免疫介在性壊死性ミオパチー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 05:00 UTC 版)
筋原性変化が認められる。壊死・再生筋にマクロファージの浸潤が認められる。リンパ球浸潤は認めないか、あっても反応性の変化として説明が可能なものである。慢性に経過する例では間質の線維化や脂肪浸潤が認められる。免疫染色では筋線維膜でのHLA-ABCの発現増加が認められるが皮膚筋炎や封入体筋炎と比べると非常に軽度である。通常はHLA-DRの発現は認められない。一部の筋線維膜で膜侵襲複合体(MAC)沈着を認める。またp62が筋細胞質内で顆粒状に染まり、自己貪食に関わるシャペロン蛋白と共局在している。抗ミトコンドリアM2抗体陽性筋炎も病理学的には免疫介在性壊死性ミオパチーに分類せざるおえない例が多い。
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免疫介在性壊死性ミオパチー(immune-mediated necrotizing myopathy、IMNM)
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免疫介在性壊死性ミオパチーに特異的な自己抗体としては抗SRP抗体と抗HMGCR抗体が知られている。歴史的には抗HMGCR抗体はスタチン誘発性免疫介在性壊死性ミオパチーに特異的な抗体として報告されたが、その後検討では抗HMGCR抗体陽性の免疫介在性壊死性ミオパチーのうちスタチン内服歴があったのは18%に過ぎなかった。スタチン内服は免疫介在性壊死性ミオパチーのリスク因子ではあるが原因とは言えない。SRPもHMGCRも筋線維膜上に発現しており、自己抗体がこの抗原に結合する。その結果C1qが誘導され、古典経路を介して順次補体が活性化される。最終的にC5b-9からなる膜侵襲複合体(membrane attack complex、MAC)が筋線維膜上に形成され、筋線維膜に穴があくため筋線維が壊死する。 抗SRP抗体陽性壊死性ミオパチー、抗HMGCR抗体陽性壊死性ミオパチーのいずれも30歳代およびそれ以上の例が約90%を占める。小児例は筋ジストロフィーとの鑑別が非常に難しく筋生検を含む検査が必要となる。典型的には亜急性に近位筋優位に筋力低下をきたす。筋症状としては筋力低下のほか、筋萎縮を認めることが特徴的で、比較的筋痛も伴うことが多い。傍脊柱筋、嚥下に関係する筋や顔面の障害も伴うことがある。また首下がりや嚥下障害もよく認められる。慢性に経過した一部の抗SRP抗体陽性例は顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーが鑑別となる。皮疹、関節炎、間質性肺炎、心筋炎を伴うこともあるが筋外症状は比較的少ない。CKは大半の症例で1000以上の高値を示す。骨格筋ではびまん性の淡い浮腫性変化を筋内に認めることが多い。
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