纏足の開始
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 04:53 UTC 版)
伝統的な中国人女性の習慣として著名な「纏足」は、宋代に始まった。当初は美しい専門靴を着け、上流階級のファッションとして流行したが、明代に入ると漢族女性の風習として拡大し、清代になると禁令を出されても効果がないほどに普及していた。なお、朱熹が地方官在任中に纏足を奨励したとする説が近代に流布したが、この説は根拠がない。 従来、纏足は野蛮・グロテスクな習慣であり、被害者としての中国女性を象徴するものとして捉えられていた。しかし近年の研究では、こうした見方は19世紀以降の宣教師や人類学者、医者の記した文献に即した一面的なものであるとされる。実際には、纏足・纏足靴の作成は一種の女性文化で、儒教世界の中における女性の努力と誇りを示す側面もあり、当時の女性美の象徴であったと考えられている。
※この「纏足の開始」の解説は、「中国の女性史」の解説の一部です。
「纏足の開始」を含む「中国の女性史」の記事については、「中国の女性史」の概要を参照ください。
- 纏足の開始のページへのリンク