複合体の組み立て
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/28 02:46 UTC 版)
「プロトロンビナーゼ」の記事における「複合体の組み立て」の解説
プロトロンビナーゼの組み立ては、第Xa因子と第Va因子が細胞膜上の負に帯電したリン脂質に結合することで開始される。第Xa因子と第Va因子は、単球、血小板、内皮細胞を含むさまざまな細胞種の細胞膜に結合する。第Xa因子と第Va因子はそれぞれ独立に結合を行うが、どちらも相互排他的な結合部位に結合する。第Xa因子と第Va因子はいずれも軽鎖を介して細胞膜へ結合するが、第Xa因子はGlaドメインを介してカルシウム依存的に結合し、第Va因子はC2ドメインとC1ドメインを介して結合する。第Xa因子と第Va因子は細胞膜に結合すると迅速に1:1の量比で結合し、プロトロンビナーゼ複合体を形成する。プロトロンビナーゼの組み立てはカルシウム依存的である。プロトロンビナーゼ複合体を形成することで、第Xa因子の触媒効率は単独の場合と比べて30万倍増加する。第Xa因子と第Va因子は細胞膜に結合しているときには互いに緊密に結合する。さらに、膜に結合した第Va因子はプロトロンビナーゼ複合体の触媒に大きな利点をもたらす。第Va因子は第Xa因子の膜への親和性を強化し、また第Xa因子のプロトロンビンに対する代謝回転数kcatを増加させる。また、第Va因子はプロトロンビンのプロトロンビナーゼ複合体への結合を強め、反応のミカエリス定数Kmを低下させる。
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