グロス・トン

総トン数
【英】: gross tonnage
同義語: グロス・トン
船舶の大きさを、その船舶の容積で表す場合に用いる。総トン数は、わが国における海事に関する制度において、船舶の大きさを表すための主な指標として用いられるものである。 従来、トン数は「船舶積量測度法」により規定されていたが、各国の採用しているトン数の測度基準は独自の算定方式を加味しているので、同一寸法の船舶でもその国籍により異なっており、海運の国際性から統一基準の必要性が認識され、「1969 年の船舶のトン数の測度に関する国際条約」――トン数条約――が 1982 年 7 月 18 日に発効し、わが国では「船舶のトン数の測度に関する法律」とこれの施行規制が公布されている。総トン数は、閉囲場所(外板、仕切り、隔壁、甲板もしくは覆いにより閉囲されている船舶内のすべての場所)の合計容積を立方メートル(m3)で表した数値から、除外場所(開口を有するため閉囲場所ではあるがトン数の算定基礎から除外される場所――省令で定められている)の合計容積を立方メートル(m3)で表した数値を控除して得た数値に、当該数値を基準として定める係数を乗じて得た数値に「トン」(単位でなく呼称)を付して表される国際トン数(トン数条約にいうトン数)に、さらに一定の数値を乗じて算定する。 一般に船の大きさの比較などに使われ、特に旅客船や貨客船の大きさといえば普通これをいう。また、各種の統計にも使われることが多く、関税、登録税、水先案内料、船舶検査料、曳船料{えいせんりょう}、桟橋料、航路補助、船舶助成、職員および設備関係法規などの基準に使われる。なお、長さ 24m 以上の船舶を国際航海に従事させるには、トン数条約の方式で算定したトン数を証する「国際トン数証書」が必要で、証書の内容は条約締結国間では相互に容認されている。 |

総トン数(グロストン、Gross tonnage)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 14:08 UTC 版)
「トン数」の記事における「総トン数(グロストン、Gross tonnage)」の解説
船舶の大きさを示すのに用いる指標。「G.T.」「G/T」「GT」と表記されることがある。単に「総トン数」と表記された場合には「国際総トン数」を表すのか「国内総トン数」を表すのか注意を要する。 国際総トン数 -- トン数法第4条。政府間海事協議機構(現国際海事機関)(IMO)において制定された、「1969年の船舶のトン数測度に関する国際条約」に基づいて、国際的に統一された計測方法により算出される船舶の大きさを表す数。主に客船・貨物船などの商船や漁船の大きさを示す際に用いられる。船内の総容積に条約で定められた係数を掛けて算定する。 その算定方法は国際総トン数をt、係数をk、船内総容積をV(立方メートル)とすると k = 0.2 + 0.02 log 10 V {\displaystyle k=0.2+0.02\log _{10}V} t = k ∗ V {\displaystyle t=k*V} として計算する。 かつてイギリスにおいてムアサム・システムによるトン数算出方法が導入される際に、イギリス籍船の全船舶のトン数を総合計した数値と、ムアサム・システムによって算出した全船舶の容積の総合計した数値の比が1トンあたりおよそ100立方フィートとなったため、1トン=100立方フィートと定められた (GRT / Gross register tonnage)。また日本でムアサム・システムを導入した船舶積量測度法が作られたが、日本ではメートル法が採用されたため、立方フィートを立方メートルに換算し、1000/353立方メートルが1トン(ton)とされた。すなわち1トン = 約2.832 861立方メートルである。 ムアサム・システムは船舶内の部屋の使用目的に応じて、その特定部分の容積のみをトン数算出のために使用するものであった。しかし「1969年の船舶のトン数測度に関する国際条約」では船舶内の全容積をトン数算出のために使用することとなった。そのためトン数算出のために使用される容積は旧来のムアサム・システムより増加することとなったが、トン数を基準に法律などが整備されている海事業界の混乱を防ぐため、条約方式で算出された容積に係数を掛けて、旧来のムアサム・システムで算出した際のトン数と条約方式で算出した際のトン数の差が大きくならないよう対応された。 このため現在の国際総トン数は1トン=100立方フィートではない。 総トン数 -- トン数法第5条。日本国内で適用される総トン数。「国内総トン数」「登録総トン数」と表記されることがある。国際総トン数にトン数法で定める係数を乗じて得た数値に「トン」を付して表す。国際総トン数より小さな値になる。日本国籍を持つ船舶(小型船舶や漁船なども含む)で用いられるトン数である。
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