3 庄内式 神門4号墳 千葉県市原市 上総 49 1/2 庄内式 宮山 岡山県総社市 備中 38 1/3 剣、刀、有稜鏃 庄内式 山戸4号墳 兵庫県姫路市 播磨 1/4 庄内式 萩原1号墳 徳島県鳴門市 阿波 27 1/4 萩原墳墓群 画文帯神獣鏡 庄内式 椛島山(かばしまやま) 佐賀県武雄市 肥前 1/4 内行花文明光鏡、素環頭刀子、勾玉、管玉 布留0式(3C後~4C初) 石名塚古墳 奈良県天理市 大和 111 ×1.2 柳本古墳群 布留0式 中山茶臼山古墳 岡山県岡山市 備前 120 ×1.2 布留0式 原口古墳 福岡県筑紫野市 筑前 80 1/1 三角縁神獣鏡、直刀、鉄斧、管玉・丸玉 布留0式 那珂八幡古墳 福岡市博多区 筑前 75 3/4 三角縁神獣鏡、勾玉、管玉、ガラス製小玉 布留0式 浅間山 毛野 2/3 布留0式 端陵(はしのりょう) 鹿児島県薩摩川内市 薩摩 54 2/3 布留0式 臼ヶ森 福島県会津坂下町 陸奥 1/2 布留0式 稲葉 福岡県糸島市 筑前 1/2 稲葉古墳群 布留0式 小田部(おだっぺ) 千葉県市原市 上総 円部22 1/3 管玉3、ガラス玉300 布留0式 新豊院山2号(しんぽういんやま) 静岡県磐田市 遠江 34 1/3 新豊院山古墳群 三角縁神獣鏡 布留0式 分校マエ山(ぶんぎょうまえやま) 石川県加賀市 加賀 1/3 布留0式 矢藤治山(やとうじやま) 岡山県岡山市 備前 35.5 1/3 方格規矩鏡1、勾玉1、ガラス小玉50、鉄斧 布留0式 名島古墳 福岡市東区 筑前 30 1/3 三角縁神獣鏡 布留0式 双水柴山(そうずいしばやま)2号 佐賀県唐津市 肥前 34.7 1/3 布留0式 下屋敷1号 宮崎県新富町 日向 1/3 下屋敷古墳群 布留0式 大久保1号 愛媛県西条市 伊予 1/4 布留0式 下原(しもばる) 大分県国東市 豊後 25 1/4 寺沢原図では、「纒向型前方後円墳」はさらに多数にのぼることが示されているが、古墳名を記さず、古墳の立地する位置を点でおとしているだけのものがある。上の表に掲げている以外の地域では、長門、丹後、伊勢、信濃、出羽などに点在する。
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