古典経路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 23:50 UTC 版)
古典経路 (英: Classical pathway) の開始はC1複合体(C1q、C1r、C1s)の活性化がトリガーであり、抗原と複合体を形成したIgMやIgGにC1qが結合したときに起こる(IgMは1つで経路を開始するが、IgGの場合は複数必要である)。あるいはC1qが病原体表面に直接結合した場合にも活性化する。このような結合はC1q分子に高次構造の変化をもたらし2つのC1r(セリンタンパク質分解酵素)分子を活性化する。次にこれらがC1s(こちらもセリンタンパク質分解酵素である)分子を分解する。C1複合体はC4続いてC2に結合してこれらを分解しC2aとC4bを生ずる。C1rとC1sの阻害はC1阻害分子が行う。C4bとC2aは結合して古典経路でのC3転換酵素を形成する(C4b2a複合体)。これはC3をC3aとC3bに分解するのを促し、後者はC2aとC4b(つまりC3転換酵素)と会合してC5転換酵素となる。 C5aとC3aはマスト細胞の脱顆粒を開始させる。C5b、C6、C7、C8、C9からなる複合体(C5b6789)はMACといわれる膜侵襲複合体を作る。これは細胞膜の中に埋め込まれ、パンチのように穴を開け、細胞溶解を始める。 C3転換酵素は崩壊促進因子(DAF)で阻害される。この因子はGPIアンカーを用いて赤血球の細胞膜に結合する。
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