複製サイクル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/22 10:10 UTC 版)
「テナガザル白血病ウイルス」の記事における「複製サイクル」の解説
GaLVは、ウイルス複製に逆転写酵素と呼ばれる酵素を利用するレトロウイルスファミリーに属している。レトロウイルスは一本鎖ゲノムRNA(ssRNA)を持っており、逆転写により二本鎖DNA(dsDNA)を形成し、宿主細胞のゲノムにプロウイルスが組み込まれる。 GaLVレプリケーションサイクルは次のように進行する。 結合:GaLVレトロウイルス複製の最初のステップは、受容体分子SLC20A1 (GLVR-1、PIT-1)およびSLC20A2 (GLVR-2、PIT-2)を介したヒト細胞表面へのウイルス粒子の吸着である。この分子はどちらも細胞タンパク質(リン酸トランスポーター)である。 宿主細胞への侵入:次に、GaLV粒子は、細胞膜上のこれらの細胞表面タンパク質を、宿主細胞に侵入するための特異的な受容体として利用する。 逆転写:次に、ウイルスコアが標的細胞の細胞質に入り、そこで逆転写酵素が3 'から5'までの相補的DNA鎖を生成する。 核への侵入:GaLVの宿主ゲノムへのプロウイルスの組み込みには、標的細胞の核への侵入が必要である。ただし、GaLVは非分裂細胞に感染することができず、有糸分裂中の核膜の消失を通じて核に侵入する。 複製:プロウイルスDNAが宿主細胞の核に入ると、複製はポリペプチド合成を介して起こり、宿主ゲノムに組み込まれる。
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複製サイクル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/26 13:51 UTC 版)
「ガンマレトロウイルス属」の記事における「複製サイクル」の解説
ガンマレトロウイルスは寄生体として働き、細胞の宿主因子を使用してゲノムを宿主の核に送り込み、その中で細胞の機構を使用してウイルスゲノムを複製し、宿主生物全体に広がり続ける。 DNAの複製中間体ゲノムを持つ一本鎖RNA(+)であるため、ウイルスRNAゲノムをmRNAに直接コピーする機能を持つ。生物学のセントラルドグマに反して、RNAゲノムをDNAに逆転写する。 ビリオンは糖タンパク質SUを介して宿主細胞受容体に付着し、糖タンパク質TMは細胞膜との融合を助ける。その後、ウイルスは脱コーティングを開始し、逆転写を介して一本鎖RNA(+)ゲノムから直鎖の二本鎖DNA分子が形成される。逆転写に関与する酵素は逆転写酵素である。宿主の核膜は有糸分裂中に分解されることから、その間ウイルスの二本鎖DNAは宿主の核に侵入することが可能になる。次に、ウイルスの二本鎖DNAは、ウイルスのDNAを宿主のDNAに組み込むことを可能にする酵素であるウイルスのインテグラーゼを介して、宿主の細胞ゲノムに組み込まれ、プロウイルスと呼ばれる状態になる。この状態では、ガンマレトロウイルスDNAは宿主細胞のゲノムに組み込まれ、ウイルスのmRNAとゲノムRNAを形成するためのテンプレートになっている。二本鎖DNAはPol IIによって転写され、スプライシングされたRNA鎖とスプライシングされていないRNA鎖の両方を生成し、これらのスプライシングされたRNA鎖は宿主細胞の核を離れる。スプライシングされていないウイルスRNAの翻訳により、env、gag、gag-polポリタンパク質が生成される。 Envはポリペプチド前駆体になり、切断されて受容体結合表面を形成する。次に、ビリオンが宿主細胞膜に組み込まれ、ウイルスRNAゲノムがパッケージ化される。ビリオンは原形質膜から出芽し、宿主から放出される。ビリオンが宿主細胞から放出された後、活性なウイルス粒子と遭遇した次の細胞でこのプロセスは繰り返される 。
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