精神的特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 14:26 UTC 版)
仕事を始めとする日常生活のすべてを聖化し、信仰に100%合致した生き方を送るよう、あらゆる条件、身分の信者を励ますことが目的である。神との親子関係とミサを精神的な基盤とし、社会の中で観想生活を営む。自由を尊重し、愛徳と協調をもってイエス・キリストを伝えることなどが挙げられる。また、日常の仕事を神と隣人の為に心を尽くして果たし、仕事を聖化することを務めとしている。 オプス・デイの精神の特徴: 神との父子関係 洗礼によって人は神の子となる。キリスト教のこの基本的な真理は、オプス・デイの精神の中でも根本的なものである。創立者は、「神との父子関係はオプス・デイの精神の根本です」と教えていた。オプス・デイの提供する形成を受けている信者は、神の子としての身分を生き生きと自覚し、それに従って日々の生活を営む。それは、神の摂理に対する信頼、(複雑でないという意味での)単純な心、人間の尊厳への尊重、兄弟愛、キリスト者として神が望まれるような世界を目指しながら現実に即した本物の愛を持ち、落ち着きと楽観をもって生きることに表れる。 日常生活 「神に仕え、すべての人々に仕えながら、自分自身を聖化すべき場所は、この世のもっとも物質的な事柄においてなのです」。聖ホセマリアはこのように教えていた。家庭、結婚生活、仕事、日々の務めは、愛徳、忍耐、謙遜、勤勉、正義、喜びなどの諸徳を実践することによって、イエス・キリストと出会い、キリストに倣う機会となるのである。「皆さん、兄弟である人々のいるところ、希望の実現をめざし、仕事に従事し、愛情を捧げるところ、これこそ皆さんが日々キリストと出会う所です。この世の最も物質的なものの真っ只中こそ、神と人々に仕えつつ自らを聖化すべきところです。」(聖ホセマリア、説教「愛すべき天地」1967年) 仕事の聖化 仕事において聖性を追求するとは、プロ意識とキリスト者としての自覚をもって、仕事をより良く成し遂げること。つまり、神への愛と人々への奉仕として、仕事を果たすことである。このようにして、日常の仕事はキリストと出会う場へと変わるのである。 祈りと犠牲 オプス・デイの精神は、日常生活を聖化するための努力を持続することができるよう、祈りと償いに励むよう勧める。そこで、オプス・デイの信者は、念祷や毎日のミサ聖祭、ゆるしの秘跡、ロザリオ、霊的読書、福音書の黙想などを生活に組み入れて熱心に実行する。中でも聖母信心を大切にする。イエス・キリストに倣うために犠牲を実行するが、特に義務を果たしやすくする犠牲や人々の生活をもっと快くするための犠牲、さらに小さな満足を放棄することや教会が一般的に薦める断食、献金を大切にしている。 生活の一致 創立者は、社会で働くキリスト者は「一方では、内的生活、神との関係を保つ生活を営み、他方では、それとは関わりがないように過ごす全く別な家庭生活や職業、社会生活を送るというような二重生活をすべきではありません」と語ってた。そして、「あるのはただ一つ、霊と肉からなる生活です。このたった一つの生活が、霊魂と体ともに、聖化され、神に満ちたものとなるべきなのです」と、教えていた。 自由を愛する オプス・デイの信者は他の市民、自分と同等の人々とまったく同じ権利を享受し、同じ義務を負っている。政治や経済、文化においては自由に、また個人的に責任をもって行動し、自らの決定に関しては教会やオプス・デイを巻き込むことはない。また、それを信仰に合致した唯一の決定と主張することもない。他人の自由と意見を尊重する。 愛徳 キリストを知る人は宝を見つけたのであり、この宝を他の人々と分かち合わずにいられないものである。キリスト信者はイエス・キリストの証し人であって、キリストの希望の教えを、模範とことばを通して、親戚や友人、同僚の間で広めていく。創立者は、「同僚や友人、親戚たちと同じ望みをもって、共に働くとき、私たちは彼らをキリストのもとへと導くことになるのです」と教えていた。キリストを人々に知らせたいという熱意があれば、自然に人々の物質的な必要を満たす努力や周囲の社会問題を解決したいという望みとなって表れる。
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