ウイルス血清型が異なる場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 10:18 UTC 版)
「抗体依存性感染増強」の記事における「ウイルス血清型が異なる場合」の解説
細胞内でのウイルスの生存率が高まる現象を説明するものには、幾つかの可能性がある。 ある血清型のウイルスに対する抗体が、異なる血清型のウイルスに結合する。この結合は、ウイルスが宿主細胞に付着するのを中和する為のものであるが、ウイルス-抗体複合体は、免疫細胞上のFc領域の抗体受容体(FcγR)にも結合する。細胞はウイルス破壊のためにウイルスを内在化するが、ウイルスはそこから逃れ、複製サイクルを開始する。 ある血清型のウイルスに対する抗体が、異なる血清型のウイルスに結合し、補体系の古典経路を活性化する。補体カスケードシステムは、抗体を介してウイルス表面タンパク質に結合したC1q複合体(英語版)と結合し、C1q複合体は細胞に存在するC1q受容体と結合して、ウイルスと細胞を近づけ、特定のウイルス受容体がウイルスと結合して感染が始まる。 このメカニズムは、in vitro ではエボラウイルス、in vivo では幾つかのフラビウイルスで示されている。
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