第Xa因子とは? わかりやすく解説

第X因子

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/09 22:49 UTC 版)

第X因子(だいじゅういんし、: factor X)とは、血液凝固カスケードを構成する酵素EC 3.4.21.6)の1つである。セリンプロテアーゼの1種であり、PA clan (英語)に含まれる。Stuart–Prower因子と呼ばれることもある。




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第Xa因子

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第X因子」の記事における「第Xa因子」の解説

血液凝固系について1960年代提案されモデルでは、2つ経路存在する仮定されていた。1つ組織因子関係する外因経路であり、もう1つ内因経路である。両者は共通の経路合流して第Xa因子/第Va因子複合体形成しカルシウム存在下でリン脂質表面結合する。そしてプロトロンビンからトロンビン生成する考えられのである近年では、細胞考慮することで、より適切に血液凝固仮定説明するモデル提案されている。このモデルでは、凝固3つの段階から成る第1段階では、組織因子発現している細胞において凝固開始される第2段階では、その細胞によって生成されトロンビンによって前凝固シグナル増幅される。そして第3段階ではトロンビン生成血小板表面伝播する。第Xa因子は、この3つの段階全てにおいて重要な役割担っている第1段階では、まず第VII因子細胞表面膜貫通タンパク質である組織因子結合し第VIIa因子となる。その結果として生じる第VIIa因子/組織因子複合体第X因子および第IX因子活性化する。これにより生じた第Xa因子は第V因子結合してプロトロンビナーぜを形成し細胞表面少量トロンビン生成する第2段階では、トロンビン増幅が行われる。充分量のトロンビン生成されると、血小板および血小板関連補因子活性化する第3段階では、最終的なトロンビン生成が行われる。第XI因子は、活性化した血小板表面において第IX因子活性化する。そして第IXa因子第VIII因子と共にテンナーゼ複合体(tenase complex)を形成する。テンナーゼ複合体第X因子活性化するため、正のフィードバックとなり「トロンビンバースト」を来たすのである。1分子の第Xa因子は1000分子ものトロンビン生成できる。[要出典]このトロンビンバーストは、フィブリン重合して血栓形成する上で重要である。 今日行われている多くの坑凝固療法機序は、第X因子合成または活性化阻害する、というものである。ワルファリンはクマリン誘導体であり、経口凝固として日本アメリカ合衆国などで広く用いられている。ヨーロッパ一部の国では、他のクマリン誘導体であるphenprocoumon(英語)やacenocoumarol(英語))が用いられている。これらの薬剤は、ビタミンK依存的な翻訳カルボキシル化阻害することで、生理活性のある第II因子第VII因子第IX因子第X因子合成妨げる。 ヘパリン低分子量ヘパリンは、アンチトロンビン結合してIIa, Xa, XIa, XIIa因子不活化する。ヘパリン-アンチトロンビン複合体の各凝固因子対す親和性はさまざまであるが、第Xa因子に対す選択性が高いほど抗凝固能も高くなる。[要出典]低分子量ヘパリンは、未分ヘパリン比して、第Xa因子に対す選択性が高い。また、フォンダパリヌクスは、ヘパリンのうち第Xa因子との結合およびコンフォメーション変化必要な糖鎖からなる糖類であり、第Xa因子を選択的に不活化する。こうしたヘパリン等による抗凝固作用は、アンチトロンビン存在依存していることから「間接的」な作用表現される近年、より特異的に、かつ直接に第Xa因子を阻害する薬剤開発されている。たとえばrivaroxaban, apixaban, betrixaban, LY517717, darexaban (YM150), edoxaban および 813893 である。これらの薬剤経口的に投与できることに加えて理論上現在の抗凝固薬よりも優れている考えられている。効果発現速やかであり、遊離型の第Xa因子とプロトロンビナーゼ複合体形成している第Xa因子の両方作用する

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