複製前複合体の組み立てに関する役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 07:20 UTC 版)
「複製起点認識複合体」の記事における「複製前複合体の組み立てに関する役割」の解説
ORCはMCM複合体(pre-RC)のDNAへのローディングに必須である。この過程は、ORC、Cdc6、Cdt1に依存しており、ATPによって制御されたいくつかのリクルートイベントを伴う。まず、ORCとCdc6は複製起点のDNA上で複合体を形成する。ORC/Cdc6複合体は、この部位へCdt1/Mcm2-7をリクルートする。ORC/Cdc6/Cdt1/Mcm2-7からなる巨大な複合体(OCCM複合体)が形成されると、ORC/Cdc6/Cdt1は一体となってMcm2-7をDNAへロードし、この過程でCdc6によってATPが加水分解される。Cdc6のATPアーゼ活性はORCと複製起点DNAの双方に依存している。これによってCdt1のDNA上での安定性が低下し、ロードされたMcm2-7を残して複合体から解離する。Mcm2-7は最初にロードされた状態ではDNAを完全に取り囲んでおり、ヘリカーゼ活性は阻害されている。S期には、Mcm2-7複合体はヘリカーゼのコファクターであるCdc45(英語版)、GINS(英語版)と相互作用し、複製起点のDNAを巻き戻して一本鎖DNAを作り出し、複製を開始させる。複製を双方向で行うために、この過程は複製起点で2度起こる。どちらのローディングも1つのORCによって媒介され、1度目のイベントと同じ過程が行われる。これまでにORC、MCM、そして中間体となるOCCM複合体の構造が解かれている。
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